チェコの世界遺産は14カ所!絶対に見ておきたい有名な世界遺産を厳選して紹介

チェコは小国ながら、豊かな歴史と文化を持つ国として知られています。その証として、チェコには14もの世界遺産が存在します。中世の街並みが残る首都プラハの歴史地区や、絵本から抜け出したような美しい町チェスキー・クルムロフなど、魅力的な世界遺産が点在しています。これらの世界遺産は、チェコの複雑な歴史と芸術的な才能を物語っています。本記事では、チェコを訪れる際に絶対に見ておきたい有名な世界遺産を厳選して紹介します。豊かな文化遺産を通じて、チェコの魅力を存分に味わいましょう。

2024年09月10日更新


チェコの世界遺産は全部で14カ所登録されている!

チェコ共和国には、2023年現在、合計14の世界遺産が登録されています。これらはすべて文化遺産であり、自然遺産は含まれていません。主な世界遺産には、首都プラハの歴史地区、チェスキー・クルムロフの歴史地区、テルチの歴史地区などが含まれます。最近では2019年に「クラドルビ・ナド・ラベムの国営馬飼育場」と「エルツ山地/クルシュネー山地の鉱業地域」が新たに登録され、2021年には「ヨーロッパの大温泉都市群」の一部としてカルロヴィ・ヴァリも世界遺産に加わりました。これらの世界遺産は、チェコの豊かな歴史と文化を反映しており、中世から近代に至るまでの建築様式や都市計画の発展を示す貴重な遺産となっています。

チェコの世界遺産一覧表

世界遺産登録名 登録年 種別
プラハ歴史地区 1992年 文化遺産
チェスキー・クルムロフの歴史地区 1992年 文化遺産
テルチの歴史地区 1992年 文化遺産
ゼレナー・ホラにある聖ヤン・ネポムツキー巡礼教会 1994年 文化遺産
クトナー・ホラ: 歴史都市の中心部、聖バルボラ教会、聖母マリア大聖堂 1995年 文化遺産
リトミシュル城 1999年 文化遺産
オロモウツの聖三位一体柱 2000年 文化遺産
ブルノのトゥーゲントハット邸 2001年 文化遺産
トジェビーチのユダヤ人地区と聖プロコピウス聖堂 2003年 文化遺産
クルシュネ山地の鉱山地域 2019年 文化遺産
ラズネ温泉保養都市群 2021年 文化遺産
ルコフのユダヤ人墓地 2023年 文化遺産

チェコでおすすめの世界遺産10選

中世の魔法にかかる「プラハ歴史地区」

プラハ歴史地区は、中世から現代に至る都市の発展過程を見事に表す世界遺産です。「黄金の街」「魔法の都市」「百塔の街」など多くの愛称で親しまれ、1000年以上の歴史を持つ建築の宝庫となっています。ロマネスク、ゴシック、ルネサンス、バロック、アールヌーヴォーなど、様々な時代の建築様式が共存し、まるで「野外建築博物館」のような景観を形成しています。プラハ城、カレル橋、旧市庁舎など、数々の歴史的建造物が点在し、中世ヨーロッパにタイムスリップしたかのような雰囲気を醸し出しています。1992年に世界遺産に登録されたプラハ歴史地区は、チェコの文化と芸術の中心地として、今もなお多くの観光客を魅了し続けています。

童話の世界へタイムスリップ「チェスキー・クルムロフ歴史地区」

チェスキー・クルムロフ歴史地区は、チェコ南部のヴルタヴァ川沿いに位置する中世の町並みを色濃く残す世界遺産です。「眠れる森の美女」や「世界で最も美しい町」と称されるこの地区は、1992年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。S字に蛇行する川に囲まれた旧市街には、赤やオレンジの屋根瓦が連なる絵本のような景観が広がり、13世紀に建設されたチェスキー・クルムロフ城がその姿を見守っています。城はプラハ城に次ぐチェコ第2の規模を誇り、ゴシック様式からルネサンス、バロック様式まで、時代とともに増改築が重ねられた歴史を物語っています。毎年6月には「五弁のバラの祭典」が開催され、中世の衣装を纏った人々が往時の繁栄を再現する様子は、まさに童話の世界へのタイムスリップを体験させてくれます。

ルネサンスの宝石箱「テルチ歴史地区」

テルチ歴史地区は、チェコ南部モラヴィア地方に位置する「モラヴィアの真珠」と称される美しい町です。1992年にユネスコ世界遺産に登録されたこの地区は、16世紀のルネサンス様式を中心とした建築群で知られています。中心部にあるザハリアーシュ広場には、カラフルなファサードを持つルネサンス様式とバロック様式の家々が立ち並び、絵本から飛び出してきたような景観を形成しています。1530年の大火後、当時の領主ザハリアーシュ・フラデツの指示により、広場周辺の建物が統一的なスタイルで再建され、現在の美しい町並みが生まれました。テルチ城や聖ヤコブ教会などの歴史的建造物も、この町の魅力を高めています。

バロックの傑作「ゼレナー・ホラの聖ヤン・ネポムツキー巡礼教会」

ゼレナー・ホラの聖ヤン・ネポムツキー巡礼教会は、チェコのジュヂャール・ナト・サーザヴォウ近郊に位置する独特な建築様式の教会です。1719年に建設が始まり、建築家ヤン・サンティーニ=アイヘルによってバロック様式とゴシック様式を融合させた斬新なデザインで設計されました。教会は五芒星の形をした中央の聖堂を中心に、5つの礼拝堂と5つの門が連結した回廊で囲まれており、数字の5と3が象徴的に使用されています。これは聖ヤン・ネポムツキーの殉教にまつわる伝説と三位一体を表現しているとされ、1994年にユネスコ世界遺産に登録されました。この教会は、バロック建築の傑作として、また聖ヤン・ネポムツキーを記念する重要な巡礼地として高く評価されています。

銀の町の華麗なる遺産「クトナー・ホラの聖バルボラ教会のある歴史地区とセドレツの聖母マリア大聖堂」

クトナー・ホラは、13世紀後半に銀鉱脈が発見されて以来、プラハに次ぐボヘミア王国第2の都市として栄えました。この繁栄を象徴する世界遺産が、聖バルボラ教会とセドレツの聖母マリア大聖堂です。聖バルボラ教会は鉱山労働者の守護聖人を祀る後期ゴシック様式の大聖堂で、その壮麗な姿は当時の町の富を物語っています。一方、セドレツの聖母マリア大聖堂はチェコ最大の教会であり、1300年頃に建設され、後にバロック・ゴシック様式で増築されました。これらの建造物は、中世の銀鉱業によってもたらされた繁栄と、その後の芸術的・文化的発展を今に伝える貴重な遺産として、1995年にユネスコ世界遺産に登録されました。

貴族の夢の楽園「レドニツェとヴァルチツェの文化的景観」

レドニツェとヴァルチツェの文化的景観は、チェコ南東部のモラヴィア地方に位置する広大な人工的景観です。この地域は、17世紀から19世紀にかけてリヒテンシュタイン公爵家によって意図的に設計・造営されました。283平方キロメートルに及ぶ敷地内には、ネオゴシック様式のレドニツェ城とバロック様式のヴァルチツェ城を中心に、イギリス式庭園、池、森林、そして様々な様式の小建造物が点在しています。この景観には、ルネサンス、バロック、新古典主義など、異なる時代の建築様式が融合しており、啓蒙思想からロマン主義に至る時代の美的理想を反映しています。1996年にユネスコ世界遺産に登録されたこの文化的景観は、人工的に創造された景観地としては欧州最大規模のものとされ、貴族の夢想を具現化した「楽園」として高く評価されています。

バロック様式の庭園美「クロムニェジーシュの庭園と城」

クロムニェジーシュの庭園と城は、チェコ南東部に位置する17世紀のバロック様式の傑作です。15世紀末に司教によって建てられたゴシック様式の宮殿が、後にバロック様式に改築されました。敷地内には、47万平方メートルに及ぶ「宮殿の庭園」と「快楽の庭園」があり、外来種の植物や彫刻が配された古典的な庭園デザインが特徴です。宮殿内部には、ティツィアーノの作品『マルシュアスの皮剥ぎ』を含む貴重な絵画コレクションや33,000冊の蔵書を持つ図書館があり、その芸術的・文化的価値から1998年にユネスコ世界遺産に登録されました。

ユダヤの記憶を留める「ホラショヴィツェ歴史地区」

ホラショヴィツェの歴史地区は、チェコ南部の南ボヘミア地方に位置する小さな村で、1998年にユネスコ世界遺産に登録されました。チェスケー・ブジェヨヴィツェ市から約15km西に位置するこの村は、18世紀から19世紀にかけて建てられた南ボヘミア特有の「フォーク・バロック」様式の建造物群で知られています。23の農場と120軒の建物からなる村の中心には、魚のいる池と礼拝堂のある広々とした共有緑地があり、パステルカラーの壁や切妻屋根を持つ素朴な家々が、当時のままの姿でほぼ完全に保存されています。1520年から1525年にかけてのペスト大流行後、バイエルンやオーストリアからの移民によって再建された村の歴史は、中欧の複雑な民族構成を反映しており、第二次世界大戦後のドイツ人追放や冷戦時代の荒廃を経て、1990年以降に修復され、再び人々が住むようになりました。

イタリア・ルネサンスの香り「リトミシュル城」

リトミシュル城は、チェコ東部のパルドゥビツェ州に位置する16世紀のルネサンス様式の城で、1999年にユネスコ世界遺産に登録されました。1568年から14年の歳月をかけて建設されたこの城は、当時の領主ペルンシュテイン家のヴラティスラフ2世が、スペインから嫁いだ妃ララのために建てたとされています。イタリアの建築家ジョヴァンニ・バティスタ・アオスタリによって設計されたこの城は、当時のボヘミア地方では珍しいルネサンス様式を採用し、その後のチェコ建築に大きな影響を与えました。
 
城の外壁には、スグラフィットと呼ばれる装飾技法で描かれた約8,000もの絵柄が施され、その美しさは「ボヘミア地方で最も美しいルネサンス様式のお城」と称されています。城内にはバロック様式の劇場や、チェコの国民的作曲家ベドルジハ・スメタナの生家となったビール醸造所も併設されており、芸術と音楽の歴史も感じられる貴重な文化遺産となっています。

信仰と芸術の融合「オロモウツの聖三位一体柱」

オロモウツの聖三位一体柱は、チェコのモラヴィア地方に位置する18世紀のバロック様式のモニュメントで、2000年にユネスコ世界遺産に登録されました。高さ35メートルのこの柱は、1716年から1754年にかけて建設され、ペスト流行の終息を祝うとともにカトリックへの信仰を表現しています。最上部には金めっきを施した三位一体の像が置かれ、その下には聖母の被昇天の像、聖人像、使徒のレリーフなどが配置され、最下層には礼拝堂があります。オロモウツバロック様式の傑作とされるこの記念碑は、中欧独自の宗教的建造物として、また当時の芸術と信仰の融合を示す貴重な遺産として高く評価されています。

チェコで世界遺産を観光する際の注意点

まず、多くの世界遺産が人気観光地であるため、特に夏季はかなりの混雑が予想されます。プラハやチェスキー・クルムロフなどの有名な場所では、早朝や夕方など比較的空いている時間帯を狙うのがおすすめです。また、観光客が多い場所ではスリや置き引きなどの軽犯罪に注意が必要です。貴重品の管理には十分気をつけましょう。
交通面では、公共交通機関が発達しているので、地下鉄やトラム、バスを利用すると効率的に観光できます。ただし、券売機の操作が分かりにくいこともあるので、事前に利用方法を確認しておくとよいでしょう。
文化面では、多くの教会や宗教的建造物が世界遺産に含まれているため、適切な服装や振る舞いが求められます。また、一部の世界遺産では写真撮影が制限されている場合があるので、事前に確認が必要です。
最後に、チェコはEU加盟国ですが、通貨はユーロではなくチェココルナを使用しています。両替の際は公式の両替所を利用し、街中での両替は避けるようにしましょう。これらの点に注意を払えば、チェコの豊かな文化遺産をより安全に、そして深く楽しむことができるでしょう。

チェコへ世界遺産を見に行こう!

チェコには、美しい歴史的建造物や自然の魅力が詰まった14カ所の世界遺産があります。その中でもプラハ歴史地区やチェスキー・クルムロフのような有名スポットは、チェコの文化や歴史を感じられる場所として外せません。これらの世界遺産を訪れることで、中欧の独特な雰囲気を楽しむことができるでしょう。チェコ旅行を計画する際には、ぜひこれらのスポットを旅程に加えて、忘れられない思い出を作ってください。

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