フランス・ドイツ・オランダ・ルクセンブルクと国境を接し、“ヨーロッパの心臓”と呼ばれる人気観光地「ベルギー」。日本ではベルギーワッフルやチョコレートが有名ですが…
ベルギーの代表的な料理11選!定番料理・伝統料理からスイーツまで
ベルギーは美食の国として知られ、多彩な料理文化を誇ります。フランス料理の影響を受けながらも、独自の伝統を築いてきました。北海に面した北部では新鮮な海の幸を使ったシーフード料理が、南部では狩猟による山の幸を使ったジビエ料理が楽しめます。また、世界的に有名な高級チョコレートやワッフルなど、スイーツも充実しています。本記事では、ベルギーを代表する11の料理を紹介します。定番料理から伝統料理、そして人気のスイーツまで、ベルギー料理の魅力を幅広くお伝えします。ベルギーを訪れる際はもちろん、自宅で料理を楽しむ際にも参考になる情報をお届けします。
2024年08月26日更新
ベルギーの食文化
ベルギーの食文化は、その地理的位置と歴史的背景により、多様性に富んでいます。北部のフランデレン地域では海の幸を活かした料理が、南部のワロン地域では山の幸を使ったジビエ料理が特徴的です。ベルギー人は「ブルゴーニュ式のライフスタイル」と呼ばれる、美味しい食事と共に人生を楽しむ文化を大切にしています。主食はジャガイモとパンで、フライドポテトは国民的な人気を誇ります。また、ベルギービールは数百種類以上あり、料理にも多用されます。チョコレートやワッフルなどのスイーツも世界的に有名で、食事の締めくくりとして欠かせない存在です。このように、ベルギーの食文化は地域の特産品を活かしながら、伝統と革新を融合させた豊かな 食文化を形成しています。ベルギーのおすすめ料理11選
春の贅沢「ホワイトアスパラガス」
ヨーロッパでは春の訪れを告げる野菜として親しまれているホワイトアスパラガス。土の中で育てられ、太陽光に当たらないため白く柔らかな食感とほのかな甘みが特徴です。 旬は3月下旬から5月中旬の約2ヶ月間と短く、この時期だけの贅沢な味わいを楽しめます。 茹でるだけでメインディッシュになる程の存在感があり、バターやオランデーズソースなどと合わせるのが定番です。 茹で汁は塩味を調えておいしいスープにもなります。 日本でも高級食材として流通していますが、産地や時期によって3Lサイズの極太アスパラなども味わえます。 ホワイトアスパラを使った贅沢なリゾットなどのアレンジレシピも人気です。まさに春の訪れを感じさせる食材と言えるでしょう。サクサク衝撃「シュリンプ・クロケット」
シュリンプ・クロケットは、外はサクサクで中はクリーミーな食感が特徴的な人気の前菜です。小海老を主材料とし、じゃがいもやにんじん、玉ねぎなどの野菜を加えて作られます。調理法は、材料をクリーム状に混ぜ合わせ、卵形に整えた後、小麦粉、卵液、パン粉の順につけて170~180℃の油で揚げます。この調理法により、外側はカリッとした食感が生まれ、中はぷりぷりとした海老の食感と野菜の旨味が楽しめる、まさに「衝撃」的な美味しさを生み出しています。レモンを添えて食べるのが一般的で、その爽やかな酸味がクロケットの濃厚さを引き立て、より一層美味しく仕上げます。苦味が魅力「チコリのグラタン」
チコリのグラタンは、ベルギーの冬の定番料理として知られています。チコリ(アンディーブ)は、独特のほろ苦さと軽やかな歯触りが特徴的な野菜で、グラタンにすることでその苦味が和らぎ、大人の味わいを楽しむことができます。一般的な調理法では、チコリをハムで巻き、ベシャメルソースとチーズをかけてオーブンで焼き上げます。加熱することで生とは異なる食感が生まれ、癖になる美味しさを生み出します。チコリの苦味成分には消化を助け、肝機能を高める効果があるとされ、栄養面でも注目されています。このグラタンは、ベルギーやオランダなどの近隣国でも親しまれており、食卓に特別感をもたらす一品として人気があります。首都の名を冠す「シュー・ド・ブリュッセル」
シュー・ド・ブリュッセルは、ベルギーの首都ブリュッセルにちなんで名付けられた、プレミアムなチョコレート菓子です。ゴディバの伝統と革新を体現する逸品として知られており、「世界で一番美しい広場」と称されるグランプラスの名前を冠しています。このチョコレートは、香ばしいプラリネやくちどけまろやかなガナッシュなど、ベルギーの伝統的な製法と革新的な技術が融合した芸術的な美しさを持っています。ゴールドのパッケージにグリッターで装飾された高級感あふれるデザインも特徴的で、大切な人への贈り物として人気があります。農家の知恵が生んだ「プール・オ・ポ」
プール・オ・ポ(Poule au pot)は、フランスの伝統的な家庭料理で、約400年の歴史を持つ料理です。鶏を丸ごと使い、野菜と一緒に煮込んで作られます。この料理の特徴は、鶏の中に詰め物(ファルス)をすることで、バスク地方の名物であるバイヨンヌの生ハムが主材料として使われることがあります。ただし、家庭によっては高価な生ハムの代わりに鶏ミンチを使用することもあります。プール・オ・ポは、シンプルな調理法ながら栄養価が高く、農家の知恵が詰まった料理と言えます。鶏を丸ごと使うことで無駄がなく、野菜と一緒に煮込むことで栄養バランスの良い一品となります。また、季節や家庭によって付け合わせの野菜やハーブ、ファルスの材料が異なることがあり、その時々で楽しめる多様性も魅力の一つです。
魚介の旨味凝縮「ワーテルゾーイ」
ワーテルゾーイは、ベルギー北西部のゲント発祥の郷土料理で、魚介や鶏肉を野菜と一緒にクリーミーなスープで煮込んだ料理です。元々は川魚を使用していましたが、現在では鶏肉を使った「ゲント風ワーテルゾーイ」が一般的になっています。魚介を使用する場合は、真ダラや芝エビ、ムール貝などが入ることもあります。野菜と肉や魚をじっくり煮込み、最後に生クリームと卵黄を加えてとろみをつけるのが特徴で、クリームシチューのような見た目ながら、スープはさらっとしています。魚介の旨味と野菜の香り、クリームのコクが凝縮された美味しさが楽しめ、パンやご飯との相性も抜群です。ベルギー人に愛される家庭の味として親しまれており、レモンを添えて食べるのが一般的です。ビールが隠し味「カルボネート・フラマンド」
カルボナード・フラマンド(Carbonade flamande)は、ベルギーのフランドル地方発祥の伝統的な牛肉のビール煮込み料理です。牛肉を玉ねぎ、ニンニク、ベーコンと共に黒ビールでじっくり煮込み、バルサミコ酢やディジョンマスタードで味付けします。通常3時間ほど弱火で煮込むことで、肉がトロトロになり、ビールのコクと旨味が凝縮された深い味わいが特徴です。料理名の「カルボナード」は、仕上がりの黒さが炭(カーボン)を連想させることに由来するとされています。フランス北部やベルギーで愛される郷土料理であり、寒い季節に特に人気があります。ビールを使用することで、単なる煮込み料理以上の奥深い味わいを生み出し、フランドル地方の食文化を代表する一品となっています。海の宝石箱「ムール貝の白ワイン蒸し」
ムール貝の白ワイン蒸しは、ベルギーを代表する料理の一つで、シンプルながら海の恵みを存分に楽しめる逸品です。新鮮なムール貝を白ワイン、ニンニク、オリーブオイル、塩などでさっと蒸し上げることで、貝の旨味と白ワインの香りが絶妙に調和します。プリプリとした食感のムール貝は、その殻を開けるたびに海の宝石箱を開けるような楽しさがあります。調理方法は簡単で、鍋にムール貝と調味料を入れて蒸し焼きにするだけです。ベルギーでは通常フライドポテトと一緒に提供され、貝から出る旨味たっぷりのスープを楽しむのが定番です。この料理は、ベルギーの豊かな食文化と、新鮮な海の幸を活かした伝統的な調理法を象徴する一品と言えるでしょう。緑のソースが決め手「アンギーユ・オ・ヴェール」
アンギーユ・オ・ヴェール(Anguille au vert)は、ベルギーの伝統的な鰻料理で、特徴的な緑色のソースが決め手となっています。この料理は主にブリュッセルやフランデレン地方で親しまれており、鰻をハーブたっぷりの緑色のソースで煮込みます。ソースの主な材料はソレル(オキザリス)、パセリ、タイム、セージなどのハーブで、これらが鰻の脂っこさを和らげ、爽やかな風味を加えています。調理法は比較的シンプルで、鰻を適当な大きさに切り、ハーブと一緒に白ワインや魚のブイヨンで煮込みます。仕上がりの緑色が鮮やかで、見た目にも美しい一品です。ベルギー版ポテト「フリッツ」
フリッツ(Frites)は、ベルギーの国民的な食べ物であり、フライドポテトの発祥地として知られています。ベルギーでは、フリッツは単なる付け合わせではなく、主役として扱われます。典型的なベルギーのフリッツは、約1センチの太さで幅広い形状をしており、二度揚げすることで外はカリッと、中はクリーミーな食感を実現しています。ベルギーのフリッツの特徴は、マヨネーズと一緒に食べることです。日本ではケチャップが一般的ですが、ベルギーではマヨネーズがデフォルトとなっています。また、フリッツ専門店では多種多様なマヨネーズベースのソースが用意されており、サムライソースやアンダルーズなど、様々な味を楽しむことができます。
フリッツは、ベルギーの街角にある「フリットコット」と呼ばれる専門店や移動式の屋台で購入でき、多くのベルギー人に愛されています。近年では日本でもベルギースタイルのフリッツ専門店が登場し、本場の味を楽しむことができるようになっています。