世界遺産に登録されている、アンコールの巨大遺跡群があることで有名な国「カンボジア」。 世界中の観光客を魅了するアンコール・ワットをはじめ、アンコールワット以外に…
クメール人が残した神秘と伝説に彩られた天空の芸術「アンコールワット」徹底ガイド
12世紀前半に、カンボジア王朝の象徴としてスーリヤヴァルマン2世によって建てられたヒンドゥー教最大の寺院「アンコールワット」。アンコールワットは、密林の大地に広がる壮大な寺院群であり、東南アジア最大の世界文化遺産でもあります。そこで今回は、カンボジアの絶景「アンコールワット」についてご紹介いたします。
2024年06月25日更新
アンコールワットの歴史・起源
アンコールワットはカンボジアに位置する世界最大の宗教的建造物で、12世紀初頭にクメール帝国の王、スリヤヴァルマン2世によって建設されました。元々はヒンドゥー教の神、ヴィシュヌを祀るための寺院として建てられましたが、後に仏教の寺院としても使用されるようになりました。アンコールワットは、その壮大な建築と緻密な彫刻で知られ、クメール文化の頂点を示すものとして世界遺産にも登録されています。この寺院は、クメール帝国の首都アンコールの中心に位置しており、多くの研究者や観光客を魅了しています。アンコールワットの名は、「都市の寺院」という意味で、その名の通り、かつてのクメール帝国の栄華を今に伝える象徴となっています。アンコールワットの見どころ
アンコールワットの最も魅力的な瞬間は、疑いなく朝日と夕陽に浮かび上がるその姿です。朝、夜明け前の静寂の中で、徐々に東の空が明るくなると、アンコールワットのシルエットがゆっくりと黄金色に染まり、その壮大な姿が神秘的に浮かび上がります。この時間帯は、特に中央の塔や壁画が柔らかな光に照らされ、その美しさが一層際立ちます。一方、夕方には西の空が深いオレンジ色に染まり、アンコールワット全体がその光に包まれます。夕陽の光が寺院の石壁に反射し、一日の終わりを迎える静けさの中で、その歴史と美しさが一体となる瞬間です。これらの時間帯にアンコールワットを訪れることで、その変わりゆく表情とともに、クメール文化の深い魅力を感じることができます。アンコールワットの季節・ベストシーズン
アンコールワットを訪れるベストシーズンは、乾季の「11月から2月」までです。この期間は雨が少なく、気温も比較的涼しく、観光に最適な条件が整っています。特に12月は、適度な湿度と爽やかな気候で、寺院巡りや日の出・日の入りの鑑賞が快適に楽しめます。一方、雨季の「6月から10月」は雨が多く、一部の道路が通行困難になることもありますが、緑が豊かになり、水面が広がるアンコールワットの風景は雨季ならではの美しさを持っています。また、雨季は観光客が少ないため、静かに寺院を巡ることができるメリットもあります。アンコールワットの行き方
日本からアンコールワットへの行き方は、まず日本の主要空港からカンボジアのシェムリアップ空港へ直行便や乗り継ぎ便で向かいます。その後、タクシーやトゥクトゥクで約20分でアンコールワットに到着します。入場には市内のチケットセンターで購入した入場券が必要で、カンボジア入国時にはビザの取得が必要ですが、空港でのオンアライバルサービスもあります。事前に必要な書類や手数料を確認しておくとスムーズです。カンボジアのおすすめ観光スポット3選
最後にアンコールワットがあるカンボジアでおすすめの観光スポットをご紹介いたします。巨大な城郭都市の遺跡「アンコール・トム」
12世紀後半にジャヤーヴァルマン7世により建築された城砦都市「アンコール・トム」。アンコール・トムは、アンコール・ワットの北に位置し、王ジャヤヴァルマン7世によって築かれました。中心にはバイヨン寺院が立ち、その特徴的な巨大な石の顔が多数見られます。都市は正方形の城壁に囲まれ、各辺は約3km。四隅には砦があり、外側には堀が掘られて都市を守っていました。内部には寺院や宮殿、テラスが点在し、クメール文化の繁栄を感じさせる遺跡が多数存在します。アンコール遺跡群の中でも規模が大きく、その歴史的価値は非常に高いとされています。
樹木に包み込められた遺跡「タ・プローム」
クメール語で「焚天の古老」を意味する仏教寺院で、ガジュマルの一種である スポアンの大樹が絡みついた神秘的な雰囲気が人気の遺跡「タ・プローム」。もともとは仏教の寺院として使用されていたこの遺跡は、特に大木の根が建物を取り囲む姿が有名で、自然との共生を感じさせる景観が魅力です。時間の経過とともに、ジャングルに囲まれ、木々の根が石壁を覆いつつあり、その神秘的な雰囲気は多くの観光客を引きつけています。