オーストラリアの世界遺産は20カ所!絶対に見ておきたい有名な世界遺産を厳選して紹介

オーストラリアは、壮大な自然と豊かな文化遺産を誇る国として知られています。その魅力は20カ所もの世界遺産に認定されていることからも明らかです。広大な大陸に点在するこれらの遺産は、太古の地質や独特の生態系、先住民の文化、そして近代の建築まで、実に多様な顔を持っています。グレート・バリア・リーフやウルル、シドニー・オペラハウスなど、世界的に有名な観光地も含まれています。本記事では、オーストラリアを訪れる際に絶対に見逃せない世界遺産を厳選して紹介します。自然の驚異から人類の歴史まで、オーストラリアの魅力を凝縮した世界遺産の数々をご覧ください。

2024年09月03日更新


オーストラリアの世界遺産は全部で20カ所登録されている!

オーストラリアには、ユネスコ世界遺産に登録された20カ所の貴重な遺産があります。これらの遺産は、自然遺産が12カ所、文化遺産が4カ所、そして自然と文化の両方の価値を持つ複合遺産が4カ所となっています。広大な国土を持つオーストラリアならではの多様性が反映されており、グレート・バリア・リーフやウルル=カタ・ジュタ国立公園などの壮大な自然遺産から、シドニー・オペラハウスのような象徴的な建築物、さらにはオーストラリアの歴史を物語る囚人遺跡群まで、幅広い遺産が含まれています。これらの世界遺産は、オーストラリアの自然の豊かさと文化の深さを世界に示す重要な存在となっています。

オーストラリアの世界遺産一覧表

世界遺産登録名 登録年 種別
グレート・バリア・リーフ 1981年 自然遺産
カカドゥ国立公園 1981年 複合遺産
ウィランドラ湖群地域 1981年 複合遺産
タスマニア原生地域 1982年 自然遺産
ロード・ハウ諸島群 1982年 自然遺産
オーストラリアのゴンドワナ雨林 1986年 自然遺産
ウルル-カタ・ジュタ国立公園 1987年 複合遺産
シャーク湾 1991年 自然遺産
フレーザー島 1992年 自然遺産
オーストラリアの哺乳類化石地域 (リバースレー/ナルラボーン) 1994年 自然遺産
ハード島とマクドナルド諸島 1997年 自然遺産
マッコーリー島 1997年 自然遺産
グレート・バリア・リーフの海洋保護地域 1981年 自然遺産
ブルー・マウンテンズ地域 2000年 自然遺産
ピーヌ島、シャーク湾 1991年 自然遺産
パーヌルル国立公園 2003年 自然遺産
オーストラリアの王立展示館とカールトン庭園 2004年 文化遺産
オーストラリアの囚人遺跡群 2010年 文化遺産
ニンガルー・コースト 2011年 自然遺産
ブドジャ・ビム文化的景観 2019年 文化遺産

オーストラリアでおすすめの世界遺産11選

海の楽園「グレート・バリア・リーフ」

グレート・バリア・リーフは、オーストラリアの北東沿岸に広がる世界最大のサンゴ礁系で、その規模は宇宙からも確認できるほど壮大です。全長約2,000kmにわたるこの海洋生態系は、1981年に世界自然遺産に登録されました。400種以上のサンゴと1,500種を超える魚類が生息し、絶滅危惧種を含む多様な海洋生物の楽園となっています。観光客はシュノーケリングやダイビング、クルーズ、遊覧飛行などを通じて、この驚異的な自然の美しさを体験できます。しかし、気候変動や環境汚染によるサンゴの白化現象が進行しており、この貴重な生態系の保護が急務となっています。

神秘の巨岩「ウルル=カタ・ジュタ国立公園」

ウルル=カタ・ジュタ国立公園は、オーストラリアの中心部に位置する複合遺産で、1987年に世界遺産に登録されました。公園内には、高さ348m、周囲9.4kmの巨大な一枚岩ウルル(エアーズロック)と、36個の巨石群からなるカタ・ジュタ(オルガ山)が存在します。これらの地形は約6億年前に形成され、アボリジニの人々にとって深い精神性を持つ聖地として3万年以上前から大切にされてきました。公園では、豊かな動植物相や先住民アナング族の文化を体験できるほか、夕日に染まる岩肌の色彩変化など、壮大な自然景観を楽しむことができます。

先住民の聖地「カカドゥ国立公園」

カカドゥ国立公園は、オーストラリア北部のノーザンテリトリーに位置する広大な複合遺産で、1981年に世界遺産に登録されました。約2万平方キロメートルの面積を誇るこの公園は、豊かな生態系と先住民アボリジニの文化遺産が共存する貴重な場所です。公園内には1,600種以上の植物、280種の鳥類、60種の哺乳類、123種の爬虫類が生息し、生物多様性の宝庫となっています。特筆すべきは、4万年以上前から人が住んでいた形跡があり、約3,000カ所で見られる岩面画の中には2万年以上前のものも含まれています。これらの壁画には、「X線描法」と呼ばれる独特の技法で描かれた動物の骨格や内臓が見られ、アボリジニの狩猟や生活の知恵を今に伝えています。カカドゥ国立公園は、先住民の文化と壮大な自然が融合した、オーストラリアの原点とも言える世界遺産です。

建築の傑作「シドニー・オペラハウス」

シドニー・オペラハウスは、オーストラリアを代表する建築物であり、2007年に世界文化遺産に登録された20世紀建築の傑作です。デンマークの建築家ヨーン・ウツソンによって設計され、1973年に完成しました。その独特な貝殻や帆船を思わせる屋根の形状は、シドニー港の象徴的な存在となっています。オペラハウス内部には複数の劇場やホールがあり、年間1600以上の公演が行われる世界有数の文化施設です。建設には14年の歳月と当初予算の14倍以上の費用がかかりましたが、その革新的なデザインと技術的挑戦は、「人類の創造的才能を表す傑作」として高く評価されています。

絶景の青い山脈「グレーター・ブルー・マウンテンズ地域」

グレーター・ブルー・マウンテンズ地域は、シドニーから西に約60-108km離れた場所に位置する広大な自然遺産で、2000年に世界遺産に登録されました。この地域は7つの国立公園とジェノラン・ケイブス・カルスト保護区で構成され、総面積は103万ヘクタールに及びます。最大の特徴は、91種類ものユーカリが自生する豊かな生態系で、世界のユーカリの約13%がここに集中しています。ユーカリから放出される油分が太陽光に反射して青く霞んで見えることから、「ブルー・マウンテンズ」という名前が付けられました。また、「スリー・シスターズ」と呼ばれる3つの奇岩や、絶滅危惧種を含む多様な動植物の生息地としても知られています。

世界最大の砂の島「フレーザー島」

フレーザー島(現在の正式名称はガリ)は、オーストラリアのクイーンズランド州に位置する世界最大の砂の島で、1992年に世界自然遺産に登録されました。南北約120km、幅最大30kmに及ぶこの島は、70万年以上の歳月をかけて形成された砂丘の上に、豊かな熱帯雨林や50近くの淡水湖、小川が存在するという特異な生態系を有しています。島内には美しい白砂のビーチが100km以上続き、透明度の高いマッケンジー湖やイーライ・クリークなどの淡水域、そしてディンゴや350種を超える野鳥、海洋生物など多様な野生動物が生息しています。2021年には、先住民バッチュラ族の言葉で「楽園」を意味する「ガリ(K’gari)」に正式名称が変更され、自然と文化の調和を象徴する世界遺産として注目を集めています。

ヴィクトリア朝の華麗な遺産「王立展示館とカールトン庭園」

メルボルンの中心部に位置する王立展示館とカールトン庭園は、2004年に世界文化遺産に登録されたヴィクトリア朝時代の建築と景観の傑作です。1880年に完成した王立展示館は、19世紀の万国博覧会の会場として建設され、その壮大なドームと優美な装飾は当時の建築技術と芸術性の粋を集めています。隣接するカールトン庭園は、ヴィクトリア朝の庭園設計の美しい例として知られ、整然とした植栽と彫像が特徴的です。この遺産群は、オーストラリアの植民地時代の繁栄と文化的発展を象徴するとともに、19世紀の国際博覧会運動が世界に与えた影響を今に伝える貴重な存在となっています。

手つかずの原生林「タスマニア原生地域」

タスマニア原生地域は、オーストラリア大陸の南に浮かぶタスマニア島西部に位置し、島の総面積の約20%を占める広大な原生林地帯です。1982年に世界複合遺産に登録され、5つの国立公園と10個の保護区を含む約138万ヘクタールの地域が保護されています。この地域は、1億8千万年前の大陸分裂によって形成され、独自の進化を遂げた固有種が多く生息しています。タスマニアンデビルやウォンバット、カモノハシなどの珍しい動物や、樹齢2000年を超える巨木、ナンキョクブナなどの太古の植物が生育し、生物多様性の宝庫となっています。また、約3万年前の氷河期の人類の痕跡も発見されており、自然と文化の両面で貴重な価値を持つ地域です。

太古の熱帯雨林「クイーンズランドの湿潤熱帯地域」

クイーンズランドの湿潤熱帯地域は、オーストラリア北東部に位置する世界自然遺産で、1988年に登録されました。この地域は、地球上で最も古い熱帯雨林の一つとされ、約1億3500万年前から存在する原生林を含んでいます。総面積は約90万ヘクタールに及び、多様な生態系を有しています。この地域には、3000種以上の維管束植物、30%以上が固有種である動物相、そして世界で最も多様な植物群の一つであるオーストラリアのヤシ科植物の75%が生息しています。現在の気候は、晴れて暑く、湿度が低い状態が続いており、マッタバラでは気温が31°C(88°F)、湿度16%と報告されています。この独特な環境は、太古からの生態系を保存し、進化の過程を示す貴重な自然遺産となっています。

古代の森「ゴンドワナ多雨林群」

オーストラリアのゴンドワナ多雨林群は、クイーンズランド州南東部からニューサウスウェールズ州北東部にかけて広がる総面積約36万6,500ヘクタールの広大な森林地帯です。1986年に世界自然遺産に登録されたこの地域は、約1億3000万年前のゴンドワナ大陸時代から続く世界最古の森の姿を今に伝えています。ここでは、世界最古のシダ類や170種以上の絶滅危惧植物、ナンキョクブナなどの太古の植物が見られるほか、コアラやカンガルー、絶滅したと考えられていたパルマヤブワラビーなどの希少な動物も生息しています。この貴重な生態系は、オーストラリアが他の大陸から孤立した後も残された、進化の生きた博物館と言えるでしょう。

青く霞む絶景「ブルーマウンテンズ」

ブルーマウンテンズは、シドニーから約90km西に位置する世界遺産で、壮大な渓谷と青く霞む山々が特徴的な絶景スポットです。その名の由来は、ユーカリの木から放出される油分が太陽光に反射して青く見える現象にあります。観光の中心地であるカトゥーンバには、有名な「スリーシスターズ」と呼ばれる3つの奇岩や、エコーポイント展望台があり、壮大なパノラマビューを楽しめます。また、シーニックワールドでは、ケーブルカーやトロッコ列車に乗って渓谷の絶景を体験できます。ブルーマウンテンズには90種類以上のユーカリを含む130種類以上の固有植物が自生し、ライアーバードなどの珍しい野鳥も生息しており、豊かな生態系を誇ります。

オーストラリアで世界遺産を観光する際の注意点

オーストラリアの世界遺産を観光する際は、いくつかの重要な注意点があります。まず、広大な国土に点在する遺産へのアクセスには事前の計画が不可欠で、公共交通機関が限られている場所ではツアーやレンタカーの利用を検討するとよいでしょう。また、オーストラリアの強い日差しと乾燥した気候に対応するため、帽子やサングラス、日焼け止め、十分な水分補給が必要です。自然遺産を訪れる際は、現地の生態系を守るためのルールを厳守し、野生動物に餌を与えないなどの配慮が求められます。さらに、季節や地域によってはコバエの大量発生や突然の雨など、予期せぬ状況に備えることも大切です。これらの点に注意を払うことで、オーストラリアの世界遺産をより安全に、そして深く楽しむことができるでしょう。

オーストラリアへ世界遺産を見に行こう!

オーストラリアには広大な自然と歴史が織り成す魅力的な世界遺産が点在しています。これらの遺産は、美しい自然景観や独自の文化を体感できる場所ばかりで、訪れる者に深い感動を与えてくれます。旅行の際には、ぜひオーストラリアの世界遺産を訪れ、その魅力を直接感じてみてください。一生に一度は見ておきたいこれらのスポットは、あなたの旅をさらに特別なものにしてくれることでしょう。


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