日本語では「イギリス」を「英吉利」と書きますが、この漢字には深い歴史と意味があります。明治時代に西洋の文化や技術が急速に流入し、日本でも外国の国名を漢字で表記す…
イギリスの代表的な料理11選！定番料理・伝統料理からスイーツまで
イギリス料理は長年冷やかしの対象となってきましたが、実際には豊かな伝統と独特の魅力を持つ料理文化が存在します。海に囲まれた地理と広大な牧草地を活かした新鮮な魚介類や肉類、乳製品を使った料理が特徴的です。また、紅茶文化と共に発展したスイーツやお菓子も見逃せません。本記事では、イギリスを代表する11の料理を紹介します。定番の家庭料理から伝統的なディナー、そして甘いデザートまで、イギリス料理の多様性と奥深さを探ります。これらの料理を通じて、イギリスの食文化の魅力を再発見し、その独特の味わいを堪能する旅に出かけましょう。
2024年07月18日更新
イギリスの食文化
イギリスの食文化は、その歴史と地理的特性に深く根ざしています。海に囲まれた島国であることから、豊富な魚介類が料理に取り入れられ、国土の約半分が牧草地・牧場であることから、肉類や乳製品も豊富に使用されています。伝統的にイギリス料理は、シンプルで簡素な味付けが特徴とされ、食べる人が好みに応じて塩や胡椒などのスパイスで味を調整する習慣があります。近年では、多文化社会を反映して世界各国の料理が楽しめるようになり、特に大都市では多様な食文化が共存しています。また、ベジタリアンやヴィーガン向けの選択肢も増えており、イギリスの食文化の多様性と進化を示しています。イギリスのおすすめ料理11選
栄養たっぷりの伝統的な朝食「ポリッジ」
ポリッジは、イギリスの伝統的な朝食として知られる栄養豊富な料理です。主に細かく刻んだオーツ麦を牛乳または水で煮込んで作られ、食物繊維やミネラルが豊富に含まれています。元々は貧しい労働者階級の家庭で一日中食べられていましたが、現在では健康的な朝食として人気を集めています。ポリッジは砂糖や蜂蜜、フルーツを加えて甘く調理したり、香辛料や野菜と混ぜて塩味で楽しんだりと、様々なアレンジが可能です。その栄養価の高さから、ダイエット中や体調不良時の朝食としても推奨されており、イギリスの食文化における重要な位置を占めています。イギリスを代表する国民食「フィッシュアンドチップス」
フィッシュアンドチップスは、19世紀半ばにイギリスで誕生し、国民食として広く愛されている料理です。タラなどの白身魚を衣で包んで揚げ、フライドポテトと一緒に提供されます。この料理の起源は1860年頃とされ、ロンドンのイーストエンドや北西部の町モスリーで最初に販売されたという説があります。フィッシュアンドチップスは、特に金曜日に食べる習慣があり、これは宗教的な慣習に基づいています。現在では、イギリス国内に10,500件以上の専門店があり、マクドナルドの店舗数を大きく上回るほど普及しています。伝統的な調理法では、モルトビネガーやタルタルソースを添えて楽しまれ、イギリス文化を象徴する料理として国内外で親しまれています。ホクホク感がたまらない「ジャケットポテト」
ジャケットポテトは、外はカリカリ、中はホクホクの食感が特徴的なイギリスの人気料理です。大きなジャガイモを丸ごとオーブンで焼き上げ、皮をジャケットのようにカリカリに仕上げることから、この名前がつきました。中身は適度に水分が飛んで風味が凝縮し、ホクホクとした食感になります。様々なトッピングを楽しめるのも魅力で、チーズやバター、サワークリームなどの定番に加え、スパイシーなドライカレーを加えてアレンジすることで、満腹感と食物繊維をプラスすることもできます。シンプルながら満足感の高いこの料理は、イギリスの食文化を象徴する一品として広く親しまれています。家庭の味を堪能！「サンデーロースト」
サンデーロースト（Sunday Roast）は、オーストラリアやイギリスの家庭で親しまれている伝統的な日曜日の料理です。ローストした肉（ビーフ、ポーク、チキンなど）を中心に、ジャガイモや野菜の付け合わせ、ヨークシャー・プディング、そしてグレービーソースで構成されます。この料理の魅力は、ジューシーで柔らかい肉と、グリルや特別な調理法で工夫を凝らした野菜にあります。サンデーローストは、キリスト教の伝統に基づいており、日曜礼拝後に家族や親戚が集まって楽しむ特別な食事として位置づけられています。シンプルながらも愛情を込めて作られるこの料理は、イギリス文化のソウルフードとして深く根付いており、多くのパブやレストランでも提供されています。スコットランドのソウルフード「ハギス」
ハギスは、スコットランドを代表する伝統的なソウルフードです。羊の内臓（心臓、肝臓、肺など）をミンチにし、オートミール、玉ねぎ、スパイスと共に羊の胃袋に詰めて茹でた料理です。通常、マッシュポテトとマッシュしたカブ（ターニップ）を添えて食べ、ウイスキーソースをかけて楽しみます。ハギスは誕生日や送別会、お正月などの特別な日に食べられ、特に1月25日のロバート・バーンズの誕生日には「ハギスに捧げる詩」の朗読と共に儀式的に食されます。近年では、ベジタリアン向けのハギスも登場し、スコットランド料理の進化と多様性を示しています。香ばしい衣が美味しい「スコッチエッグ」
スコッチエッグは、ゆで卵を挽き肉で包み、衣をつけて揚げたイギリス料理です。カリッとした衣の食感と、中からとろける半熟卵の組み合わせが特徴的です。伝統的なレシピでは固ゆで卵を使用しますが、現代では半熟卵を使用することも多くなっています。半熟に仕上げるコツは、ゆで卵を冷やすことと、揚げる直前まで冷蔵庫で冷やしておくことです。スコッチエッグは、メインディッシュとしてはもちろん、ピクニックやパーティーの軽食としても人気があります。トマトケチャップや中濃ソースを添えて食べるのが一般的ですが、豚カツソースとの相性も抜群です。中身がぎっしり詰まった「ブリティッシュパイ」
ブリティッシュパイは、イギリス料理の代表的な一品で、サクサクとした生地の中に様々な具材がぎっしりと詰まった料理です。一般的に、肉や野菜、グレービーソースなどを組み合わせた具材を、パイ生地で包んで焼き上げます。代表的なものには、ビーフとエールを使用したステーキ＆エールパイや、チキンと野菜を組み合わせたチキンパイなどがあります。パイの上部には通常、蒸気を逃がすための小さな穴が開けられています。イギリスでは、パブやレストランでよく提供される人気メニューの一つで、家庭でも手作りされる伝統的な料理です。ブリティッシュパイは、その豊かな風味と満足感のある食感から、寒い季節に特に好まれる温かい料理として親しまれています。手軽に楽しむ伝統の味「パスティ」
ブリティッシュパイは、イギリス料理の伝統的な一品で、サクサクとした大きなパイ生地に、具材がぎっしりと詰まった贅沢な料理です。パイの中身は、肉や野菜、グレービーソースなどを組み合わせた具材で、ステーキ＆エールパイやチキンパイなど、様々な種類があります。200年以上の歴史を持つパブでは、手作りのパイが今でも人気メニューとして提供されており、オーガニック食材を使用するなど、現代の食のトレンドにも対応しています。ブリティッシュパイは、その豊かな風味と満足感のある食感から、特に寒い季節に好まれる温かい料理として、イギリス人のソウルフードとなっています。ホリデーシーズンのデザート「クリスマスプディング」
クリスマスプディングは、イギリスの伝統的なホリデーシーズンのデザートで、豊かな歴史と独特の風味を持つ特別な料理です。卵、アーモンド、フルーツの砂糖漬け、ラム酒、スパイス類を使用して作られ、長時間オーブンで焼き上げられます。提供時には、ヒイラギの枝を飾りつけてからフランベし、カスタードクリームやリキュールで風味づけしたバタークリームを添えて楽しみます。クリスマスプディングは保存性が高く、自家製でない場合は購入後も長期間保存が可能です。この伝統的なデザートは、イギリスのクリスマス料理には欠かせない存在となっており、家族や友人と共に楽しむ特別な食事の締めくくりを飾ります。冬のティータイムにぴったり「ミンスパイ」
ミンスパイは、イギリスのクリスマスシーズンに欠かせない伝統的なお菓子です。小さな円形のパイ生地に、リンゴ、ドライフルーツ、ナッツ、スパイス、時にはブランデーやラム酒を混ぜたミンスミートを詰めて焼き上げます。サクサクの生地とスパイシーで甘いフィリングの組み合わせが特徴で、冬の寒い時期にぴったりのスイーツです。クリスマスパーティーやアフタヌーンティーの定番として楽しまれ、「クリスマスの日にミンスパイを食べる時、願いごとをするとそれが叶う」というジンクスもあります。ミンスパイは13世紀頃に中東から伝わったとされ、当初は肉も含まれていましたが、現代では主にフルーツとスパイスを使用した甘いパイとして親しまれています。贅沢なアフタヌーンティー「クリームティー」
クリームティーは、イギリスの優雅なアフタヌーンティー文化を代表する贅沢な軽食です。主に紅茶、スコーン、クロテッドクリーム、ジャムで構成され、特にデボン州やコーンウォール州で人気があります。スコーンは焼きたてのものを使用し、クロテッドクリームとジャムを塗って楽しみます。クロテッドクリームは、牛乳を低温で長時間加熱して作られる濃厚なクリームで、その独特な風味と食感がクリームティーの魅力を引き立てています。伝統的には、スコーンにまずクリームを塗り、その上にジャムを載せるデボン式と、逆の順序で塗るコーンウォール式があり、地域によって好みが分かれます。クリームティーは、イギリスの食文化における優雅さと伝統を象徴する存在として、観光客にも人気の高い体験となっています。イギリスの料理を食べてみよう！
イギリス料理は、長年「不味い」というイメージがありましたが、近年その評価は大きく変わりつつあります。素材の持ち味を生かしたシンプルな調理法や、伝統的な焼き菓子の美味しさが再評価されています。また、イギリスの食文化は、豊富な魚介類や肉類、乳製品を活かした健康的な食事として認識されるようになりました。さらに、多文化社会を反映して世界各国の料理が楽しめるようになり、特に大都市では多様な食文化が共存しています。イギリス料理は、その歴史的背景と現代的な進化を融合させ、豊かで魅力的な食文化として世界中の食通を魅了し続けています。関連記事
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