チリ料理は、豊かな海産物と肉、野菜を活かした多彩な味わいが特徴です。スペインやペルーの影響を受けながらも、独自の食文化を発展させてきました。代表的な料理には、海…
チリの世界遺産は7カ所!絶対に見ておきたい有名な世界遺産を厳選して紹介
チリには7つの世界遺産があり、その全てが文化遺産として登録されています。南米大陸の西側に位置するこの細長い国は、豊かな歴史と文化を持ち、その遺産は古代文明から近代の産業遺産まで多岐にわたります。イースター島のモアイ像で有名なラパ・ヌイ国立公園をはじめ、チロエの木造教会群、バルパライソの歴史的な港町、そして古代インカ帝国の道路網カパック・ニャンなど、チリの世界遺産は南米の多様な文化遺産を代表する存在です。本記事では、これらの中から特に注目すべき遺産を厳選して紹介します。
2024年08月30日更新
チリの世界遺産は全部で7カ所登録されている!
チリには現在、7つの世界文化遺産が登録されています。これらの遺産は、1995年に登録されたラパ・ヌイ国立公園から2021年に登録されたアリカ・イ・パリナコータ州のチンチョーロ文化の集落と人工ミイラ製法まで、幅広い時代と文化を網羅しています。具体的には、ラパ・ヌイ国立公園、チロエの教会群、バルパライソの海港都市とその歴史的な町並み、ハンバーストーンとサンタ・ラウラの硝石工場群、シーウェル鉱山都市、カパック・ニャン アンデスの道、そしてアリカ・イ・パリナコータ州のチンチョーロ文化の集落と人工ミイラ製法が含まれます。これらの遺産は、チリの先住民文化、植民地時代の建築、産業遺産、そして古代文明の遺跡など、チリの多様な歴史と文化遺産を代表しています。チリの世界遺産一覧表
世界遺産登録名 | 登録年 | 種別 |
---|---|---|
ラパ・ヌイ国立公園(イースター島) | 1995年 | 文化遺産 |
チロエの教会群 | 2000年 | 文化遺産 |
ハンバーストーンとサンタ・ラウラの硝石工場群 | 2005年 | 文化遺産 |
バルパライソの海港都市の歴史地区 | 2003年 | 文化遺産 |
セウェル鉱山都市 | 2006年 | 文化遺産 |
アルカウコのチンチャーロ遺跡 | 2014年 | 文化遺産 |
ペンギンス・デ・フエゴの島とサルデーニャの風景 | 2015年 | 自然遺産 |
チリでおすすめの世界遺産6選
神秘の巨像が語る古代文明「ラパ・ヌイ国立公園」
ラパ・ヌイ国立公園は、南太平洋に浮かぶイースター島に位置し、1995年にユネスコ世界遺産に登録されました。この公園には、古代ポリネシア文明の驚異的な遺産であるモアイ像が約900体存在しています。モアイ像は6世紀頃から作られ始め、最大のものは高さ21メートル、重さ200トンにも及びます。これらの巨大な石像は、先祖崇拝や部族の力の象徴として建立されたと考えられていますが、その正確な目的や製作・運搬方法については今なお多くの謎が残されています。ラパ・ヌイ国立公園は、モアイ像以外にも先住民の住居跡や壁画、ラノ・カウ火山など、古代文明の痕跡を今に伝える貴重な遺跡群として、世界中から多くの観光客を魅了し続けています。木造建築の芸術が息づく島「チロエの教会群」
チロエの教会群は、チリ南部のチロエ島に位置し、2000年にユネスコ世界遺産に登録された木造建築の傑作群です。17世紀から18世紀にかけてイエズス会によって建設されたこれらの教会は、ヨーロッパの建築様式と地元の伝統が融合した独特の「チロエ様式」を特徴としています。現在、島内には159棟の木造教会が現存し、そのうち14棟が世界遺産として登録されています。チロエ様式は、ゴシック建築やバロック建築などのヨーロッパの様式と地元の木造技術を組み合わせ、カラフルな外観と内部の木造構造が特徴的です。これらの教会は、ヨーロッパと先住民の文化融合を示す貴重な証拠であり、チロエ島の独自の文化的アイデンティティを象徴しています。砂漠に眠る産業遺産「ハンバーストーンとサンタ・ラウラの硝石工場群」
ハンバーストーンとサンタ・ラウラの硝石工場群は、チリ北部のアタカマ砂漠に位置する19世紀から20世紀にかけての産業遺産で、2005年にユネスコ世界遺産に登録されました。この遺跡群は、かつて硝酸ナトリウムの大量生産によってチリに莫大な富をもたらした200以上の工場跡を含んでいます。特に保存状態の良いハンバーストーン工場とサンタ・ラウラ工場では、当時の労働者たちの生活様子を観察できる住宅地なども残されており、チリ、ペルー、ボリビアからの労働者とヨーロッパの技術が融合した硝石産業の歴史を今に伝えています。この世界遺産は、チリの経済を一変させた硝石産業の重要性を物語る貴重な証拠となっています。色彩豊かな港町の歴史「バルパライソ海港都市の歴史的な町並み」
バルパライソは、チリ中部の太平洋沿岸に位置する歴史的な港湾都市で、その独特な景観と文化的重要性から2003年にユネスコ世界遺産に登録されました。19世紀後半から20世紀初頭にかけて繁栄した街は、すり鉢状の地形に沿って建てられた色彩豊かな建築物が特徴的です。急斜面に広がる住宅群と、それらを結ぶ16か所の「アセンソール」と呼ばれる傾斜式エレベーターは、バルパライソならではの独特な都市景観を形成しています。多様な国からの移民の影響を受けた国際色豊かな文化と、様々な建築様式が混在する街並みは、グローバリゼーションの先駆けとしての役割を果たした港町の歴史を今に伝えています。銅鉱山が育んだ独自の文化「スウェルの鉱山街」
スウェルの鉱山都市は、チリ中央部のアンデス山脈に位置する標高2,000メートルの高地に1905年に建設された独特の産業遺産です。アメリカ資本のブラデン銅鉱山会社によって、世界最大の地下銅鉱山エル・テニエンテの労働者のために造られたこの町は、19世紀のアメリカの街をモデルにしたカラフルな木造建築が特徴的です。最盛期には15,000人が暮らしていましたが、1970年代にほぼ放棄され、現在は無人の廃墟となっています。2006年に世界文化遺産に登録されたスウェルは、チリとアメリカの文化が融合した独自の文化を生み出し、その遺産は今も子孫たちに受け継がれています。鉱山業における産業遺産として、また20世紀に建設された唯一の通年利用可能な山岳鉱山都市として、その歴史的価値が高く評価されています。インカ帝国の壮大なる遺産「カパック・ニャン アンデスの道」
カパック・ニャン アンデスの道は、インカ帝国が築いた壮大な道路網で、2014年にユネスコ世界遺産に登録されました。この道路網は南米6カ国(アルゼンチン、ボリビア、チリ、コロンビア、エクアドル、ペルー)にまたがり、総延長は約3万キロメートルに及びます。インカ帝国の首都クスコを中心に、海抜0メートルの海岸砂漠地帯から標高6000メートルを超えるアンデス高山地帯まで、多様な地形を結んでいました。カパック・ニャンは王や飛脚、軍隊の移動、交易、情報伝達など多目的に利用され、インカ帝国の政治・経済・文化の発展に重要な役割を果たしました。現在でも一部の区間は地域住民によって保護・利用されており、インカ文明の遺産として高い価値を持っています。チリで世界遺産を観光する際の注意点
チリの世界遺産を観光する際は、いくつかの重要な点に注意する必要があります。まず、イースター島のラパ・ヌイ国立公園を訪れる場合、事前にウェブでの入島申請が必須となっています。また、イースター島の観光には、ガイドを利用するかツアーに参加することが推奨されます。これは、遺跡の保護と観光客の安全確保のためです。他の世界遺産を訪れる際も、現地のガイドやツアーを利用することで、より深い理解と安全な観光が可能になります。特に、ハンバーストーンとサンタ・ラウラの硝石工場群のような産業遺産では、建物の脆弱性や地震の影響により危険な箇所がある可能性があるため、注意が必要です。また、チリの世界遺産の多くは、その歴史的・文化的価値を保護するため、観光客の行動に制限を設けている場合があります。これらのルールを尊重し、持続可能な観光に協力することが重要です。