トルコの代表的な料理17選!定番料理・伝統料理からスイーツまで

トルコ料理は、東西の文化が交差する地で育まれた豊かな食文化です。定番のケバブやバクラヴァをはじめ、地域ごとの特産品が揃っています。家庭料理からストリートフードまで幅広い食スタイルが楽しめ、食材の質と伝統的な調理法が重要視されています。ヨーグルトは多くの料理に欠かせない食材で、スープやドルマ、マントゥなど様々な料理に使われます。メインディッシュではグリル料理が人気で、ラム肉やチキンを使ったケバブが代表的です。前菜のメゼや家庭料理のマントゥ、デザートのバクラヴァなど、多様な味わいが楽しめるのがトルコ料理の特徴です。本記事では、トルコの代表的な料理17選を紹介し、トルコ料理の魅力に迫ります。

2024年09月03日更新


トルコの食文化

トルコの食文化は、中央アジアの遊牧民の伝統とオスマン帝国の宮廷料理の影響を受け、独自の発展を遂げました。イスラム教の影響で豚肉は食べませんが、羊肉や鶏肉を中心とした肉料理が豊富です。また、地中海や黒海の海産物、豊富な野菜や果物も料理に活用されています。ヨーグルトやナッツ類、オリーブオイルの使用が特徴的で、小麦粉と米を主食としています。トルコ料理は、アジアとヨーロッパの食文化を融合させた多様性と、オスマン帝国時代に磨かれた洗練された味わいにより、フランス料理、中華料理と並ぶ世界三大料理の一つとして認められています。

トルコのおすすめ料理17選

肉の旨味が凝縮された「ドネル・ケバブ」

ドネル・ケバブは、トルコ料理の中でも最もポピュラーな料理の一つで、その名前は「回転する焼肉」を意味します。香辛料やヨーグルトでマリネした肉を垂直の串に刺し、ゆっくりと回転させながら焼き上げる独特の調理法が特徴です。伝統的にはマトンやラム肉が使用されますが、現代では鶏肉や牛肉も一般的です。焼き上がった外側の層を薄くそぎ落とし、ピタパンに野菜と共に挟んで食べるのが一般的な食べ方です。この料理は、肉の旨味が凝縮され、香ばしさと柔らかさが絶妙なバランスで楽しめる、トルコの国民食として愛されています。

串焼きの王様「シシ・ケバブ」

シシ・ケバブは、トルコ料理を代表する串焼き料理の一つです。「シシ」はトルコ語で串を意味し、「ケバブ」は焼き肉を指します。一般的に、ラム肉や牛肉を小さな立方体に切り、玉ねぎやトマト、ピーマンなどの野菜と共に鉄串に刺して焼き上げます。肉は事前に香辛料やヨーグルト、オリーブオイルなどでマリネされ、風味豊かに仕上げられます。グリルやオーブンで焼かれ、外はカリッと、中はジューシーな食感が特徴です。シシ・ケバブは、その簡単な調理法と豊かな味わいから、トルコ国内だけでなく、中東やアジア全域で広く親しまれている人気料理となっています。

豪華絢爛な一皿「イスケンデル・ケバブ」

イスケンデル・ケバブは、トルコ料理の中でも特に豪華で人気の高い一品です。19世紀後半にオスマン帝国の古都ブルサで考案されたこの料理は、カットしたピデ(ピタパン)の上にあぶり焼きにした羊肉を乗せ、香辛料を効かせたトマトソースと溶かしバターをかけ、ヨーグルトを添えて提供されます。イスケンデル・ケバブの名前は、この料理を考案したメフメトウル・イスケンデル・エフェンディという料理人に由来しています。
 
この料理の特徴は、肉の旨味とトマトソースの酸味、バターの濃厚さ、ヨーグルトのさっぱりとした味わいが絶妙なバランスで組み合わさっていることです。ウルダー山で採れるタイムを食べて育った羊の肉を使用するのが正式なイスケンデル・ケバブとされ、シラと呼ばれるぶどうジュースと共に食すのが伝統的な食べ方です。現在では、トルコ国内だけでなく世界中のトルコ料理レストランで人気のメニューとなっており、トルコ料理の魅力を存分に味わえる一皿として広く親しまれています。

ジューシーな肉団子「キョフテ」

キョフテは、トルコを代表する人気の肉料理で、中東や南アジアにも広く普及しています。基本的に牛肉や羊肉の挽き肉にスパイスやタマネギを加え、団子状や楕円形に成形して調理されます。クミン、シナモン、コリアンダーなどの香辛料を使用し、スパイシーな風味が特徴です。調理法は地域や家庭によって様々で、焼く、揚げる、煮るなど多様な方法があります。キョフテは単体で楽しむほか、トマト煮込みにしたり、パンに挟んで食べたりすることもあります。さっぱりとしたヨーグルトソースを添えるのが一般的で、肉の旨味を引き立てます。トルコには約300種類ものキョフテがあるとされ、その多様性と深い味わいから、トルコ料理を代表する一品として広く愛されています。

海の幸をサンドイッチで「バルック・エクメーイ」

バルック・エクメーイ(Balik ekmegi)は、トルコ・イスタンブールの名物として知られる人気のB級グルメです。トルコ語で「魚のパン」を意味するこのサンドイッチは、エクメッキと呼ばれるバゲット風のパンに、鉄板で焼いたサバの半身を丸ごと挟んだ豪快な一品です。通常、薄切りの生玉ねぎとレタスが添えられ、レモンを絞って食べるのが一般的です。外はパリッと、中はもちもちとした食感のパンと、脂の乗ったサバの相性が絶妙で、シンプルながら満足感のある味わいが特徴です。栄養価も高く、イスタンブールを訪れる旅行者たちの間で「絶対に食べて帰りたい」と評される程の人気を誇っています。

ムール貝の絶品詰め物「ミディエ・ドルマ」

ミディエ・ドルマは、トルコの人気あるストリートフードの一つで、ムール貝にピラフを詰めた料理です。「ミディエ」はムール貝を、「ドルマ」は詰め物を意味します。ムール貝の殻に、松の実、レーズン、玉ねぎ、トマトペースト、ハーブなどで味付けしたピラフを詰め、オリーブオイルで蒸し煮にして作ります。レモンを絞って食べるのが一般的で、ムール貝の旨味とピラフの風味が絶妙に調和した味わいが特徴です。イスタンブールの街角や海岸沿いの屋台で広く親しまれており、手軽に楽しめる一方で、衛生面には注意が必要です。ミディエ・ドルマは、15世紀のメフメト2世の時代から作られ始めたとされ、長い歴史を持つトルコの伝統的な料理の一つとして愛されています。

体を温める赤レンズ豆のスープ「メルジメッキ・チョルバス」

メルジメッキ・チョルバスは、トルコで最もポピュラーな赤レンズ豆のスープです。豆の優しい甘みととろみが特徴で、体を温める効果があります。主な材料は赤レンズ豆、玉ねぎ、にんじん、トマトペーストで、クミンやドライミント、チリペッパーなどのスパイスで風味付けされます。調理は簡単で、材料を煮込んだ後にミキサーでなめらかにし、最後にバターで炒めたスパイスを加えて仕上げます。レモンを搾って酸味を加えるのも一般的です。このスープは栄養価が高く、トルコの家庭料理からレストランまで幅広く親しまれており、おもてなしの際にも「まずは温まってください」と供される定番料理となっています。

爽やかな味わいの「チョバン・サラタス」

チョバン・サラタスは、トルコ語で「羊飼いのサラダ」を意味する爽やかな味わいの定番サラダです。トマト、きゅうり、玉ねぎを主な材料とし、イタリアンパセリやミントなどのフレッシュハーブを加えて作られます。野菜を7mmほどの角切りにし、レモン汁、塩、オリーブオイルで和えるシンプルな調理法が特徴です。トルコ特有のスパイスであるスマック(ゆかりで代用可能)を加えることで、独特の酸味と風味が楽しめます。このサラダは、こってりとした肉料理の箸休めとして、またはダイエットの際の空腹感を満たすメニューとしても人気があります。チョバン・サラタスは、トルコ全土で親しまれており、その手軽さと爽やかな味わいから、トルコ料理を代表するサラダの一つとなっています。

中東の定番ディップ「フムス」

フムス(ホンモス)は、中東や地中海地域で広く親しまれている伝統的なディップ料理です。主にひよこ豆をペースト状にし、タヒニ(ごまペースト)、レモン汁、にんにく、オリーブオイル、塩などを加えて作られます。クリーミーでなめらかな食感と、ひよこ豆の甘みとタヒニの風味が特徴的です。フムスは栄養価が高く、タンパク質や食物繊維が豊富で、ベジタリアンにも人気があります。中東では日常的に食べられ、ピタパンやアラビックパンにつけたり、野菜や肉料理の付け合わせとして楽しまれています。近年、日本を含む世界各地でも健康食として注目を集め、カフェやレストランのメニューに登場することが増えています。

香り豊かなお米料理「ピラウ」

ピラウ(トルコ語: pilav)は、トルコ料理を代表する香り豊かなお米料理です。炒めた米を様々な具材や出汁、香辛料と共に炊き上げて作られます。ピラフの語源となったこの料理は、トルコでは主に付け合わせとして食べられ、具材の名前を冠して「○○ピラウ」と呼ばれることが一般的です。トルコのピラウは、パラパラとした食感が特徴で、一粒一粒がしっかりとした「ターネターネ(tane tane)」な仕上がりが好まれます。材料には米の他に、バター、サラダ油、塩、そして特徴的な具材としてリゾーニなどの小さなパスタが加えられることもあります。調理の際には、米を事前に熱湯に浸し、油で炒めてから炊き上げるなど、独特の手法が用いられます。
ピラウは、トルコの食卓では主食のパンと共に供されることが多く、シンプルな味付けながら、その香り高く美味しい味わいは、多くのトルコ人や旅行者に愛されています。

トルコ風ピザ「ピデ」

ピデは、トルコの伝統的な料理で、しばしば「トルコ風ピザ」と呼ばれています。舟形の生地に様々な具材をのせて焼き上げるのが特徴です。ピデの名前はペルシャ語で「パン」を意味する「ピタ」に由来し、中東がルーツとされています。
 
具材は地域や好みによって多様で、一般的にはひき肉、チーズ、ほうれん草、ソーセージ、鶏肉などが使われます。生地は小麦粉を発酵させて作られ、モチモチとした食感が楽しめます。ピデは通常、オーブンで12〜15分ほど焼かれ、出来立てのアツアツを楽しむのが一般的です。
 
トルコでは、ピデは手軽な食事やスナックとして親しまれており、特にラマザン(断食月)の時期には欠かせない料理となっています。その人気と独特の形状から、パーティーメニューとしても重宝されています。近年では、トルコ国外でも知名度が上がり、特にトルコ系移民が多い国々では文化祭やイベントで作られることも増えています。

小さな餃子のような「マントゥ」

マントゥは、トルコの伝統的な水餃子のような料理で、小麦粉の生地に牛や羊のひき肉を包んで茹でた小さな餃子です。その起源は中央アジアにあり、中国の饅頭や包子、韓国のマンドゥと語源を共にすると考えられています。マントゥの特徴は、その小ささにあり、一般的に2センチ四方ほどの大きさで作られます。調理後は、ヨーグルトソースとトマトソースをかけて食べるのが一般的で、チリパウダーやドライミント、溶かしバターなどを好みで加えることもあります。トルコでは、マントゥを小さく作れることが料理の腕前の証とされ、家庭や地域によって様々な調理法や形状があります。この料理は、トルコ全土で愛されており、マントゥ専門店も多く存在する人気の家庭料理です。

伝統的なアイスクリーム「ンドゥルマ」

トルコの伝統的なアイスクリーム「ドンドゥルマ」は、独特の粘り気と伸びる特性で知られています。この特徴的な食感は、主原料のヤギのミルクと、サレップと呼ばれるラン科の植物の根から抽出された粉末の使用によるものです。ドンドゥルマは通常、マラシュ地方の伝統的な製法で作られ、正式には「マラシュ・ドンドゥルマ」と呼ばれます。このアイスクリームは、その独特の粘り気のため、ナイフとフォークで食べることもあり、伝統的な製法では木製の棒で叩きながら練り上げられます。ドンドゥルマは、その独特の食感と風味から、トルコの代表的なデザートの一つとして国内外で人気を集めています。

甘さと食感の芸術「バクラヴァ」

バクラヴァは、トルコを代表する伝統的な甘い菓子で、その歴史はオスマン帝国時代にまで遡ります。何十層もの薄いフィロ生地を重ね、ピスタチオやクルミなどのナッツを挟んで焼き上げ、仕上げに甘いシロップをかけて作られます。サクサクとした食感と濃厚な甘みが特徴で、トルコでは特別なデザートとして親しまれています。
バクラヴァの魅力は、シロップをたっぷりしみこませた生地と香ばしいナッツのコントラストにあります。トルコでは冠婚葬祭や贈り物など、様々な場面で楽しまれる定番スイーツとなっています。その濃厚な味わいから、チャイやコーヒーと一緒に少しずつ味わうのが一般的です。バクラヴァは、トルコだけでなく中東や中央アジア、地中海地域でも広く愛されており、2013年には欧州連合委員会によってトルコのデザートとして正式に登録されました。

ミルクプリンの逸品「ストラッチ」

ストラッチ(Sütlaç)は、トルコの伝統的なミルクプリンで、ライスプディングの一種です。その名前は「süt」(ミルク)に由来し、ミルクを主原料としています。このデザートは、牛乳、砂糖、米を主な材料として作られ、シナモンパウダーやバニラエッセンスで風味付けされることもあります。
調理方法は比較的簡単で、材料を鍋に入れて煮込み、とろみがつくまで弱火で煮詰めます。出来上がったプリンは、冷やして食べるのが一般的です。ストラッチは、その優しい甘さと滑らかな食感が特徴で、トルコ人に愛されている人気のデザートです。トルコの家庭料理として親しまれており、カフェやレストランでも広く提供されています。

トルコの国民的飲み物「チャイ」

トルコの国民的飲み物として知られる「チャイ」は、トルコ語で「çay」と表記され、濃い目に淹れられた紅茶を指します。トルコは世界有数の紅茶消費国であり、2004年の統計では1人あたりの年間消費量が2.5キログラムと、イギリスの2.1キログラムを上回っていました。チャイは通常、小さな耐熱ガラスのカップで提供され、ストレートで飲むか砂糖を加えて楽しみます。
 
トルコのチャイ文化は20世紀初頭に広まり、第一次世界大戦後のコーヒー価格高騰を機に国内での生産が奨励されました。主な生産地は黒海沿岸のリゼ県で、その地域で栽培される茶葉は「リゼ・ティー」として知られています。チャイは、トルコの日常生活に深く根付いており、家庭や職場、カフェなど様々な場所で一日に何度も飲まれ、もてなしの象徴としても重要な役割を果たしています。

さっぱり爽快な「アイラン」

アイランは、トルコの伝統的な発酵乳飲料で、ヨーグルトに水と塩を加えて作られる爽やかな飲み物です。トルコ語で「ayran」と表記され、その起源は古く、西暦552-745年頃には既に飲まれていたとされています。アイランの特徴は、さっぱりとした塩味と、よく撹拌することで生まれる泡立ちにあります。
 
トルコでは、アイランはケバブなどの濃厚な肉料理と相性が良く、食事のお供として広く親しまれています。また、暑い季節には喉の渇きを癒す飲み物としても重宝されます。アイランは、トルコのファストフード店やレストランでも一般的に提供されており、その人気はコカ・コーラなどの現代的な清涼飲料水に匹敵するほどです。
 
アイランは簡単に家庭でも作ることができ、基本的な材料はヨーグルト、水、塩のみです。泡立つまでよく混ぜることがポイントで、地域によってはキュウリの汁やニンニク、ミントなどを加えてアレンジすることもあります。トルコの食文化において重要な位置を占めるアイランは、その爽やかな味わいと健康的な側面から、国内外で愛され続けています。

トルコの料理を食べてみよう!

トルコ料理は、豊かな歴史と文化が反映された多彩な味わいが魅力です。定番料理から伝統的な家庭料理、そして甘くて美味しいスイーツまで、どれも訪れる人々を魅了します。トルコを訪れた際には、ぜひこれらの料理を試してみてください。異国の地で味わう本場のトルコ料理は、旅の思い出をさらに豊かにしてくれることでしょう。食を通じてトルコ文化を感じ、特別なひとときをお楽しみください。

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