世界には数々の魅力的な建造物が点在しています。歴史的な背景から生まれた古代の遺跡、宗教的な価値を持つ壮麗な寺院や教会、近代的な技術で築かれた摩天楼など、それぞれ…
一生に一度は訪れてみたい天空の世界遺産10選！幻想的な景観が広がる
2023年10月10日更新
天空に抱かれるかのように立ちはだかる壮大な風景、息をのむような自然の美しさが広がる場所。それが「天空の世界遺産」と呼ばれる場所たちです。世界には数多くの魅力的な観光地が点在していますが、この中でも高度に位置するか、まるで空に浮かぶかのような特別な景観を持つ遺産たちは、訪れる者たちに深い感動と記憶を刻み込みます。そこで今回は、世界中にある天空の世界遺産をご紹介いたします。
天空の世界遺産10選
コルコバードの丘
コルコバードの丘は、ブラジルのリオデジャネイロ市にある高さ710メートルの山です。この丘の最も有名なものは、山の頂上に立つ巨大なキリスト像「クリスト・レデントール」です。この像は、ブラジルの象徴とも言える存在となっており、世界的にも高く評価されている名所の一つです。コルコバードの丘からは、リオデジャネイロの都市風景やコパカバーナのビーチ、砂糖の塊の山などの壮大な景色を一望することができ、多くの観光客がこの眺望を楽しむために訪れます。また「クリスト・レデントール」は2007年に「新世界七不思議」の一つとして選ばれ、更にコルコバードの丘とその周辺は、ユネスコの世界遺産にも登録されています。マサダ
マサダは、イスラエルの死海の西側に位置する断崖絶壁の上に築かれた古代の要塞都市です。この場所は、ユダヤ人反乱軍とローマ帝国軍との間で行われたマサダの包囲戦で有名です。73年頃、ローマ帝国軍による長い包囲の末、マサダは陥落の危機に瀕しました。しかし、陥落を直前にして、約960人のユダヤ人反乱軍とその家族は集団自決を選びました。この結末は、ユダヤ人の抵抗の象徴として、長く語り継がれています。現在、マサダはイスラエル国内での観光スポットとしても人気があり、その壮大な景観と歴史的背景から多くの旅行者が訪れます。
メテオラ
メテオラは、ギリシャ中部のテッサリア平野に突き立つ巨大な岩の上に築かれた修道院群で知られる場所です。これらの岩の上には、中世に建てられた複数の東方正教の修道院が存在し、その不思議な景観は訪れる者を魅了しています。「メテオラ」とはギリシャ語で「空中に浮かぶ」という意味を持ち、まさにその名の通り、岩の頂上に建つ修道院はまるで空中に浮かんでいるかのようです。これらの修道院は、隠遁の地として、また、外敵からの侵攻を避けるための場所として建設されました。メテオラは、その独特な景観と歴史的・宗教的背景から、1988年にユネスコの世界遺産に登録されました。現在もいくつかの修道院は稼働しており、観光客は内部を訪れて、壮大な自然と人々の信仰が築き上げた歴史を感じることができます。マチュピチュ
マチュピチュは、南アメリカ大陸のペルーに存在する古代インカ帝国の遺跡で、世界的に有名な観光地として知られています。アンデス山脈の中心部、標高約2,400メートルの高地に位置するこの都市は、15世紀にインカ帝国の皇帝パチャクテクによって建設されました。その用途には諸説ありますが、宗教的・儀式的な場所、天文台、皇帝の休憩所などとされています。マチュピチュは、スペインの征服者による侵略を免れたため、非常によく保存されています。1970年代まで一般的には知られていませんでしたが、1911年にアメリカの考古学者ハイラム・ビンガムによって「発見」された後、徐々にその美しさと神秘性が世界に知れ渡りました。1983年にはユネスコの世界遺産に登録され、今日では年間数十万人の観光客が訪れるペルーを代表する観光地となっています。
サガルマータ国立公園
サガルマータ国立公園は、ネパールのヒマラヤ山脈に位置する広大な保護区域で、その中心には世界最高峰のエベレストがそびえ立っています。この公園は、1976年にユネスコの世界自然遺産として登録されました。公園の範囲内には、雪に覆われた山々、氷河、深い渓谷、古代の仏教寺院やモニュメントなど、多彩な自然と文化が共存しています。また、この地域はシェルパと呼ばれる民族が住んでおり、彼らの生活や文化もこの公園の魅力の一部となっています。シギリア
シギリアは、スリランカ中央部の熱帯雨林に位置する巨大な岩の上に築かれた古代の要塞と宮殿の遺跡です。この岩は、地上から約200メートルの高さがあり、その上には5世紀にキャシャパ王によって建設された宮殿が存在しました。岩の半ばには「獅子の岩」とも称される巨大な獅子の彫像の遺跡があり、これがシギリアという名前の由来となっています。また、岩の壁面には古代の壁画が残されており、これらの壁画は「雲の乙女」として知られる美しい女性たちの姿を描いています。シギリアは、その壮大な景観や歴史的背景から1982年にユネスコの世界遺産に登録されています。カナイマ国立公園
カナイマ国立公園は、ベネズエラ南東部に位置する広大な自然保護区域で、30,000平方キロメートル以上の面積を持ち、ベネズエラ最大の国立公園として知られています。この公園は、特に「テプイ」と呼ばれる独特な台地の風景で有名です。テプイは、数百万年の浸食によって形成された、垂直な壁を持つ巨大な砂岩の台地で、その上には独自の生態系が広がっています。カナイマ国立公園の最も有名なテプイは、アンヘル滝が流れ落ちる「アヤンテプイ」です。アンヘル滝は、979メートルの落差を持つ世界最高の滝として知られ、圧倒的な美しさを誇ります。
黄山
黄山（Huángshān）は、中国の安徽省南部に位置する山岳地帯で、中国の自然景観の中でも特に有名であり、美しさを誇ります。黄山は「黄色い山」という意味で、古くから中国の詩や絵画の主題として親しまれてきました。その特徴的な景観は、奇岩や怪石、古木、雲海、温泉など多彩な要素によって構成されています。特に、四季を通じて変わる景色や、雲海に浮かぶ山々の姿は「天上の景色」とも称され、訪れる者を魅了しています。サン・ミシェル・デグイル礼拝堂
サン・ミシェル・デグイル礼拝堂は、フランスのオーヴェルニュ地方、ル・ピュイ＝アン＝ヴレ市に位置する独特の景観を持つ小さな教会です。この礼拝堂は、高さ85メートルの火山岩の尖塔の上に築かれており、地上からは268段の石段を登ることでたどり着きます。この場所は、紀元前でさえも神聖視されていたと言われていますが、サン・ミシェル・デグイル礼拝堂自体は10世紀に建設されました。この礼拝堂は、巡礼の途中の場所として多くのキリスト教徒に利用されてきました。岩の頂上からは、ル・ピュイ＝アン＝ヴレ市やその周辺の美しい風景を一望でき、その絶景と歴史的な背景から多くの観光客や巡礼者が訪れています。プレアヴィヒア
プレアヴィヒアは、カンボジア北部のタイ国境近くに位置する古代ヒンドゥー教寺院であり、クメール帝国時代の建築を代表するものの一つです。この寺院は、ドンレク山脈の断崖の上に位置しており、南北に細長く広がる構造となっています。プレアヴィヒアは、主に11世紀から12世紀にかけて建設されました。その建築様式や彫刻は、クメール帝国の芸術と信仰の高まりを物語るものであり、寺院全体がシヴァ神への奉納として設計されています。2008年にユネスコの世界遺産に登録されたプレアヴィヒア寺院は、その歴史的・文化的価値はもちろん、絶壁からの壮大な景観も魅力として多くの観光客を引きつけています。天空の世界遺産を見に行こう！
「天空の世界遺産」たちを巡る旅は、まさに地球上での空中散歩ともいえる経験。壮大な自然の中に刻まれた人類の歴史と文化、そしてそれらが織りなす景観は、私たちにこの星の美しさと多様性を再認識させてくれます。それぞれの遺産が持つ独自の物語や背景は、訪れる者の心に深い感動とともに、人類共通の遺産の大切さを伝えてくれるでしょう。一生に一度、これらの天空の遺産を訪れ、その美しさと歴史を肌で感じることで、私たちの視野はさらに広がり、世界とのつながりをより深く感じることができるでしょう。これからも、これらの遺産が未来の世代にもその美しさを伝え続けられるよう、私たち一人一人がその価値を理解し、守り続けることが大切です。
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