ポルトガルには17カ所もの世界遺産があり、その数の多さは国土の小ささを考えると驚くべきものです。これらの世界遺産は、古代ローマ時代から大航海時代まで、ポルトガル…
フランスの世界遺産は51カ所!絶対に見ておきたい有名な世界遺産を厳選して紹介
フランスは世界遺産大国として知られ、その数は実に51カ所にも及びます。歴史的建造物から自然景観まで、多様な魅力を持つフランスの世界遺産は、訪れる人々を魅了し続けています。本記事では、その中でも特に人気が高く、一度は訪れたい有名な世界遺産を厳選してご紹介します。モン・サン・ミシェルやパリのセーヌ河岸、ヴェルサイユ宮殿など、フランスを代表する世界遺産の魅力に迫ります。それぞれの遺産が持つ独特の歴史や文化、美しさを通じて、フランスの奥深さを感じていただけるでしょう。
2024年09月09日更新
フランスの世界遺産は全部で51カ所登録されている!
フランスは世界遺産大国の一つで、2024年現在、ユネスコ世界遺産に登録されている遺産の総数は53件に達しています。その内訳は、文化遺産が44件、自然遺産が7件、複合遺産が2件となっています。これらの世界遺産は、フランスの豊かな歴史、芸術、建築、そして自然の多様性を反映しています。フランスの世界遺産には、モン・サン・ミシェルやシャルトル大聖堂などの中世の建造物から、ヴェルサイユ宮殿のような華麗な宮殿、さらにはガラパゴス諸島のような自然遺産まで、幅広い種類が含まれています。これらの遺産は、フランスの文化的・自然的価値を世界に示す重要な資産となっています。フランスでおすすめの世界遺産10選
神秘的な修道院の島「モンサンミッシェル」
モンサンミッシェルは、フランス北西部のノルマンディー地方に位置する小さな岩島上に建つ修道院で、1979年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。8世紀に建設が始まり、11世紀から13世紀にかけて現在の姿に近づきました。その独特な景観から「西洋の驚異」と称され、年間約300万人もの観光客を魅了しています。モンサンミッシェルの歴史は数奇に富んでおり、修道院としてだけでなく、百年戦争時には要塞として、フランス革命後には監獄としても使用されました。潮の干満差が激しい周辺の干潟と相まって、モンサンミッシェルは自然と人間の営みが調和した神秘的な景観を生み出しています。芸術と歴史が息づく川辺「パリのセーヌ河岸」
パリのセーヌ河岸は、1991年にユネスコ世界文化遺産に登録された、フランスの首都パリを象徴する景観です。シュリー橋からイエナ橋までの約8kmにわたるセーヌ川沿いのエリアが対象となっており、パリの2000年以上の歴史と文化が凝縮されています。この地域には、ノートルダム大聖堂やルーブル美術館、エッフェル塔など、世界的に有名な建造物が点在しています。セーヌ河岸は、中世のゴシック建築から19世紀のオスマン様式まで、様々な時代の建築様式を見ることができる屋外博物館のような場所です。また、2024年のパリオリンピック開会式では、セーヌ川を舞台にした前例のない水上パレードが計画されており、世界遺産の舞台でオリンピックの幕開けを飾ることになります。鉄の貴婦人「エッフェル塔」
エッフェル塔は、1889年のパリ万国博覧会のために建設された鉄骨構造物で、パリのシンボルとして世界的に知られています。高さ324メートルを誇るこの塔は、設計者ギュスターヴ・エッフェルの名を冠しています。当初は一時的な建造物として計画されましたが、その独特な美しさと技術的革新性により、永久的な存在となりました。エッフェル塔は「鉄の貴婦人」や「レースでできた美しいキリン」などの愛称で呼ばれ、その優雅な姿は多くの人々を魅了しています。塔からはパリの街並みを一望でき、年間約700万人もの観光客が訪れる人気スポットとなっています。1991年には、パリのセーヌ河岸の一部としてユネスコ世界文化遺産に登録され、フランスの文化と技術の象徴として国際的に認められています。太陽王の栄華を今に伝える「ヴェルサイユの宮殿」
ヴェルサイユ宮殿は、17世紀後半に「太陽王」ルイ14世によって建設された、フランス絶対王政の象徴的建造物です。王の富と権力を誇示するために建てられたこの宮殿は、100万平方メートルを超える幾何学的な美しさを誇る庭園を含む広大な敷地を有しています。宮殿の正門には太陽神アポロンをかたどった装飾が施され、ルイ14世の「太陽王」としての威厳を表現しています。最新のスキャン技術を用いた調査により、建設当初の宮殿は現在とは異なる姿だったことが明らかになり、ルイ14世が宮殿に込めた思いや、その時代の建築技術の粋を今に伝えています。1979年にユネスコ世界文化遺産に登録されたヴェルサイユ宮殿は、フランスのブルボン王朝の栄華と、バロック様式の建築美を今に伝える貴重な遺産となっています。芸術の殿堂「ルーヴル美術館」
ルーヴル美術館は、パリのセーヌ川右岸に位置する世界最大級の美術館です。12世紀に城塞として建設され、その後王宮として使用されていた建物が、1793年に一般公開の美術館として生まれ変わりました。約38万点もの膨大な所蔵品を誇り、そのうち35,000点以上が一般公開されています。コレクションは古代エジプトから19世紀までの西洋美術を中心に、8つの部門に分類されています。ルーヴル美術館の最も有名な作品は、レオナルド・ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」ですが、他にもミロのヴィーナスやサモトラケのニケなどの彫刻、ドラクロワやフェルメールの絵画など、世界的に著名な作品が数多く展示されています。1989年にはI.M.ペイ設計のガラスのピラミッドがメインエントランスとして加えられ、新旧の建築が融合した独特の景観を生み出しています。
年間約1000万人もの来館者を迎えるルーヴル美術館は、フランスの芸術と文化の象徴として、1991年にパリのセーヌ河岸の一部としてユネスコ世界文化遺産に登録されました。その膨大なコレクションと歴史的価値により、ルーヴル美術館は世界の美術館の中でも特別な存在として認識されています。
中世の面影漂う教皇の都「アヴィニョン歴史地区」
アヴィニョン歴史地区は、フランス南東部のプロヴァンス地方に位置し、14世紀に一時的にカトリック教会の中心地となった都市です。1995年にユネスコ世界文化遺産に登録され、中世の面影を色濃く残す貴重な歴史的景観を有しています。この地区の中心となるのは、ヨーロッパ最大級のゴシック様式建造物である教皇宮殿です。1309年から1377年まで続いた「アヴィニョン捕囚」の時代、7人の教皇がこの宮殿に住み、キリスト教世界の首都として栄えました。他にも12世紀に創建されたノートルダム・デ・ドン大聖堂や、かつて司教館だったプチ・パレ、そして有名な「アヴィニョンの橋」として知られるサン・ベネゼ橋など、中世の重要な建造物が残されています。これらの建造物群は、当時のアヴィニョンの政治的・宗教的重要性を今に伝える貴重な遺産となっています。ゴシック建築の至宝「シャルトル大聖堂」
シャルトル大聖堂は、フランスゴシック建築の最高傑作として知られる世界遺産です。1194年の大火災後、わずか26年という短期間で再建され、1220年に完成しました。大聖堂の最大の特徴は、左右非対称の塔です。向かって左側がゴシック様式、右側がロマネスク様式となっており、時代の変遷を物語っています。内部には170を超える見事なステンドグラスが施され、特に「シャルトルブルー」と呼ばれる深い青色が印象的です。これらのステンドグラスは、文字の読めない信者たちに聖書の物語を視覚的に伝える役割を果たしました。シャルトル大聖堂は、その建築様式や芸術性により、後のゴシック建築に多大な影響を与え、フランス国内外の多くの大聖堂の模範となりました。中世の夢が息づく「城塞都市カルカッソンヌ」
カルカッソンヌは、フランス南西部に位置する中世の面影を色濃く残す城塞都市です。紀元前6世紀から人が住み始め、ローマ時代には要塞として発展しました。現在の姿の基礎となったのは13世紀で、フランス王ルイ9世の命により二重の城壁が築かれ、難攻不落の要塞都市となりました。総延長3kmの城壁には53もの塔が立ち並び、ヨーロッパ最大級の城塞都市として知られています。1997年にユネスコ世界文化遺産に登録され、現在では年間約300万人が訪れる人気観光地となっています。城壁内には「シテ」と呼ばれる旧市街があり、中世の街並みが保存されています。ナルボンヌ門をくぐると、まるで時間旅行をしたかのような雰囲気に包まれます。夜にはライトアップされ、幻想的な景観を楽しむことができます。アルザスの宝石「ストラスブールのグラン・ディル」
ストラスブールのグラン・ディルとノイシュタットは、フランス北東部アルザス地方の中心都市ストラスブールに位置する世界遺産です。グラン・ディルは「大きな島」を意味し、イル川に囲まれた旧市街を指します。1988年に世界遺産に登録され、2017年にはノイシュタット(新市街)まで範囲が拡大されました。この地域はフランスとドイツの文化が融合した独特の景観を持ち、ゴシック様式のノートルダム大聖堂や16〜17世紀の木組みの家々が並ぶプティット・フランス地区が特に有名です。ノートルダム大聖堂は260年の歳月をかけて建設され、142メートルの尖塔と精巧な天文時計で知られています。ノイシュタットには、フランスとドイツの和解のシンボルとして建てられたヨーロッパ宮があり、EU本会議場が置かれています。ストラスブールのグラン・ディルとノイシュタットは、ヨーロッパの歴史と文化の交差点として、その建築的・文化的価値が高く評価されています。ゴシック様式の最高峰「アミアン大聖堂」
アミアン大聖堂は、フランス北部ピカルディー地方の都市アミアンに位置する、ゴシック建築の傑作です。1220年に建設が始まり、わずか68年という短期間で完成しました。フランス最大の大聖堂であり、その規模はパリのノートルダム大聖堂の約2倍に及びます。身廊の高さは42.3メートルで、フランスで最も高い天井を誇ります。大聖堂の外観は、精巧な彫刻で装飾された西側ファサードが特に印象的です。内部には、「石の百科全書」と呼ばれる彫像群があり、聖書の物語を視覚的に表現しています。また、夏とクリスマスシーズンには、ライトアップによって中世の極彩色が再現され、幻想的な景観を楽しむことができます。1981年にユネスコ世界文化遺産に登録され、ゴシック建築の完成形として、その後の建築様式に大きな影響を与えました。
フランスの世界遺産一覧表
世界遺産登録名 | 登録年 | 種別 |
---|---|---|
モン・サン=ミシェルとその湾 | 1979 | 文化遺産 |
ヴェルサイユ宮殿と庭園 | 1979 | 文化遺産 |
シャルトル大聖堂 | 1979 | 文化遺産 |
ヴェゼール渓谷の先史時代遺跡と洞窟壁画群 | 1979 | 文化遺産 |
ヴェズレーの教会と丘 | 1979 | 文化遺産 |
フォンテーヌブローの宮殿と庭園 | 1981 | 文化遺産 |
アミアン大聖堂 | 1981 | 文化遺産 |
サン=サヴァン・シュル・ガルタンプの教会 | 1983 | 文化遺産 |
ゴルド・フランスの古代都市遺跡 | 1983 | 文化遺産 |
サン=テミリオンの町 | 1999 | 文化遺産 |
ロワール渓谷 | 2000 | 文化遺産 |
プロヴァンスのアルル | 1981 | 文化遺産 |
中世都市カルカソンヌ | 1997 | 文化遺産 |
シャブリのテラスと石畳 | 2004 | 文化遺産 |
ボルドー、月の港 | 2007 | 文化遺産 |
ストラスブール大聖堂とグラン=イル | 1988 | 文化遺産 |
パリのセーヌ河岸 | 1991 | 文化遺産 |
アルル、ローマ遺跡とロマネスク様式の建造物群 | 1981 | 文化遺産 |
シャンパーニュの丘陵、地下蔵、カーヴ | 2015 | 文化遺産 |
プレヒストリックのアルプス山脈の湖岸集落 | 2011 | 文化遺産 |
トリアノンとマリー=アントワネットの村 | 1979 | 文化遺産 |
メゾン=カリフォルニエの列柱 | 1981 | 文化遺産 |
ローマの水道橋ポン・デュ・ガール | 1985 | 文化遺産 |
リヨン歴史地区 | 1998 | 文化遺産 |
ナンシーの旧市街 | 1983 | 文化遺産 |
アヴィニョンの教皇宮殿 | 1995 | 文化遺産 |
プロヴァンスのロン=リマージュのローマ劇場 | 1981 | 文化遺産 |
フランスのシトー会修道院 | 1981 | 文化遺産 |
ボーヌのオテル=デュー | 2010 | 文化遺産 |
ボーヌのオテル=デュー | 2010 | 文化遺産 |
中世都市セント・ソフィア | 1983 | 文化遺産 |
ポンテヴェールの城壁 | 2000 | 文化遺産 |
サラン=レ=バンの王立製塩所 | 1982 | 文化遺産 |
ランスのノートル=ダム大聖堂 | 1991 | 文化遺産 |
アミアンのサン=ドニ大聖堂 | 1992 | 文化遺産 |
ノートルダム大聖堂 | 1992 | 文化遺産 |
カルカソンヌの要塞都市 | 1997 | 文化遺産 |
ストラスブール、グラン=イルと旧市街 | 1988 | 文化遺産 |
ル・アーヴル市街(オーギュスト・ペレによる再建) | 2005 | 文化遺産 |
新古典主義都市アルクイユ=シャラントン | 2007 | 文化遺産 |
カマルグの生態系と文化的景観 | 2010 | 文化遺産 |
中世都市サン=ゴーティエ | 1995 | 文化遺産 |
メッスの王立製塩所 | 1992 | 文化遺産 |
リモージュ陶磁器製作所 | 1991 | 文化遺産 |
モンペリエのフィロナード地区 | 2011 | 文化遺産 |
ポワティエの旧市街 | 2013 | 文化遺産 |
ポン=デュ=ガール | 1985 | 文化遺産 |
ピエールフォン修道院 | 1989 | 文化遺産 |
ミッシェル・デューク=シルヴェイン・モンターニュ | 2010 | 文化遺産 |
サン=トロペの港と旧市街 | 2008 | 文化遺産 |
ランスの大聖堂と司教館 | 1991 | 文化遺産 |
ル・ブールの洞窟 | 1979 | 文化遺産 |
サント=アンヌ=ドゥ=ロミュール洞窟壁画群 | 1981 | 文化遺産 |