南米で一番の面積を持ち、豊かな自然や陽気な人々が魅力的な国「ブラジル」。世界的に有名なリオのカーニバルをはじめ、イグアスの滝・白砂漠レンソイス・パンタナール大湿…
ブラジルの代表的な料理18選!定番料理・伝統料理からスイーツまで
ブラジルは、その広大な国土と多様な文化を反映した豊かな食文化を持つ国として知られています。アフリカ、ヨーロッパ、先住民の影響が融合した独特の味わいは、世界中の食通を魅了し続けています。本記事では、ブラジルの代表的な料理18選をご紹介します。日常的に楽しまれる定番料理から、特別な日に振る舞われる伝統料理、そして甘い誘惑のスイーツまで、幅広くカバーしています。色鮮やかな食材と大胆なスパイスの使い方、そして地域ごとの特色ある調理法を通じて、ブラジルの食文化の奥深さと多様性を感じていただけるでしょう。さあ、舌の上で南米最大の国を旅する準備はできましたか?
2024年07月17日更新
ブラジルの食文化
ブラジルの食文化は、多様な民族的背景と豊かな自然環境を反映した独特の融合を見せています。ポルトガル、アフリカ、先住民の影響が色濃く、地域ごとに特色ある料理が発達しました。主食は米、豆、マニオク(キャッサバ)で、特にブラックビーンズを使用したフェイジョンは日常的に食されています。肉類、特に牛肉は重要な食材で、シュラスコなどの料理で広く楽しまれています。また、世界最大のコーヒー生産国として、コーヒー文化も根付いており、カフェジーニョやピンガードなどの独自のコーヒースタイルが発展しました。さらに、熱帯気候を活かした多様なフルーツも食卓を彩り、朝食から新鮮なフルーツやジュースを楽しむ習慣があります。このように、ブラジルの食文化は多彩な食材と調理法を通じて、国の歴史と地理的特性を体現しているのです。ブラジルのおすすめ料理18選
豪快な肉の祭典「シュラスコ」
シュラスコは、ブラジルの代表的な肉料理で、豪快な「肉の祭典」として知られています。この料理は、長い串に刺したブロック肉を炭火でじっくりと焼き上げる調理法が特徴です。シュラスコでは、通常20種類以上の様々な部位の肉が提供され、イチボなどの高級部位も含まれることがあります。レストランでは、食べ放題スタイルで楽しむことができ、ビールなどのドリンクと共に提供されることも多く、BBQ気分を味わえる人気の料理となっています。シュラスコは、ブラジルだけでなく、シドニーなど世界各地でも楽しむことができ、その豪快さと美味しさから、多くの肉好きを魅了しています。ブラジル版ファラフェル「アカラジェ」
アカラジェは、ブラジル北部バイーア州の代表的なストリートフードで、文化遺産としても認められている伝統料理です。ブラックアイドピー(黒目豆)を粉状にし、フットボール型に成形して油で揚げた食べ物で、小豆に似た風味を持ちます。通常、バイアーナと呼ばれる伝統衣装を着た女性たちが屋台で販売し、地域の食文化を象徴する存在となっています。アカラジェは半分に切り開かれ、中にエビやバテッパ(オクラやピーナッツなどを使ったペースト)などの具材を詰めて提供されることが多く、その独特の味わいと文化的な重要性から、ニューヨークタイムズでも絶賛されるほどの人気を博しています。エキゾチックな魚介の煮込み「ムケッカ」
ムケッカは、ブラジル北東部バイーア州の名物料理で、魚介類をココナッツミルクで煮込んだエキゾチックな一品です。主な材料には、タラやサーモンなどの魚、エビ、タコなどの魚介類が使われ、玉ねぎ、ピーマン、トマトなどの野菜と共に調理されます。ココナッツミルクをベースにした濃厚なソースに、レモン汁やにんにく、コリアンダーなどのハーブが加えられ、独特の風味と香りを醸し出します。本格的なムケッカではデンデ油(パーム油)が使用されることもあり、クリーミーでトロピカルな味わいが特徴です。ブラジルのカレーとも呼ばれるこの料理は、その独特の味わいと彩り豊かな見た目から、ブラジル料理を代表する人気メニューの一つとなっています。伝統的な豆と肉の煮込み「フェイジョアーダ」
フェイジョアーダは、ブラジルの国民食として広く親しまれている伝統的な煮込み料理です。黒インゲン豆を主役に、豚肉や牛肉、様々な部位の肉、ソーセージなどを一緒にじっくりと煮込んで作ります。19世紀にリオ・デ・ジャネイロで生まれたとされるこの料理は、奴隷制時代の名残とする説もありますが、その起源については諸説あります。フェイジョアーダは通常、白米、キャッサバ粉、コウビの炒め物、オレンジなどと一緒に提供され、エネルギー価が高いため、多くのブラジル人は週に1〜2回、特に水曜日や土曜日に食べる習慣があります。地域や家庭によって具材や調理法に違いがあり、近年では脂質を抑えたライトバージョンや、シーフードやベジタリアン向けのバリエーションも登場しています。香ばしい内臓料理「ドブラジーニャ」
ドブラジーニャは、ブラジルの伝統的な内臓料理で、近年日本の居酒屋やバルでも人気が高まっています。主な材料は味付けされたモツ(内臓)と水煮大豆で、トマト、タマネギ、にんにくなどの野菜と共に調理されます。オリーブオイルで炒めた後、コンソメとローリエで風味付けし、じっくりと煮込んで作ります。この料理は、ブラジルの食文化の多様性を反映しており、牛肉を中心とした肉食文化の一端を担っています。ドブラジーニャは、その独特の香ばしさと豊かな風味が特徴で、ブラジルの食卓に欠かせない一品となっています。独特の風味がクセになる「ハバーダ」
ハバーダは、ブラジルの伝統的な料理で、牛テールとポテトをトマトで煮込んだ独特の風味が特徴的な一品です。ブラジル風の肉じゃがとも呼ばれ、じっくりと煮込むことで牛テールの旨味が凝縮された深い味わいを楽しむことができます。通常、ごはんにかけて食べられ、ハヤシライスに似た見た目ですが、より複雑な風味が楽しめます。ハバーダは、ブラジルの多様な食文化を反映した料理の一つであり、家庭料理としても親しまれています。圧力鍋を使用することで比較的簡単に調理することができ、玉ねぎやにんにくなどの野菜も加えて煮込むことで、より豊かな味わいを引き出すことができます。さっぱりとしたブラジル風サラダ「タブレ」
タブレは、中東起源のサラダがブラジルに伝わり、独自の進化を遂げた爽やかな料理です。ブラジルのタブレは、パセリやミントなどのハーブを豊富に使用し、トマト、きゅうり、玉ねぎなどの新鮮な野菜と組み合わせて作られます。伝統的なレシピでは粗挽き小麦やクスクスを使用しますが、ブラジルではクルミを代用することもあり、独特の食感を楽しむことができます。レモン汁やオリーブオイルで味付けされたこのサラダは、さっぱりとした味わいが特徴で、ブラジルの暑い気候にぴったりの料理として人気を集めています。タブレは単独で楽しむだけでなく、肉料理の付け合わせとしても重宝され、ブラジルの食卓に彩りを添える健康的な一品となっています。カリッとジューシーなチキンボール「コシーニャ」
コシーニャは、ブラジルで人気のチキンコロッケで、表面がサクサクとした食感と、中のもちもちとした食感が特徴的な料理です。ポルトガルやブラジルでよく食べられており、屋台やカフェなどで手軽に楽しむことができます。通常、鶏肉をほぐして具材として使用し、小麦粉やマンジョッカ(キャッサバ)粉を使った生地で包んで揚げます。コシーニャの形は独特で、鶏の脚や涙のしずくのような形をしていることが多く、その見た目も人気の理由の一つです。サラダチキンを使用したアレンジレシピもあり、ケチャップやコンソメ、牛乳などを加えてより風味豊かに仕上げることもできます。コシーニャは、ブラジルの多様な食文化を反映した軽食として、国内外で愛されています。さくっと楽しむパルミット料理「パルミット」
パルミットは、ヤシの若木の芯を食用にした食材で、ブラジル料理において人気のある食材です。ほのかな甘みとシャキッとした食感が特徴で、サラダやオードブル、エスニック料理など様々な料理に使用されます。生のまま食べるのが最高とされ、甘みがあり、ナッツのような香ばしさと白アスパラガスに似た柔らかさを持っています。日本人にとってはタケノコに似た印象があり、たん白な味わいと歯切れのいい食感を楽しむことができます。パルミットは、チーズ焼きや筑前煮など、様々なアレンジレシピも人気があり、ブラジル料理の多様性を象徴する食材の一つとなっています。健康志向のスーパーフード「アサイーボウル」
アサイーボウルは、ブラジル原産のアサイーベリーを使用した健康的なデザートで、近年世界中で人気を集めています。アサイーは鉄分、カルシウム、マグネシウム、ビタミンB1などの栄養素やポリフェノールを豊富に含む「スーパーフード」として知られています。通常、冷凍アサイーピューレをベースに、バナナやその他のフルーツ、グラノーラなどをトッピングして提供されます。アサイーボウルは、その栄養価の高さと美味しさから、健康志向の人々に特に支持されており、朝食やスナックとして楽しまれています。日本でも簡単に作れる冷凍パックが販売されており、家庭でも手軽にアサイーボウルを楽しむことができるようになっています。甘くて濃厚なデザート「プジンジレイチコンデンサード」
プジンジレイチコンデンサード(Pudim de leite condensado)、通称プヂンは、ブラジルの家庭で愛されている伝統的なデザートです。ポルトガルから伝わったこのスイーツは、砂糖や生クリームの代わりに練乳を使用することで、独特のミルキーで濃厚な甘さを特徴としています。プヂンは通常、オーブンで蒸し焼きにされ、やや固めでねっとりとした食感が楽しめます。ブラジルの家庭では、プヂン専用のエンゼル型が一般的に所有されており、その人気の高さがうかがえます。近年、日本でもプヂンを提供するカフェが増加しており、SNSでも注目を集めています。香ばしく揚げた小さな鶏肉「フランゴパッサリーニョ」
フランゴパッサリーニョは、ブラジルの人気料理で、日本の唐揚げに似た香ばしい鶏肉料理です。この料理は、鶏もも肉を小さく切り、塩、玉ねぎ、パセリで味付けし、カリッと揚げて作ります。レモンの風味が爽やかな特徴があり、ブラジルの食文化の多様性を反映しています。2016年のリオデジャネイロオリンピック開催時には、ブラジル料理を紹介する一品として注目を集めました。フランゴパッサリーニョは、その独特の味わいと手軽さから、学校給食のメニューにも取り入れられており、ブラジルの食文化を子どもたちに伝える役割も果たしています。ポルトガルから伝わる塩漬けタラ「バカリャウ」
バカリャウは、ポルトガルから伝わった塩漬けタラを使用したブラジルの伝統的な料理です。この料理は、ブラジルの食文化における欧州の影響を象徴しており、特にクリスマスや復活祭などの祝祭日に欠かせない一品となっています。バカリャウは、塩漬けタラを水で戻し、オリーブオイル、ニンニク、タマネギ、ジャガイモなどと一緒に調理されます。その調理法は多様で、グラタン風やコロッケ状にしたり、サラダに加えたりと、様々なバリエーションが楽しまれています。バカリャウの独特の塩味と風味は、ブラジル人の味覚に深く根付いており、国民食の一つとして広く愛されています。この料理は、ブラジルの多様な食文化を反映するとともに、ポルトガルとの歴史的なつながりを今に伝える重要な料理となっています。サクサクの揚げパイ「パステル・デ・カルネ」
パステル・デ・カルネは、ブラジルの人気的なおやつで、サクサクとした揚げパイの中に炒めた牛ひき肉が包まれた料理です。「パステル」は「パイ」を、「カルネ」は「肉」を意味し、文字通り「お肉のケーキ」という意味を持ちます。一般的には、挽肉、玉ねぎ、ニンジンなどを具材として使用し、半月型や長方形に成形された生地で包んで揚げます。ブラジルのストリートフードとして広く親しまれており、その手軽さと美味しさから、屋台やカフェなどで気軽に楽しむことができます。パステル・デ・カルネは、ブラジルの多様な食文化を反映する一品であり、その独特の食感と味わいは多くの人々を魅了しています。もちもちのチーズパン「ポンデケージョ」
ポンデケージョは、ブラジルの代表的なスナックで、もちもちとした食感と濃厚なチーズの風味が特徴的な小さなパンです。主な材料はキャッサバ芋から作られたタピオカ粉、卵、牛乳、チーズで、グルテンフリーの食品としても注目されています。通常、ゴルフボールサイズに成形され、オーブンで焼き上げられます。その独特の食感は、日本人の口にも合うと言われており、ブラジルのカフェやベーカリーで人気のメニューとなっています。ポンデケージョは、朝食やおやつとして楽しまれるだけでなく、パーティーやイベントの定番メニューとしても広く親しまれており、ブラジルの食文化の多様性を象徴する一品となっています。ブラジル風ミートパイ「エスフィハ」
ブラジル風ミートパイ「エスフィハ」は、中東からの移民によってブラジルに伝わり、現地の味覚に合わせて進化した人気のおつまみです。通常、合挽き肉と玉ねぎを炒めた具材に、レーズン、ナッツ、クリームチーズ、トマトを加え、赤ワイン、ウスターソース、ケチャップで味付けします。この具材を春巻きの皮で包み、揚げ焼きにして仕上げます。エスフィハは、ブラジルのストリートフードとしても親しまれており、その手軽さと美味しさから多くの人々に愛されています。また、日本でも簡単に作れるレシピが紹介されており、家庭でも楽しむことができます。甘くて楽しいチョコレートトリュフ「ブリガデイロ」
ブリガデイロは、ブラジルの代表的なスイーツの一つで、濃厚なチョコレートの風味と甘さが特徴的な小さなトリュフです。主な材料は練乳、ココアパウダー、バターで、これらを混ぜ合わせて加熱し、冷めてから丸く成形してチョコスプレーをまぶして作ります。ブリガデイロは、誕生日パーティーやお祝い事には欠かせない人気のお菓子で、子供から大人まで幅広い年齢層に愛されています。その独特の甘さと食感は、ブラジルのカカオ生産の豊かさを反映しており、ブラジルはカカオ豆の生産量が世界7位、中南米ではトップクラスを誇ります。近年では、日本を含む世界各地でも人気が高まっており、ブラジルの食文化を代表するスイーツとして国際的な認知度も上昇しています。ロールケーキのデザート「ボーロ・デ・ロロ」
ボーロ・デ・ロロは、ブラジルの伝統的なロールケーキデザートで、その独特の見た目と甘い味わいが特徴です。このデザートは、薄いスポンジケーキを焼き、ココナッツやコンデンスミルクを使った甘いフィリングを塗り、巻き上げて作ります。ボーロ・デ・ロロの名前の由来は、その見た目が丸太(ポルトガル語で「ロロ」)に似ていることから来ています。通常、スライスして提供され、その断面には渦巻き模様が現れ、視覚的にも楽しめる一品となっています。このデザートは、ブラジルの家庭や喫茶店で広く親しまれており、特別な日のおやつや祝祭日の定番メニューとして欠かせない存在です。ボーロ・デ・ロロは、ブラジルの豊かな食文化とポルトガルからの影響を反映した、甘美で魅力的なスイーツの一つとなっています。