アルゼンチンは近年、急激なインフレに見舞われ、物価が大きく変動しています。2024年現在、インフレ率は200%を超え、ハイパーインフレの状態にあります。この状況…

アルゼンチンの世界遺産は12カ所!絶対に見ておきたい有名な世界遺産を厳選して紹介
アルゼンチンは、壮大な自然と豊かな文化遺産が共存する魅力的な国です。ユネスコ世界遺産に登録された12カ所の遺産は、この国の多様性と歴史的重要性を物語っています。壮大な滝で知られるイグアス国立公園、氷河の美しさを堪能できるロス・グラシアレス国立公園、先史時代の洞窟壁画が残るクエバ・デ・ラス・マノス、そして近代建築の巨匠ル・コルビュジエの作品など、どれも見逃せない魅力にあふれています。本記事では、アルゼンチンを訪れる際に絶対に見ておきたい世界遺産を厳選してご紹介します。大自然の驚異と人類の文化遺産が織りなす、アルゼンチンの魅力をお楽しみください.
2024年07月31日更新
アルゼンチンの世界遺産は全部で12カ所登録されている!
アルゼンチンには現在、12カ所の世界遺産が登録されています。これらの遺産は、文化遺産が6件、自然遺産が5件、複合遺産が1件という内訳になっています。代表的な遺産には、壮大な滝群で知られるイグアス国立公園や、パタゴニア地方の氷河群を含むロス・グラシアレス国立公園などの自然遺産があります。文化遺産では、ル・コルビュジエの建築作品や、先史時代の岩絵が残るクエバ・デ・ラス・マノスなどが含まれています。これらの世界遺産は、アルゼンチンの豊かな自然環境と深い歴史文化を反映しており、国内各地に点在しています。アルゼンチンの世界遺産一覧表
| 世界遺産登録名 | 登録年 | 種別 |
|---|---|---|
| ロス・グラシアレス国立公園 | 1981年 | 自然遺産 |
| グアラニーのイエズス会伝道施設群:サン・イグナシオ・ミニ、サンタ・アナ、ヌエストラ・セニョーラ・デ・ロレート、サンタ・マリア・ラ・マジョール(アルゼンチン)、サン・ミゲル・ダス・ミソオエス遺跡群(ブラジル) | 1983、1984年 | 文化遺産 |
| イグアス国立公園 | 1984年 | 自然遺産 |
| リオ・ピントゥラスのクエバ・デ・ラス・マノス | 1999年 | 文化遺産 |
| バルデス半島 | 1999年 | 自然遺産 |
| イスチグアラスト/タランパジャ自然公園群 | 2000年 | 自然遺産 |
| コルドバのイエズス会管区とエスタンシアス | 2000年 | 文化遺産 |
| ケブラーダ・デ・ウマワーカ | 2003年 | 文化遺産 |
| カパック・ニャン アンデスの道 | 2014年 | 文化遺産 |
| ル・コルビュジエの建築作品‐近代建築運動への顕著な貢献 | 2016年 | 文化遺産 |
| ロス・アレルセス国立公園 | 2017年 | 自然遺産 |
| ESMA 博物館と記憶の場:拘禁と拷問、虐殺のかつての機密拠点 | 2023年 | 文化遺産 |
アルゼンチンでおすすめの世界遺産9選
南米の歴史的遺産「グアラニーのイエズス会伝道所群」
グアラニーのイエズス会伝道所群は、ブラジルとアルゼンチンにまたがる重要な世界文化遺産です。17世紀初頭から約150年間、イエズス会がグアラニー族へのキリスト教布教と保護を目的として建設した伝道所の遺跡群で構成されています。この遺産には、ブラジル側のサン・ミゲル・ダス・ミソンイス遺跡と、アルゼンチン側のサン・イグナシオ・ミニ、サンタ・アナ、ヌエストラ・セニョーラ・デ・ロレート、サンタ・マリア・マジョールの4つの伝道所跡が含まれており、1983年と1984年に段階的に世界遺産に登録されました。これらの遺跡は、南米におけるイエズス会の伝道活動の歴史を物語る貴重な建築様式と建造物を今に伝えています。古代の壁画が語る物語「リオ・ピントゥラスのクエバ・デ・ラス・マノス」
リオ・ピントゥラスのクエバ・デ・ラス・マノスは、アルゼンチンのサンタ・クルス州パタゴニア地方に位置する世界遺産で、9000年以上前の先住民の生活を物語る貴重な洞窟壁画群です。「手の洞窟」を意味するこの遺跡には、800以上の手形や動物の絵が描かれており、特に左手の手形が多く残されています。壁画には鉱物由来の多彩な色彩が使用され、ヘマタイトの赤、カオリン石の白、ソーダ鉄明礬石の黄、二酸化マンガンの黒などが確認されています。これらの壁画は、テウェルチェ族の祖先とされる先住民によって描かれ、成人通過儀礼の一部だったと考えられており、古代の文化と芸術的表現の貴重な証拠となっています。歴史と信仰が交差する「コルドバのイエズス会伝道所とエスタンシア群」
コルドバのイエズス会伝道所とエスタンシア群は、アルゼンチンの重要な世界文化遺産です。この遺産には、南米最古の大学の一つであるコルドバ大学、モンセラ中等学校、教会、住居などが含まれており、17世紀初頭からイエズス会によって建設されました。これらの施設を維持するため、イエズス会はコルドバ州に6つのエスタンシア(農園)を経営し、その中にはカロヤ、ヘスス・マリーア、サンタ・カタリーナ、アルタ・グラシアなどが含まれています。現在、これらの施設や農園は観光可能で、「イエズス会エスタンシアの道」として250kmにわたる観光ルートを形成しており、アルゼンチンの植民地時代の歴史と文化を体験できる貴重な遺産となっています。自然の壮大な風景「ケブラーダ・デ・ウマワーカ」
ケブラーダ・デ・ウマワーカは、アルゼンチン北西部のフフイ州に位置する壮大な渓谷で、2003年に世界遺産に登録されました。「南米のグランドキャニオン」とも呼ばれるこの地域は、全長155キロにわたる大渓谷で、標高2000メートルを超える高地に位置しています。様々な鉱物が露出した山々は「七色の丘」として知られ、その独特な景観は訪れる人々を魅了します。また、この地域にはプレ・インカ時代からスペイン植民地時代にかけての歴史的建造物や遺跡が多く残されており、自然の美しさと人類の歴史が融合した貴重な文化的景観を形成しています。氷河の神秘を体験「ロス・グラシアレス」
ロス・グラシアレス国立公園は、アルゼンチン南部サンタクルス州に位置する壮大な世界自然遺産で、300以上の氷河を擁する氷河群の宝庫です。公園内で最も有名なペリト・モレノ氷河は、全長約35km、面積約250km²の巨大氷河で、独特の青みを帯びた美しい姿を見せています。訪問者は展望台からの眺望を楽しむツアーや、湖面から氷壁に近づく船のツアー、さらには氷河トレッキングなど、様々なアクティビティを通じて氷河の神秘を体験できます。特に夏季(12月〜3月)には、氷河の「大崩落」という壮観な光景を目にする可能性があり、多くの観光客を魅了しています。大自然の驚異「イグアス国立公園」
イグアス国立公園は、アルゼンチンとブラジルにまたがる壮大な世界自然遺産で、その中心にあるイグアスの滝は世界三大瀑布の一つとして知られています。滝幅約4km、最大落差約80m、毎秒6万5000トンもの水量を誇るイグアスの滝は、200〜300の大小の滝から構成され、その規模と迫力は他の2つの滝をはるかに凌駕します。アルゼンチン側からは「悪魔の喉笛」と呼ばれる最大の滝に近づくことができ、水しぶきを浴びながら自然の驚異を全身で体感できます。また、国立公園内には貴重な亜熱帯動植物が生息する豊かな生態系が広がっており、滝だけでなく周囲のジャングルも含めた大自然の魅力を堪能することができます。野生動物の宝庫「バルデス半島」
バルデス半島は、アルゼンチンのチュブ州に位置する世界自然遺産で、多様な野生動物の宝庫として知られています。この半島は1999年に世界遺産に登録され、ミナミセミクジラやミナミゾウアザラシの重要な繁殖地となっています。訪れる観光客は、ペンギン、クジラ、シャチ、アザラシなどの海洋哺乳類や、180種以上の鳥類、さらにはグアナコやアルマジロなどの陸上動物まで、多様な野生生物を観察することができます。南極大陸からの乾いた強風の影響で樹木はほとんど見られませんが、低い植物が茂る独特の景観も半島の魅力の一つとなっています。四季折々の自然美「ロス・アレルセス国立公園」
ロス・アレルセス国立公園は、アルゼンチンのパタゴニア地方チュブ州に位置する壮大な自然遺産で、2017年にユネスコ世界遺産に登録されました。公園内には氷河によって形成されたモレーン、カール、澄んだ湖が広がり、温帯林の深い森が広大な面積を占めています。最大の特徴は、世界で2番目に長寿命(3,600年以上)を誇る絶滅危惧種のパタゴニアヒバ(アレルセ)の森林で、特にメネンデス湖畔には樹齢2600年、高さ57mの巨木が存在します。この公園は、ほぼ手つかずの状態で残るパタゴニアの森林地帯を保護し、多くの固有種や絶滅危惧種の貴重な生息地となっており、生物多様性の保全に重要な役割を果たしています。
























