イランってどんな国?基本情報からおすすめ観光スポット・物価・気候・治安まで解説

イランは西アジアに位置する古代文明の国で、豊かな歴史と文化を誇ります。国土は日本の約4.5倍、人口は約8300万人です。イスラム教シーア派が国教で、ペルシャ語が公用語です。首都テヘランをはじめ、イスファハンやシーラーズなど魅力的な都市が点在し、美しいモスクや世界遺産の遺跡が観光客を魅了します。 物価は日本と比べて安く、治安も比較的良好です。気候は地域によって異なりますが、四季があり観光に適した時期も様々です。豊富な石油資源を有し、経済は石油輸出に支えられています。

2024年10月18日更新


イランってどんな国?

イランは、古代ペルシャ文明を継承する中東の国で、豊かな歴史と文化が特徴です。首都テヘランを中心に約8,700万人が暮らしており、公用語はペルシャ語。イスラム教シーア派を国教としていますが、多様な民族と宗教が共存している点も魅力です。観光では、ペルセポリスやイスファハンのイマーム広場といった数々の世界遺産が見どころで、アルボルズ山脈や中央砂漠などの多様な自然も楽しめます。さらに、親日的な国民性と香り豊かなペルシャ料理も観光客に好評です。ただし、旅行する際には、現在の政治情勢や経済制裁の影響に留意する必要があります。イランの魅力あふれる旅行を楽しんでみてください。

イランの基本情報

項目 情報
公用語 ペルシャ語
首都 テヘラン
宗教 イスラム教シーア派(国教)
通貨 イラン・リアル(IRR)
ビザ 観光ビザが必要(到着ビザも可能)
日本との時差 -5.5時間(夏季は-4.5時間)
気候 地域によって異なる(砂漠気候、亜熱帯性気候、寒冷気候)
治安 観光地では比較的良好だが、一部地域は注意が必要
物価 日本より安価(食費、交通費は非常に安い)
交通手段 バス、タクシー、地下鉄が主な移動手段
インターネット環境 ホテルやカフェでWi-Fi利用可能、ただし速度は地域により異なる
電源プラグ・コンセント Cタイプ(220V、50Hz)
飲水 ミネラルウォーター推奨
トイレ 公衆トイレは少なく、洋式・和式両方が存在

イランへの日本からのアクセス方法・行き方

イランへの日本からの直行便は現在運航されていないため、旅行者は中東系航空会社を利用して中継地で乗り換えるのが一般的です。主なルートとして、エミレーツ航空はドバイ経由、カタール航空はドーハ経由、ターキッシュエアラインズはイスタンブール経由が挙げられ、目的地はテヘランのイマーム・ホメイニー国際空港となります。所要時間は乗り継ぎ時間を含めて約14〜20時間程度です。また、繁忙期には中国南方航空などの中国系航空会社を利用すると、より安価に渡航できる場合もあります。さらに、マイレージを活用してドバイやイスタンブールまで行き、そこからLCCを利用するのも賢い選択肢です。

イランの歴史

イランの歴史は、古代文明から現代に至るまで数千年にわたり、多くの王朝が興亡を繰り返してきました。紀元前6世紀にクル2世(キュロス2世)がアケメネス朝を建国し、ペルシャ帝国の基礎を築いたことから始まります。その後、アレクサンドロス大王による征服、パルティアやササン朝の時代を経て、7世紀にはアラブ・イスラム勢力による侵攻によりイスラーム化が進行しました。16世紀にはサファヴィー朝がシーア派を国教とし、イラン人の国民意識が形成されました。20世紀には立憲革命の後、パフラヴィー朝が成立し、1935年に国号を「イラン」と改称。1979年のイラン革命により、現在のイスラム共和制が樹立されています。

イランの気候と旅行中の服装は?

イランは地域によって気候が大きく異なり、北部は湿潤なカスピ海沿岸気候、中央部は乾燥した砂漠気候、南部は亜熱帯性気候が特徴です。夏は砂漠地帯で40度を超えることもあり、軽量で通気性の良い服装が適していますが、冬は北部や山岳地帯で寒冷になり、厚手のジャケットが必要です。また、イランでは宗教的な理由から、女性は頭を覆うスカーフや長袖の服装が求められ、男性も長袖シャツやパンツを着用することが一般的です。旅行の際には、気候に合った服装と現地の文化を尊重した準備が重要です。
季節 平均気温
1月(冬) 5°C
2月(冬) 7°C
3月(春) 12°C
4月(春) 17°C
5月(春) 22°C
6月(夏) 28°C
7月(夏) 32°C
8月(夏) 31°C
9月(秋) 27°C
10月(秋) 20°C
11月(秋) 13°C
12月(冬) 7°C

イランの旅行費用

イランは日本人旅行者にとって物価が比較的安く、リーズナブルな旅行先です。1日の予算は、節約旅行であれば約3,000円程度、普通のホテルやレストランを利用する場合は約10,000円程度が目安です。宿泊費はドミトリーで1泊4,000円から、中級ホテルでは10,000〜20,000円ほど、食事はレストランで1食500〜1,000円程度です。また、タクシーの10km移動で約200円、長距離バス8時間で約500円と交通費も非常に安いです。ただし、イランではクレジットカードが使えないため、必要な現金を事前に用意することが重要です。また、為替レートの変動が激しいため、常に最新の情報を確認することをお勧めします。1週間の旅行費用は、航空券代や観光費用を含めて約15万〜20万円を目安に計画するのが一般的です。

イランの治安・住みやすさ

イランの治安は一般に想像されるよりも良好で、主要な観光地では重大な犯罪に巻き込まれるリスクは低く、多くの旅行者が安全に過ごしています。しかし、スリやひったくりといった軽犯罪が発生しているため、貴重品の管理には注意が必要です。夜間の一人歩きは避け、できるだけ人通りの多い場所を移動することが推奨されます。また、テヘラン南部など一部地域では治安が悪化しているため、訪問を控えるべきです。特に女性旅行者は、イスラム法に基づく服装規制を守ることが求められます。イランの人々は親切で、困った際には助けてくれることが多いですが、国際情勢の変化によって治安状況が急変する可能性があるため、渡航前に最新の情報を確認することが大切です。

イランの物価

イランの物価は、経済制裁や高インフレ率の影響で変動が激しいものの、日本と比較すると全般的に安価です。基本的な生活必需品や食品の価格として、ミネラルウォーター(500ml)は約50円、レストランでの食事は500〜1,000円、公共交通機関は20〜50円、タクシーの初乗りは200〜300円、ガソリンは1リットルあたり30〜50円程度です。ただし、輸入品や高級品は高価になることが多いです。また、イランには公式レートと市場レートの二つが存在し、市場レートが実際の取引で使われることが多いため、旅行者は為替レートに注意する必要があります。さらに、経済制裁の影響でクレジットカードがほとんど使えないため、十分な現金を持参することが大切です。

イランの見どこころ・観光スポット

イランには豊かな歴史と文化を反映した多くの魅力的な観光スポットがあります。イスファハンは、イマーム広場を中心に美しいモスクや宮殿が立ち並ぶ世界遺産の街で、特にイマーム・モスクの青いタイルの装飾が圧巻です。シーラーズでは、ペルセポリス遺跡やピンクモスクで有名で、エラム庭園も世界遺産に登録されています。砂漠の古都ヤズドは、ゾロアスター教の聖地として知られ、旧市街全体が世界遺産です。首都テヘランでは、ゴレスターン宮殿や国立宝石博物館など、歴史的な見どころが豊富で、現代的な都市の姿も垣間見ることができます。アブヤーネ村は、赤土の家々が特徴の伝統的な村で、独特の景観と文化を体験できる場所です。これらのスポットでは、イランの歴史と文化、そして人々の温かさに触れることができ、訪問時には現地の習慣やドレスコードを尊重することが重要です。

イランの名物・有名なもの

イランの名物や有名なものには、伝統工芸品と料理が特に際立っています。世界的に有名なペルシャ絨毯は、複雑な模様と鮮やかな色彩が特徴の手織りの絨毯で、ミーナーカーリーは青い釉薬を施した陶器に繊細な絵付けが施された工芸品です。また、イランは世界最大のサフラン生産国で、高品質のサフランが知られています。風味豊かなピスタチオも人気があり、イランは世界第2位の生産量を誇ります。料理では、サフランライスと串焼き肉を組み合わせたチェロウ・ケバブや、トマトとナスのシチューであるガイメが代表的です。これらの名物は、イランの豊かな文化と歴史を反映しており、多くの旅行者にとって魅力的なお土産や食体験となっています。特に伝統工芸品は職人の技術が光る逸品が多く、イスファハーンのイマーム広場周辺で購入することができます。

イランのことを知って旅行しよう!

イランは、古代ペルシャ文明の歴史と豊かな文化遺産を誇る国です。壮大なモスクや歴史的建造物、美しい自然景観など、訪れるべき観光スポットが多数存在します。物価は日本よりも安く、手頃な価格で食事や買い物が楽しめます。気候は地域によって異なり、夏は非常に暑く、冬は寒冷になることが多いです。また、治安は比較的良好で、観光客も安心して訪れることができます。イランの魅力を存分に体験してください。

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