歴史と絶景に彩られた太陽の国「メキシコ」。チチェンイッツァ、パレンケ、テオティワカン等マヤやアステカ文明の古代遺跡やピンクラグーン、アグアアスル、セノーテ等の大…

メキシコの世界遺産は35カ所!絶対に見ておきたい有名な世界遺産を厳選して紹介
メキシコには35もの世界遺産があり、その数は南北アメリカ大陸で最多、世界でも7位を誇ります。古代マヤやアステカ文明の遺跡から、植民地時代の歴史的建造物、そして豊かな自然まで、実に多様な遺産が認定されています。文化遺産27件、自然遺産6件、複合遺産2件と、バラエティに富んだラインナップは、メキシコの歴史と文化の奥深さを物語っています。首都メキシコシティの歴史地区や、テオティワカンのピラミッド群、オアハカの歴史地区など、世界的に有名な観光地も多く含まれています。本記事では、これら35の世界遺産の中から、特に見逃せない名所をピックアップしてご紹介します。メキシコの魅力を凝縮した、まさに必見の世界遺産の数々をお楽しみください。
2024年07月26日更新
メキシコの世界遺産は全部で35カ所登録されている!
メキシコには2024年現在、合計35の世界遺産が登録されています。その内訳は文化遺産27件、自然遺産7件、複合遺産1件となっており、アメリカ大陸で最多の世界遺産を有する国の一つです。これらの世界遺産には、テオティワカンやチチェン・イッツァなどの有名な古代文明の遺跡、メキシコシティの歴史地区、さらには豊かな自然景観まで、多岐にわたる遺産が含まれています。メキシコの世界遺産の数は日本の22件を上回っており、国の豊かな歴史的・文化的・自然的価値を反映しています。メキシコの世界遺産一覧表
| 世界遺産登録名 | 登録年 | 種別 |
|---|---|---|
| 先史時代の洞窟壁画地域(オアハカのヤグルとミトラ) | 2010年 | 文化遺産 |
| ティカル国立公園 | 1979年 | 自然遺産 |
| 中央大学都市キャンパス(UNAM) | 2007年 | 文化遺産 |
| テオティワカンの古代都市 | 1987年 | 文化遺産 |
| カリフォルニア湾の諸島と保護地域群 | 2005年 | 自然遺産 |
| パレンケの古代都市と国立公園 | 1987年 | 文化遺産 |
| サカテカスの歴史地区 | 1993年 | 文化遺産 |
| モンクローバのユネスコ世界ジオパーク | 2019年 | 自然遺産 |
| リオ・プラタノ生物圏保護区 | 1982年 | 自然遺産 |
| サン・アントニオ・ミシオン群 | 2015年 | 文化遺産 |
| サン・フランシスコ・ハビエル教会 | 2003年 | 文化遺産 |
| ティワナク:ティワナク文化の精神的および政治的中心地 | 2000年 | 文化遺産 |
| テオトワカンの古代都市 | 1987年 | 文化遺産 |
| オアハカの歴史地区 | 1987年 | 文化遺産 |
| エル・ビスカイノ鯨保護区 | 1993年 | 自然遺産 |
| グアダラハラのカバーニャス文化庁 | 1997年 | 文化遺産 |
| カンペチェの歴史要塞都市 | 1999年 | 文化遺産 |
| トラコタルパンの歴史記念物地区 | 1998年 | 文化遺産 |
| オアハカのモンテ・アルバンの考古学的記念物地域 | 1987年 | 文化遺産 |
| ウシュマルの古代都市 | 1996年 | 文化遺産 |
| アギア・テキーラとその古代工業施設 | 2006年 | 文化遺産 |
| エル・ピナカテとグラン・デシエルト・デ・アルタール生物圏保護区 | 2013年 | 自然遺産 |
| モレリアの歴史中心部 | 1991年 | 文化遺産 |
| カンペチェ州カラクリル古代都市と保護森林 | 2002年 | 複合遺産 |
| カンペチェのモーロ砦とフィリピン要塞 | 1999年 | 文化遺産 |
| チワワ州カサス・グランデスのパキメの考古学的地域 | 1998年 | 文化遺産 |
| トラコタルパンの歴史記念物地区 | 1998年 | 文化遺産 |
| アガベ地帯とテキーラの古代産業施設 | 2006年 | 文化遺産 |
| メキシコの歴史中心部とソチミルコ | 1987年 | 文化遺産 |
| テワカン・クイカトラン渓谷:メソアメリカの原産地 | 2018年 | 自然遺産 |
| カルサダ・デ・ロス・インディオス | 2015年 | 文化遺産 |
| メキシコのカミノ・レアル・デ・ティエラ・アデントロ | 2010年 | 文化遺産 |
| レボジャヒド諸島 | 2016年 | 自然遺産 |
| フランシスコ会修道院群とクエレタロ州シエラ・ゴルダの教会 | 2003年 | 文化遺産 |
メキシコでおすすめの世界遺産12選
マヤ文明の驚異「古代都市チチェン・イッツァ」
チチェン・イッツァは、メキシコのユカタン半島北部に位置する壮大なマヤ文明の遺跡で、1988年に世界遺産に登録されました。マヤ語で「聖なる泉のほとりの魔術師」を意味するこの古代都市は、6世紀から10世紀にかけて繁栄し、最盛期には約40,000人が暮らしていたとされています。遺跡の中心にそびえ立つ「エル・カスティーヨ」(ククルカンの神殿)は、高さ24メートルのピラミッドで、その4面にある91段ずつの階段と最上段を合わせると365段となり、太陽暦の1年を表しています。春分と秋分の日には、太陽の動きによって階段に蛇の形の影が現れる「ククルカンの降臨」現象が見られ、多くの観光客を魅了しています。チチェン・イッツァには、天文台や戦士の神殿、セノーテ(聖なる泉)など、マヤ文明の高度な知識と信仰を示す多くの遺構が残されており、古代文明の謎と神秘に満ちた魅力的な世界遺産となっています。銀の町の輝き「グアナフアト歴史地区」
グアナフアト歴史地区は、メキシコ中央部のアナワク高原に位置する16世紀の銀鉱山都市で、1988年に世界文化遺産に登録されました。標高約2,000メートルに位置するこの町は、16世紀にスペイン人によって銀鉱脈が発見されたことをきっかけに発展し、18世紀には世界の銀生産量の4分の1を占めるほどの繁栄を誇りました。町の特徴は、カラフルなコロニアル様式の建築物が立ち並ぶ美しい街並みで、バシリカ教会やバレンシアーナ大聖堂などの見応えのある建造物が点在しています。また、地下には総延長8km以上の道路網が張り巡らされており、一部は現在も交通網として利用されています。グアナフアトは、その豊かな歴史と文化、そして独特の景観により、メキシコを代表する世界遺産の一つとなっています。16世紀の水の道「パドレ・テンブレケ水道橋の水利システム」
パドレ・テンブレケ水道橋の水利システムは、16世紀にメキシコ中央高原のメキシコ州とイダルゴ州の間に建造された、48.22kmにわたる壮大な水利施設です。フランシスコ会修道士フランシスコ・デ・テンブレケの指導のもと、1554年から1571年にかけて17年の歳月をかけて建設されました。この水利システムは、採水地域、湧き水、水路、貯水タンク、アーケード状の水道橋で構成されており、特にテペヤワルコにある高さ39.65mのアーチ型水道橋は、一層構造の水道橋としては当時世界最高を誇りました。地元の先住民の協力により建設されたこの水道橋は、古代ローマ以来の欧州の水利技術とメソアメリカの文化を融合させた傑作として、2015年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。プウク様式の傑作「古代都市ウシュマル」
古代都市ウシュマルは、メキシコのユカタン半島北部に位置するマヤ文明の重要な遺跡で、1996年に世界文化遺産に登録されました。7世紀から10世紀にかけて繁栄し、最盛期には約25,000人が居住していたとされています。ウシュマルの最大の特徴は、プウク様式と呼ばれる独特の建築様式です。この様式は、精巧な石造りのモザイク装飾や幾何学的なデザインを特徴とし、「魔法使いのピラミッド」や「総督の館」、「尼僧院」などの建造物に見られます。特に「総督の館」は、約2万個の切石を用いた彫刻群がプウク様式の最高傑作とされています。また、ウシュマルの建物配置は高度な天文学的知識を反映しているとされ、マヤ文明の科学的進歩を示す重要な証拠となっています。神々の都「テオティワカン遺跡」
テオティワカンは、メキシコシティの北東約50kmに位置する巨大な古代都市遺跡で、1987年に世界文化遺産に登録されました。紀元前2世紀から紀元後6世紀まで繁栄し、最盛期には10万人以上が居住していたと考えられています。「神々の都市」を意味するその名は、12世紀頃にこの廃墟を発見したアステカ人によって付けられました。テオティワカンの中心には、「死者の大通り」と呼ばれる南北5kmにわたる大通りがあり、その両側に「太陽のピラミッド」や「月のピラミッド」などの巨大建造物が整然と配置されています。これらのピラミッドは、古代メソアメリカの宇宙観や宗教観を反映した計画的な都市設計の一部であり、高度に発達した社会組織の存在を示唆しています。スペイン植民地時代の宝石「プエブラ歴史地区」
プエブラ歴史地区は、メキシコ中央部に位置する16世紀のスペイン植民地時代の街で、1987年に世界文化遺産に登録されました。1531年にスペインのキリスト教宣教団によって建設が始まり、メキシコシティとベラクルスを結ぶ交通の要衝として発展しました。この地区は、スペイン植民地時代の面影を色濃く残す教会建築群や、プエブラ特産のタラベラ焼きのタイルを使用した建物が、碁盤の目状に整備された美しい街並みの中に保存されています。特に、サントドミンゴ教会やロザリオ礼拝堂、プエブラ大聖堂などの宗教建築物は、その豪華さと芸術性で知られており、スペインとメキシコの文化が融合した独特の建築様式を今に伝えています。アステカからスペインへ「メキシコシティ歴史地区」
メキシコシティ歴史地区は、アステカ帝国の首都テノチティトランの跡地に16世紀にスペイン人が建設した植民地都市の中心部で、1987年に世界文化遺産に登録されました。面積約9平方キロメートルの歴史地区には、16世紀から20世紀にかけて建てられた約1,500の歴史的建造物が残されています。中心にあるソカロ(憲法広場)周辺には、バロック様式とルネサンス様式が融合したメトロポリタン大聖堂や、アステカ時代の建材を利用した国立宮殿などが立ち並び、スペイン植民地時代の建築美を今に伝えています。1978年の電気工事中に偶然発見されたアステカ文明の遺構「テンプロ・マヨール」は、この地がかつてアステカ帝国の中心地であったことを物語っており、先住民文化とスペイン文化の融合を象徴する貴重な世界遺産となっています。水上の庭園「ソチミルコ」
ソチミルコの水上庭園は、メキシコシティ南部に位置するユネスコ世界遺産で、アステカ時代から続く独特の農業システム「チナンパ」を今に伝える貴重な文化遺産です。カラフルな「トラヒネラ」と呼ばれる小舟で運河を巡る観光が人気で、にぎやかな都市からの魅惑的な逃避を楽しめます。これらの運河と人工島のネットワークは、かつてメキシコシティ一帯を覆っていた湖の名残であり、先住民の伝統的な生活様式や農業技術を今に伝える貴重な文化的景観となっています。ソチミルコは、メキシコシティからの半日旅行で簡単に訪れることができ、多くの観光客に古代メキシコの魅力を体験する機会を提供しています。カリブ海の生物多様性の宝庫「シアン・カアン生物圏保護区」
シアン・カアン生物圏保護区は、メキシコのキンタナ・ロー州にあるユカタン半島東部のカリブ海沿岸に広がる自然保護区で、1987年にユネスコ世界自然遺産に登録されました。マヤ語で「天空の生まれた場所」を意味するこの保護区は、528,147ヘクタールの広大な面積を持ち、多様な生態系を有しています。石灰岩の地形、セノーテ、マングローブ林、サンゴ礁、白砂のビーチなど、様々な環境が存在し、ベアードバク、オジロジカ、ジャガー、オオフラミンゴ、アメリカマナティなど、多種多様な動物が生息しています。また、保護区内にはマヤ文明の遺跡も残されており、自然と文化の調和を示す貴重な場所となっています。バロック建築の傑作「サント・ドミンゴ教会」
サント・ドミンゴ教会は、メキシコのオアハカ州オアハカ市にある16世紀から17世紀にかけて建造された教会で、バロック様式の傑作として知られています。1555年に建設が開始され、長い期間を経て完成しました。教会の内部は精緻な浮き彫りと金箔による装飾が隙間なく施され、メキシコにおけるバロック様式の最高傑作の一つとされています。特に注目すべきは「生命の樹」と呼ばれる入り口の天井装飾で、先住民の死生観とキリスト教の聖人が融合した17世紀の作品です。1987年、「オアハカ歴史地区とモンテアルバンの古代遺跡」の一部として世界文化遺産に登録されました。銀鉱山の栄華「サカテカス歴史地区」
サカテカス歴史地区は、メキシコ中央部に位置する16世紀の銀鉱山都市で、1993年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。1546年にスペイン人によって銀鉱脈が発見されたことをきっかけに発展し、18世紀には世界有数の銀産出地として繁栄しました。標高2,400メートルに位置するこの町は、ピンク色の石灰岩を使用したバロック様式の建築物が特徴的で、カテドラル(大聖堂)やサント・ドミンゴ教会などの宗教建築が街の景観を彩っています。特に、カテドラルの華麗なファサードは、メキシコ・バロック建築の傑作として知られています。サカテカスは、その豊かな歴史と文化、そして独特の景観により、メキシコを代表する世界遺産の一つとなっています。植民地時代の建築美「モレリア歴史地区」
モレリア歴史地区は、メキシコ中西部のミチョアカン州に位置する16世紀の植民都市で、1991年にユネスコ世界文化遺産に登録されました。かつてバリャドリードと呼ばれたこの都市は、スペイン統治時代の都市計画に基づいて建設され、249もの歴史的建造物が現存しています。街の中心にそびえ立つモレリア大聖堂は、ピンク色の石で建造された2つの67メートルの鐘楼と青と白のタイルのドームを持つ、街のシンボル的存在です。モレリアは、メキシコ独立運動の英雄ホセ・マリア・モレーロスの生誕地であり、1828年に彼の名にちなんで改名されました。この世界遺産は、スペインのコロニアル文化と先住民族タラスコ族の文化が融合した、メキシコ独立の礎となった重要な歴史的価値を持つ都市として評価されています。
























