アメリカのアイダホ州、モンタナ州、ワイオミング州の3州にまたがり、1872年に設立された世界最初の国立公園「イエローストーン国立公園」。総面積約9,000Km2…
アメリカの世界遺産は24カ所!絶対に見ておきたい有名な世界遺産を厳選して紹介
アメリカには、豊かな自然と深い歴史を反映した24カ所の世界遺産があります。広大な国土に点在するこれらの遺産は、文化遺産11件、自然遺産12件、複合遺産1件で構成されています。グランドキャニオン国立公園やイエローストーン国立公園といった壮大な自然の造形から、自由の女神像や独立記念館のような歴史的建造物まで、アメリカの多様性を象徴する遺産が揃っています。本記事では、これらの世界遺産の中から、特に注目度が高く、訪れる価値のある遺産を厳選してご紹介します。アメリカ旅行の際には、ぜひこれらの世界遺産を訪れ、壮大な自然と豊かな文化遺産を体験してください。
2024年09月02日更新
アメリカの世界遺産は全部で24カ所登録されている!
アメリカには、2024年現在、全部で24カ所の世界遺産が登録されています。これらの遺産は、文化遺産11件、自然遺産12件、複合遺産1件に分類されています。文化遺産には自由の女神像や独立記念館などの歴史的建造物が含まれ、自然遺産にはグランドキャニオン国立公園やイエローストーン国立公園などの壮大な自然景観が含まれています。唯一の複合遺産であるパパハナウモクアケアは、ハワイの北西に位置する広大な海洋保護区です。これらの世界遺産は、アメリカの豊かな歴史と自然の多様性を反映しており、国内外から多くの観光客を惹きつけています。世界遺産の中には、一般の観光客が訪れやすいものもあれば、アクセスが制限されているものもあり、それぞれが独自の魅力と重要性を持っています。アメリカの世界遺産一覧表
世界遺産登録名 | 登録年 | 種別 |
---|---|---|
メサ・ヴェルデ国立公園 | 1978 | 文化遺産 |
イエローストーン国立公園 | 1978 | 自然遺産 |
グランド・キャニオン国立公園 | 1979 | 自然遺産 |
エヴァーグレーズ国立公園 | 1979 | 自然遺産 |
独立記念館 | 1979 | 文化遺産 |
カホキア墳丘群州立史跡 | 1982 | 文化遺産 |
グレート・スモーキー山脈国立公園 | 1983 | 自然遺産 |
ラ・フォート・デ・サンジャン | 1984 | 文化遺産 |
スタチュー・オブ・リバティ | 1984 | 文化遺産 |
ヨセミテ国立公園 | 1984 | 自然遺産 |
チャコ文化国立歴史公園 | 1987 | 文化遺産 |
ハワイ火山国立公園 | 1987 | 自然遺産 |
モンタチェロとバージニア大学 | 1987 | 文化遺産 |
プエルト・リコのラ・フォート・デ・サンジャン | 1983 | 文化遺産 |
プエブロ・デ・タオス | 1992 | 文化遺産 |
カールズバッド洞窟群国立公園 | 1995 | 自然遺産 |
マンモス・ケーブ国立公園 | 1981 | 自然遺産 |
オリンピック国立公園 | 1981 | 自然遺産 |
ロス・アラモスの原爆開発地 | 1987 | 文化遺産 |
サンアントニオ伝道団 | 2015 | 文化遺産 |
パパハナウモクアケア | 2010 | 自然遺産 |
クルクーキー古代集落 | 2018 | 文化遺産 |
ワトソン湖 | 2019 | 自然遺産 |
フランク・ロイド・ライトの20世紀建築 | 2019 | 文化遺産 |
アメリカでおすすめの世界遺産10選
大地が織りなす壮大な絶景「グランドキャニオン国立公園」
グランドキャニオン国立公園は、アメリカ合衆国アリゾナ州北西部に位置する世界最大規模の峡谷です。全長約450km、最大幅約30km、最深部で約1.6kmに及ぶ壮大な景観は、コロラド川が数十億年かけて浸食した結果生まれました。1919年に国立公園に指定され、1979年にはユネスコ世界遺産に登録されました。公園内には20億年から2億5千万年前の地層が露出しており、地球の歴史を紐解く貴重な場所となっています。サウスリムとノースリムの2つの主要エリアがあり、特にサウスリムは観光客に人気で、多くのビューポイントやトレイルが整備されています。グランドキャニオンの雄大な景観は、日の出や日没時に特に美しく、訪れる人々に地球の壮大さと自然の力を実感させる、まさに「大自然の芸術」と呼ぶにふさわしい場所です。溶岩の流れる神秘の楽園「ハワイ火山国立公園」
ハワイ火山国立公園は、ハワイ島南部に位置する世界自然遺産で、世界で最も活発な火山の一つであるキラウエア火山を含む壮大な火山地帯です。1916年に国立公園に指定され、1987年にユネスコ世界遺産に登録されました。公園内には、キラウエア火山とマウナロア山という2つの活火山があり、総面積は約1,335平方キロメートルに及びます。キラウエア火山は1983年以来継続的に噴火活動を続けており、訪れる人々に生きた地球の営みを体感させる貴重な場所となっています。公園内では、火口から流れ出す溶岩や、溶岩トンネル、黒砂海岸など、火山活動が生み出した独特の地形を観察することができ、ハワイの自然の神秘と力強さを感じることができます。カラフルな温泉と野生動物の宝庫「イエローストーン国立公園」
イエローストーン国立公園は、世界初の国立公園として1872年に設立され、その広大な面積は約9,000平方キロメートルに及びます。公園内には200以上の間欠泉と1万以上の温泉が点在し、世界で最も熱水現象が集中する地域の一つとなっています。特に有名なのは、カラフルな温泉プールや豪快に噴き上がる間欠泉で、グランド・プリズマティック・スプリングやオールドフェイスフル・ガイザーなどが人気の観光スポットです。さらに、イエローストーンは野生動物の宝庫としても知られ、バイソン、グリズリーベア、オオカミ、エルクなど多様な動物が生息しています。特にラマーバレーは野生動物の観察に適した場所として有名で、早朝に訪れると多くの動物に出会える可能性が高いです。花崗岩の巨岩と滝が織りなす絶景「ヨセミテ国立公園」
ヨセミテ国立公園は、カリフォルニア州中央部のシエラネバダ山脈に位置する壮大な自然の宝庫です。1890年に国立公園に指定され、1984年にユネスコ世界遺産に登録されました。公園の中心であるヨセミテ渓谷は、氷河によって形成された花崗岩の巨岩群と壮観な滝が特徴的です。エル・キャピタンやハーフドームといった象徴的な岩壁、世界最大の落差を誇るヨセミテ滝など、息をのむような景観が広がっています。公園内には250以上のハイキングコースがあり、初心者から上級者まで楽しめる多様なトレイルが整備されています。また、公園の95%が手つかずの自然として保護されており、多様な生態系と豊かな野生動物の生息地となっています。ヨセミテ国立公園は、年間約400万人もの観光客が訪れる人気の観光地であり、自然保護の重要性を体感できる貴重な場所となっています。自由と希望の象徴「自由の女神像」
自由の女神像は、アメリカ合衆国の自由と民主主義を象徴する世界的に有名なランドマークです。ニューヨーク港のリバティ島に立つこの巨大な銅像は、フランスからアメリカ独立100周年を記念して贈られ、1886年に完成しました。高さは台座を含めて93メートルに達し、右手に掲げたたいまつと左手の銘板、そして7つの突起のある冠が特徴的です。19世紀以来、世界中から訪れる観光客の人気スポットとなっているだけでなく、かつては新天地を求めてアメリカに向かう移民たちにとって希望の象徴でもありました。1984年にユネスコ世界遺産に登録され、アメリカの歴史と文化的価値を体現する重要な遺産として認められています。断崖絶壁に残る古代文明「メサ・ヴェルデ国立公園」
メサ・ヴェルデ国立公園は、コロラド州南西部に位置する古代プエブロ人の遺跡群で、1978年にユネスコ世界遺産に登録されました。西暦550年から1300年頃まで、約700年にわたってこの地に定住していた古代プエブロ人は、断崖絶壁の窪みを利用して独特の集合住宅を築きました。公園内には約5000の関連遺跡が保護されており、そのうち600ほどが断崖の集落跡です。最大の集落では120人ほどが生活していたとされ、高度な建築技術と社会構造を持っていたことがうかがえます。しかし、彼らがなぜ断崖に集落を築いたのか、また13世紀末に突如として姿を消した理由は、今なお謎に包まれています。メサ・ヴェルデ国立公園は、古代アメリカ文明の貴重な遺産として、考古学的にも文化的にも重要な価値を持つ場所となっています。亜熱帯の生態系の宝庫「エバーグレーズ国立公園」
エバーグレーズ国立公園は、フロリダ半島南端に位置する広大な亜熱帯湿地帯で、1979年にユネスコ世界遺産に登録されました。約6,105平方キロメートルに及ぶ公園は、「草の海」と呼ばれる独特の生態系を有し、1,000種以上の植物と700種以上の動物が生息しています。アメリカアリゲーター、フロリダマナティー、フロリダピューマなどの希少種や絶滅危惧種の重要な生息地となっており、生物多様性の保護に大きな役割を果たしています。しかし、周辺地域の開発による水質汚染や生態系への影響から、1993年から2007年、そして2010年以降再び危機遺産リストに登録されており、自然再生事業が進められています。千年の歴史を誇る先住民の集落「プエブロ・デ・タオス」
プエブロ・デ・タオス(タオス・プエブロ)は、ニューメキシコ州北部に位置する1000年以上の歴史を持つ先住民の集落で、1992年にユネスコ世界遺産に登録されました。西暦1000年から1450年の間に建設されたとされるこの集落は、赤褐色のアドベ煉瓦で作られた複数階の団地が特徴的で、現在も約150人のプエブロ族が伝統的な生活を営んでいます。タオス・プエブロは、スペイン人の侵略や1847年のアメリカ軍による包囲攻撃など、数々の歴史的な出来事を経験しながらも、独自の文化と伝統を守り続けてきた貴重な生きた遺産です。天空に届く巨木の森「レッドウッド国立・州立公園」
レッドウッド国立・州立公園は、カリフォルニア州北部の太平洋沿岸に位置し、世界最大の樹木であるセコイアの一種、コーストレッドウッドの巨木林を保護しています。この公園は1国立公園と3州立公園から構成され、1980年にユネスコ世界遺産に登録されました。樹齢1500年以上、高さ100メートル以上に達する巨木が生い茂る森は、まさに地球上で最も高い木々が支配する神秘的な空間です。19世紀の大規模伐採から守られた現在の森は、かつての20分の1の広さですが、世界のレッドウッド原生林の約半分を保護しています。公園内では、ハイキングやドライブを通じて、霧に包まれた幻想的な景観や、映画「スター・ウォーズ」のロケ地としても使用された異世界のような雰囲気を体験できます。アメリカ建国の精神が宿る「独立記念館」
独立記念館は、アメリカ合衆国の建国精神を象徴する重要な歴史的建造物です。1776年7月4日、この建物でアメリカ独立宣言が採択され、1787年には合衆国憲法が制定されました。フィラデルフィアにある赤レンガ造りの建物は、1732年に着工し1752年に完成しました。1979年にユネスコ世界遺産に登録され、周辺は独立国立歴史公園として整備されています。独立記念館は、アメリカの自由と民主主義の理念が生まれた場所として、国内外から多くの観光客が訪れる重要な歴史的遺産となっています。アメリカで世界遺産を観光する際の注意点
アメリカの世界遺産を観光する際は、いくつかの注意点に気をつけることで、より充実した旅行になるでしょう。まず、事前の計画と予約が重要です。人気の国立公園などは、宿泊施設やキャンプ場が早めに埋まってしまうことがあるため、できるだけ早めに予約することをおすすめします。また、広大な敷地を持つ世界遺産が多いため、効率的に回るためには移動手段の確保が欠かせません。レンタカーを利用するのが一般的ですが、道路状況や駐車場の混雑状況などを事前にチェックしておくと良いでしょう。
服装や持ち物にも注意が必要です。国立公園内は天候の変化が激しいことがあるため、防寒具や雨具を準備しておくことをおすすめします。ハイキングを予定している場合は、歩きやすい靴や十分な水分、軽食などを持参しましょう。
そして、自然や文化遺産を大切にする姿勢を忘れないようにしましょう。決められた場所以外への立ち入りや、動植物の持ち出しは禁止されています。先住民の聖地などでは、文化的な慣習にも配慮が必要です。
事前の準備と自然を敬う気持ちを持って、アメリカの壮大な世界遺産を堪能してください。きっと忘れられない思い出になるはずです。