アフリカ大陸の中で最もヨーロッパに近く、イスラム喧騒感とおしゃれなフランスの雰囲気の両方を合わせ持つエキゾチズム満載な国「モロッコ」。北は大西洋、南はサハラ砂漠…
モロッコの代表的な料理12選！定番料理・伝統料理からスイーツまで
モロッコはその豊かな歴史と多様な文化の中で、独自の美味しい料理を数多く生み出してきました。この記事では、モロッコで特に人気のある代表的な料理を12種類厳選してご紹介します。スパイスが豊富に使われた料理や、伝統的な煮込み料理、さらには甘くて美味しいスイーツまで、幅広いバリエーションのモロッコ料理の魅力を詳しく解説します。それぞれの料理の特徴や魅力、おすすめの食べ方、そして日本での入手方法など、旅行者や料理愛好家にとって参考になる情報が満載です。さあ、モロッコの豊かな食文化を堪能してみましょう。
2024年07月03日更新
モロッコの食文化
モロッコの食文化は、多様な歴史的背景と地理的要因が融合して形成されています。主食はパンで、特にセモリナ粉を使ったものが多く、タジン料理やクスクスが日常的に食べられています。タジンは肉や魚、野菜をスパイスと共に煮込む料理で、生姜、サフラン、ターメリックなどがよく使われます。また、モロッコは酪農が盛んで、濃厚な牛乳や「ライビ」と呼ばれるヨーグルトドリンク、「ルブン」という発酵乳製品が一般的です。スパイスの使用が特徴的で、クミン、シナモン、パプリカなどを多用し、料理に深みを与えています。また、ハリラという栄養価の高いスープがラマダンの際に特に好まれます。モロッコのおすすめ料理12選
甘辛の絶妙なハーモニー「バスティラ」
バスティラは、モロッコの高級料理の一つで、甘さと辛さの絶妙なバランスが特徴です。主に鶏肉や鳩肉、玉ネギ、卵、アーモンドをパイ生地に包んで焼いたもので、食材の甘さとスパイスの風味が見事に調和しています。パイの上には粉糖とシナモンが振りかけられ、デザートのような見た目ながらも、しっかりとしたメインディッシュとして楽しめます。バスティラは特別な機会やお祝いの席で提供されることが多く、その豊かな味わいは訪れる人々を魅了します。フレッシュで爽やかなトマトサラダ「シュラダ・マテシャ」
シュラダ・マテシャは、モロッコを代表するトマトサラダで、新鮮なトマト、きゅうり、赤玉ねぎ、パクチーを使い、オリーブオイルとクミンで味付けされています。その名前はアラビア語で「サラダ」を意味する「シュラダ」と「トマト」を意味する「マテシャ」から来ています。シンプルながらもエスニックな風味が特徴で、特に夏の暑い日にぴったりの一品です。香ばしい茄子とトマトのスパイシーペースト「ザルーク」
ザルークは、モロッコの家庭料理で、香ばしく焼いた茄子をトマトとスパイスと共にペースト状にした一品です。茄子は直火で焼いて皮をむき、トマトは角切りにして炒めます。クミンパウダー、パプリカパウダー、すりおろしにんにく、レモン汁、塩を加え、さらにイタリアンパセリとコリアンダーを混ぜて仕上げます。オリーブオイルで炒めることで、スパイスとハーブの風味が引き立ち、複雑な味わいが楽しめます。パンにのせて食べるのが一般的で、ワインのお供にも最適です。栄養豊富な伝統スープ「ハリラ」
ハリラは、モロッコの伝統的なスープで、特にラマダンの断食明けに親しまれています。豆や野菜がたっぷりと溶け込んだこのスープは、栄養価が高く、体に優しい一品です。基本的な材料には、レンズ豆、ひよこ豆、玉ねぎ、セロリ、トマトが使われ、スパイスとしてターメリック、ジンジャーパウダー、ブラックペッパー、コリアンダー、イタリアンパセリが加えられます。また、地方によっては牛肉や羊肉が入ることもあり、バーミセリという極細のパスタが加えられることもあります。オリーブオイルで炒めた野菜にスパイスを加え、トマトと水を入れて煮込み、最後に豆とパスタを加えて仕上げます。レモンを添えて提供されることが多く、その爽やかな酸味がスープの風味を引き立てます。風味豊かなモロッコの蒸し料理「クスクス」
クスクスは、モロッコの代表的な蒸し料理で、硬質小麦を細かく砕いた粒状のパスタを使用します。クスクスは、野菜や肉、魚介類と一緒に煮込んだスパイシーなスープをかけて食べるのが一般的です。モロッコの家庭では、圧力鍋を使って手軽に作ることができ、クミンやコリアンダーなどのスパイスを少量加えることで風味を引き立てます。また、野菜の旨味がたっぷりと出たスープを使って蒸し上げることで、ふっくらとした食感が楽しめます。クスクスは、特別な機会や日常の食卓で広く親しまれており、その豊かな風味と多彩な具材の組み合わせが魅力です。ふんわりとした香ばしいモロッコパン「ホブス」
ホブスは、モロッコの家庭で日常的に焼かれる円盤状のパンで、セモリナ粉を使ったシンプルなレシピが特徴です。モロッコの家庭では、朝からパンを焼く香ばしい香りが漂い、外では人々がホブスを抱えて歩く姿がよく見られます。ホブスは、どの料理にも合うもちっとした食感と小麦粉の風味が魅力で、タジンなどの料理を食べる際には欠かせない存在です。また、家庭ごとに胡麻やフェンネルを振るなどの個性があり、焼きたてのホブスは特に美味しいと評判です。価格も1DH〜2DH（約12円〜24円）と非常に手頃で、モロッコ人の生活に深く根付いています。スパイスが効いた絶品煮込み料理「タジン」
タジンは、モロッコの伝統的な煮込み料理で、独特な円錐形の蓋を持つタジン鍋を使用します。この鍋は、蒸気を循環させることで食材の水分を逃さず、無水調理が可能です。タジン料理には鶏肉、牛肉、羊肉、野菜、香辛料が使われ、特にクミン、シナモン、ターメリックなどのスパイスが豊富に使用されます。この調理法により、食材の旨味と栄養を最大限に引き出し、ヘルシーで風味豊かな一品に仕上がります。また、タジン鍋はガスコンロや電子レンジ対応のものが多く、家庭での使用にも便利です。ジューシーで香ばしい串焼き「ブロシェット」
ブロシェットは、フランス語で「串焼き」を意味する料理で、マリネした肉を串に刺して焼くのが特徴です。特に丹波地鶏を使用したブロシェットは、炭火で焼かれることで香ばしい香りとジューシーな食感が楽しめます。クミンやパプリカパウダー、レモン汁、オリーブオイルなどでマリネした肉を使用し、紫玉ねぎと共に串に刺してオーブンで焼き上げると、見た目も華やかでパーティーのスターターとしても人気です。また、野菜や果物、シーフードを組み合わせたバリエーションも豊富で、ワインとの相性も抜群です。深い風味の羊肉煮込み「タンジーヤ」
タンジーヤは、モロッコの伝統的な羊肉の煮込み料理で、特にマラケシュで人気があります。タジン鍋とは異なり、タンジーヤは壺のような陶器の容器で調理され、長時間かけてじっくりと煮込まれます。羊肉は、クミン、コリアンダー、サフラン、シナモンなどのスパイスと共に煮込まれ、その深い風味が特徴です。水を使わずに煮込むため、羊肉の旨味が凝縮され、香り高い一品に仕上がります。特に冬の寒い季節にぴったりの料理で、パンと一緒に食べるのが一般的です。もちもち食感の薄焼きパン「ムスンメン」
ムスンメンは、モロッコで広く親しまれている薄焼きパンで、クレープのような食感が特徴です。生地にはたっぷりのバターやオイルが使われており、揚げたような香ばしさが楽しめます。特にカフェでは、ハチミツやチーズを添えて提供されることが多く、夕方には路面で大量のムスンメンを焼いている光景が見られます。また、玉ねぎやコリアンダー、卵、スパイスを加えたバリエーションもあり、焼きたてのムスンメンは絶品です。爽やかな香りと甘さ「ミントティー」
ミントティーは、モロッコの伝統的な飲み物で、その爽やかな香りと甘さが特徴です。新鮮なミントの葉を用いて作られ、香り高い風味とともにリラクゼーション効果や消化促進、口臭予防などの健康効果が期待されます。特に、ペパーミントは強い清涼感と鋭い香りがあり、リラックス効果が高いとされています。ミントティーはカフェインを含まないため、就寝前にも安心して飲むことができ、ディナー後の一杯としても最適です。また、ミントティーは日本でも手軽に手に入るようになり、その美味しさと効能を楽しむことができます。サクサクとした甘いデザート「ケネッファ」
ケネッファは、モロッコの伝統的なデザートで、サクサクとした食感と甘さが特徴です。フィロ生地を使用し、リコッタチーズやカッテージチーズを詰めて焼き上げることで、外はカリカリ、中はクリーミーな仕上がりになります。焼き上がったケネッファには、シロップをたっぷりとかけて甘さを引き立てます。シロップには、オレンジフラワーウォーターやローズウォーターを加えることで、香り豊かな風味が楽しめます。特に、特別なイベントやお祝いの席で提供されることが多く、その贅沢な味わいは訪れる人々を魅了します。モロッコの料理を食べてみよう！
モロッコ料理は、その多様性と豊かな風味で世界中の食通を魅了しています。ベルベル人の伝統料理を基に、アラブ、ペルシャ、トルコなどの影響を受けたモロッコ料理は、スパイスやハーブを巧みに使い、独特の味わいを生み出しています。この記事を通じて、モロッコの代表的な料理や食文化について深く理解し、実際に自宅で試してみることで、その魅力をさらに感じていただければ幸いです。モロッコの食の世界は、まだまだ奥深く、探求する価値があります。関連記事
