イギリスの世界遺産は33カ所!絶対に見ておきたい有名な世界遺産を厳選して紹介

イギリスは豊かな歴史と文化を誇る国として知られ、その遺産の価値は世界的に認められています。実に33もの世界遺産が登録されているイギリスは、世界遺産大国と呼んでも過言ではありません。古代の謎めいた遺跡から中世の壮麗な建築物、産業革命の痕跡まで、イギリスの世界遺産は多岐にわたります。本記事では、この33の世界遺産の中から、観光客に人気が高く、イギリスの歴史と文化を象徴する代表的な世界遺産を厳選してご紹介します。イギリス旅行を計画中の方はもちろん、世界遺産に興味がある方にとっても、見逃せない情報満載でお届けします。

2024年07月31日更新


イギリスの世界遺産は全部で33カ所登録されている!

イギリスには現在、33カ所の世界遺産が登録されており、その内訳は文化遺産28件、自然遺産4件、複合遺産1件となっています。これらの遺産は、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド、さらにはイギリスの海外領土にまで広がっています。有名なものではロンドン塔やウェストミンスター宮殿などがありますが、先史時代の遺跡や産業革命時の工場跡など、イギリスの長い歴史と多様な文化を反映した遺産が含まれています。これらの世界遺産は、イギリスの豊かな歴史的・文化的遺産を世界に示すとともに、国内外からの観光客を魅了し続けています。

イギリスの世界遺産一覧表

世界遺産登録名 登録年 種別
セント・キルダ 1986、2004、2005年 複合遺産
ジャイアンツ・コーズウェーとコーズウェー海岸 1986年 自然遺産
ダラム城と大聖堂 1986年 文化遺産
アイアンブリッジ峡谷 1986年 文化遺産
ファウンティンズ修道院遺跡群を含むスタッドリー王立公園 1986年 文化遺産
ストーンヘンジ、エーヴベリーと関連する遺跡群 1986年 文化遺産
グウィネズのエドワード1世の城群と市壁群 1986年 文化遺産
ローマ帝国の国境線 1987、2005、2008年 文化遺産
ブレナム宮殿 1987年 文化遺産
ウェストミンスター宮殿、ウェストミンスター大寺院及び聖マーガレット教会 1987年 文化遺産
バース市街 1987年 文化遺産
ヘンダーソン島 1988年 自然遺産
ロンドン塔 1988年 文化遺産
カンタベリー大聖堂、聖オーガスティン大修道院及び聖マーティン教会 1988年 文化遺産
ゴフ島及びインアクセシブル島 1995、2004年 自然遺産
エディンバラの旧市街と新市街 1995年 文化遺産
河港都市グリニッジ 1997年 文化遺産
オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地 1999年 文化遺産
バミューダ島の古都セント・ジョージと関連要塞群 2000年 文化遺産
ブレナヴォン産業用地 2000年 文化遺産
ニュー・ラナーク 2001年 文化遺産
ソルテア 2001年 文化遺産
ドーセット及び東デヴォン海岸 2001年 自然遺産
ダーウェント峡谷の工場群 2001年 文化遺産
キュー王立植物園 2003年 文化遺産
コーンウォールとウェストデヴォンの鉱山景観 2006年 文化遺産
ポントカサステ水路橋と水路 2009年 文化遺産
フォース橋 2015年 文化遺産
ゴーハムの洞窟群 2016年 文化遺産
湖水地方 2017年 文化遺産
ジョドレル・バンク天文台 2019年 文化遺産
ヨーロッパの大温泉都市群 2021年 文化遺産
ウェールズ北西部のスレート関連景観 2021年 文化遺産

イギリスでおすすめの世界遺産12選

英国の政治と歴史の中心「ウエストミンスター宮殿」

ウェストミンスター宮殿は、英国の政治と歴史の中心として、テムズ川沿いに壮大な姿を誇っています。11世紀に王宮として建設され、14世紀半ばから議会の場として使用されてきました。1834年の火災後、現在のゴシック・リバイバル様式の建物が1860年に完成しました。全長約265m、1100を超える部屋、100の階段、11の中庭を有し、議会政治のシンボルにふさわしい規模を誇ります。ビッグ・ベンの愛称で知られる時計塔と共に、ロンドンを代表する景観となっています。英国の立憲君主制の中心であり、上院と下院の両議場を擁し、1642年のチャールズ1世による下院乱入事件など、重要な歴史的出来事の舞台となってきました。

歴史の証人「ロンドン塔」

ロンドン塔は、イギリスの首都ロンドンを流れるテムズ川岸に位置する中世の城塞で、約1000年にわたる英国の波乱に富んだ歴史の証人となっています。1078年にウィリアム征服王によって建設が始まり、その後の王朝によって拡張され、ヨーロッパ屈指の難攻不落の要塞となりました。正式名称は「国王陛下のロンドン塔の宮殿および要塞」であり、要塞、宮殿、監獄、処刑場、造幣所、天文台、銀行、動物園など、多様な役割を果たしてきました。現在も儀礼的な武器庫や礼拝所として使用されており、世界最大級のカット・ダイヤモンド「カリナン」の保管場所としても知られています。1988年にユネスコ世界文化遺産に登録され、イギリスの歴史と文化を象徴する重要な観光地となっています。

古代の謎に包まれた「ストーンヘンジ」

ストーンヘンジは、イギリス南部ソールズベリー平原に位置する新石器時代の巨石遺跡で、その起源と目的は今なお謎に包まれています。紀元前3000年から1500年頃にかけて段階的に建設されたとされ、直径約30メートルの環状に配置された巨石群が特徴的です。夏至の日の出方向に合わせて精密に設計されており、古代の天文学的知識を示唆しています。考古学的発掘調査により、ストーンヘンジが埋葬地や儀式の場として使用された可能性が指摘されていますが、その正確な用途や建設方法については未だ解明されていません。この謎めいた性質が、ストーンヘンジを世界的に有名な観光地かつ研究対象としており、毎年多くの観光客や研究者を魅了し続けています。

中世の遺産「ダラム城と大聖堂」

ダラム城と大聖堂は、イングランド北東部のダラム市に位置する11世紀の建造物で、1986年にイギリスで最初に世界遺産に登録された場所の一つです。ウェア川を見下ろす崖の上に建てられたこれらの建築物は、ノルマン・ロマネスク様式の最高傑作とされています。ダラム大聖堂は1093年に創建され、イングランドにおけるノルマン様式の最大かつ最も完成度の高い建築例として知られています。一方、ダラム城は11世紀にウィリアム1世によって建設され、現在はダラム大学の施設として使用されています。両建造物は、中世の威容を今に伝え、イギリスの歴史と文化を象徴する重要な観光地となっています。

美しい古都の風景「エディンバラの旧市街と新市街」

エディンバラの旧市街と新市街は、スコットランドの首都の歴史と文化を見事に体現する世界遺産です。中世の面影を残す旧市街には、エディンバラ城やホリールードハウス宮殿などの歴史的建造物が立ち並び、狭い路地や階段が独特の雰囲気を醸し出しています。一方、18世紀以降に計画的に造られた新市街は、新古典主義様式の建築物が整然と並ぶ「計画都市の最高傑作」と称されており、その美しい街並みは後のヨーロッパの都市計画に大きな影響を与えました。1995年に世界遺産に登録されたこの古都の景観は、新旧の建築様式が調和した都市計画の傑作として、多くの観光客を魅了し続けています。

ローマ時代から続く「バースの歴史地区」

バースの歴史地区は、古代ローマ時代から続く英国唯一の温泉保養地として知られています。紀元前9世紀に源泉が発見され、1世紀にはローマ帝国の支配下で繁栄しました。ローマ式の大浴場や神殿が建設され、「アクアエ・スリス」と呼ばれる温泉城郭都市が形成されました。18世紀のジョージ王朝時代には、上流階級の保養地として再び脚光を浴び、ジョージアン様式の建築群が建設されました。特に1774年に完成したロイヤル・クレッセントは、三日月形の集合住宅として有名です。現在も1日約125万リットルの温泉が湧き出ており、ローマ時代の浴場跡や18世紀の優美な街並みが調和した景観が、1987年に世界遺産に登録されています。

緑豊かなオアシス「キュー王立植物園」

キュー王立植物園は、ロンドン郊外に位置する世界最大規模の植物園で、1759年に設立された歴史ある施設です。約120ヘクタールの広大な敷地には、3万種以上の植物が栽培されており、東京ドーム約30個分の面積を誇ります。園内には、19世紀に建設された温室パーム・ハウスやテンペレート・ハウスなど、歴史的価値の高い建造物が点在しています。キュー・ガーデンは単なる観光地ではなく、絶滅危惧種の研究や保護にも力を入れており、世界的な植物誌の完成を目指す重要な研究機関としても機能しています。2003年にユネスコ世界遺産に登録され、年間100万人以上の来場者を魅了する、ロンドンの緑豊かなオアシスとして親しまれています。

自然の驚異「ドーセットと東デヴォンの海岸」

ドーセットと東デヴォンの海岸は、イギリス南部に位置する約155kmにわたる壮大な海岸線で、「ジュラシック・コースト」としても知られています。この地域は、中生代の三畳紀、ジュラ紀、白亜紀の3つの時代の地層が連続して見られる世界的にも稀少な場所です。約2億5千万年前から始まる地質学的な記録が残されており、多様な化石の宝庫となっています。特に、ジュラ紀の化石が豊富に発掘されることから、古生物学的にも重要な地域として認識されています。2001年にユネスコ世界遺産に登録され、その地質学的価値と自然の美しさから、研究者や観光客を魅了し続けています。

壮麗な修道院の遺構「ファウンテンズ修道院遺跡群を含むスタッドリー王立公園」

ファウンテンズ修道院遺跡群を含むスタッドリー王立公園は、イギリス北部のノースヨークシャー州に位置する世界遺産です。12世紀に設立されたシトー会のファウンテンズ修道院の壮大な遺跡を中心に、18世紀に造られた庭園が見事に融合しています。かつてイングランド最大級を誇った修道院の廃墟と、それを取り入れた独創的な庭園デザインは、18世紀の貴族の美意識と創造性を示す傑作として評価されています。この世界遺産は、中世の宗教建築と18世紀の造園芸術が調和した稀有な例として、多くの観光客を魅了し続けています。

産業革命の象徴「アイアンブリッジ峡谷」

アイアンブリッジ峡谷は、イギリス産業革命の発祥地として知られる世界遺産です。18世紀後半、この地域で銑鉄の大量生産が可能となり、産業革命の重要な要因となりました。峡谷の中心にある「アイアンブリッジ」は、世界初の鋳鉄製橋として1779年に建設され、1781年に開通しました。この橋は、支間長30.6メートルで、当時の製鉄技術の革新性を示しています。アイアンブリッジ峡谷は、産業革命期の技術と社会の変化を象徴する文化的景観として、1986年にユネスコ世界遺産に登録されました。現在も、産業革命の遺産を保存し、その歴史的重要性を伝える重要な観光地となっています。

神話と伝説の「ジャイアンツ・コーズウェーとコーズウェー海岸」

ジャイアンツ・コーズウェーとコーズウェー海岸は、北アイルランド北部に位置する驚異的な自然遺産で、約6000万年前の火山活動によって形成された4万本以上の六角形の玄武岩の柱が特徴的です。この独特な地形は、巨人フィン・マックールが造ったという伝説から「巨人の道」とも呼ばれ、神秘的な雰囲気を醸し出しています。2万年以上前から人々に知られ、1986年にユネスコ世界遺産に登録されました。海岸線に沿って約8キロにわたって広がるこの地形は、自然が作り出した芸術作品のようであり、イギリスの七不思議の1つとして数えられる北アイルランドきっての観光名所となっています。

孤独な楽園「ヘンダーソン島」

ヘンダーソン島は、南太平洋に浮かぶイギリス領ピトケアン諸島に属する無人の孤島で、1988年に世界自然遺産に登録されました。面積約37平方キロメートルの珊瑚礁でできたこの島は、かつてポリネシア人が暮らしていた痕跡が残る「ミステリー・アイランド」として知られています。1606年にスペイン人航海士ペドロ・フェルナンデス・デ・キロスによって再発見され、1819年にイギリス人船長ジェームズ・ヘンダーソンによって現在の名前が付けられました。手つかずの自然が残る秘境であり、貴重な植物や島固有の生物が生息していますが、同時に環境問題も抱えている現状があります。

イギリスで世界遺産を観光する際の注意点

イギリスの世界遺産を観光する際は、以下の点に注意が必要です。多くの人気スポットでは混雑が予想されるため、事前予約やオフシーズンの訪問を検討するとよいでしょう。特にロンドン塔などの人気施設では、ロンドンパスを利用すると入場がスムーズになります。また、一部の遺産では写真撮影が制限されている場合があるので、事前に確認しましょう。治安面では、ヨーロッパの中では比較的安全ですが、ロンドンの地下鉄やマーケットなどの人混みではスリに注意が必要です。さらに、イギリスの文化やマナーを尊重し、エスカレーターでは左側を空けるなど、現地のルールに従うことが大切です。これらの点に気をつけることで、イギリスの豊かな世界遺産をより安全に、そして深く楽しむことができるでしょう。

イギリスへ世界遺産を見に行こう!

イギリスの33カ所の世界遺産は、歴史的建造物から自然景観まで多岐にわたり、イギリスの豊かな文化遺産を体現しています。ロンドン塔やウェストミンスター宮殿といった有名な建築物、ストーンヘンジのような神秘的な先史時代の遺跡、そしてドーセットとデヴォンの海岸のような自然の造形美など、見どころは尽きません。これらの世界遺産を訪れることで、イギリスの歴史や文化、自然の魅力を深く体験できます。世界遺産巡りは、イギリス旅行をより充実したものにする絶好の機会となるでしょう。ぜひ、自分の興味に合わせて訪問先を選び、イギリスの多様な魅力を存分に堪能してください。

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