ハイチの治安は?危険な場所や知っておきたい準備事項と注意点

ハイチの治安状況は極めて深刻で、全土が危険な状態にあります。日本の外務省は、ハイチ全土に対して「レベル4:退避してください。渡航は止めてください。(退避勧告)」を発出しています。首都ポルトープランスを含む全土で武装集団による犯罪行為が頻発しており、特に夜間の外出は絶対に避けるべきです。現在の治安状況では観光目的での渡航は推奨できません。やむを得ない理由で滞在する場合も、十分な警戒が必要です。緊急時の連絡先や避難場所を事前に確認し、非常用物資の準備も欠かせません。

2024年09月19日更新


ハイチの治安状況

2024年に入ってからハイチの治安状況は一層悪化し、武装集団による攻撃や抗争が激化しています。1月から3月の3か月間で少なくとも2,505人が死傷し、公共機関やインフラへの組織的攻撃、身代金目的の誘拐(438人以上)、女性や少女への性的暴行の増加、物資輸送の停止、約36万2000人の国内避難民発生が主要な問題です。日本政府は2024年4月にハイチの日本大使館を一時閉館し、在留邦人に即時退避を呼びかけており、現状では一般の渡航者や人道支援目的の渡航も極めて危険とされています。

ハイチ旅行前に準備したいポイント

ハイチへの渡航は現在極めて危険であり、日本政府は全土に退避勧告を出しているため、旅行は強く推奨されません。しかし、やむを得ない事情で渡航する場合は、以下の点に注意して準備することが重要です。まず、在ドミニカ共和国日本国大使館内の在ハイチ日本国大使館臨時事務所に連絡先を登録し、最新の安全情報を入手すること。次に、信頼できる警備会社のエスコートサービスを手配し、緊急時用に現金(米ドルとハイチグルド)、パスポート、貴重品を常に持ち出せるよう準備します。また、飲料水、非常食、医薬品、燃料を最低10日分用意し、推奨されるワクチン(A型肝炎、B型肝炎、破傷風など)を接種し、マラリア予防薬を処方してもらうことが求められます。渡航前に十分な準備と情報収集を行い、現地では細心の注意を払って行動することが不可欠です。

ハイチの犯罪の特徴

ハイチの犯罪状況は深刻化しており、特に以下の特徴が顕著です。誘拐事件の急増が最も深刻で、外国人や裕福なハイチ人が主な標的となっています。武装強盗も頻発しており、銃器を使用した暴力的な強盗が路上や住宅、商業施設で多発しています。また、組織犯罪の拡大が見られ、ギャング組織が広範囲を支配し、麻薬密売やマネーロンダリングに関与している疑惑があります。さらに、性犯罪が増加しており、特に避難民キャンプなどで女性や少女への性的暴行が報告されています。これらの犯罪は、長年の政治的不安定さや経済的困窮、法執行機関の機能不全が背景にあり、犯罪者の多くが罰せられない現状が犯罪の増加を加速させています。

ハイチでの犯罪対策

ハイチの深刻な治安状況を考慮し、やむを得ず滞在する場合は、以下の対策を徹底することが重要です。外出時は常に周囲に注意を払い、目立つ服装や行動を避けるようにし、夜間の外出は絶対に控え、昼間でも単独行動を避けましょう。車での移動時にはドアをロックし、窓を閉めたまま走行してください。現金や貴重品の携行は最小限に抑え、目立たないよう保管することが必要です。誘拐対策として、日々の行動パターンを変え、予測不能にすることが推奨されます。緊急時には、大使館や警察の連絡先を常に携帯しておくことも重要です。ただし、これらの対策を講じても安全は保証されません。外務省は全土に退避勧告を出しており、可能な限り速やかにハイチから退避することが最善の対策です。

ハイチで治安が悪いとされる要注意エリア・スポット

シテ・ソレイユ地区

シテ・ソレイユはハイチの首都ポルトープランス都市圏に位置する北半球最大の貧民街で、治安が極めて悪化していることで知られています。1960年代にデュヴァリエ政権下で低所得者用住宅として建設され、その後農村部からの移住者や他地域からの立ち退き者が流入し、人口が急増しました。現在、約30万人が居住し、深刻な貧困と過密状態に加え、武装ギャング間の抗争に悩まされています。医療アクセスは極めて限られており、国境なき医師団(MSF)の救急病院が唯一の医療施設です。武装ギャングの衝突により、多くの住民が避難を余儀なくされ、外国人や支援団体のスタッフも標的となる可能性が高く、極めて危険な地域とされています。

カルフールのマーケット

ルフールのマーケットは、ハイチの首都ポルトープランス近郊に位置する大規模な青空市場で、治安上の懸念が非常に高い地域です。この市場は地元経済の重要な拠点である一方、犯罪の温床にもなっています。市場内外では武装強盗や窃盗が頻発し、特に外国人や目立つ観光客が標的になりやすいです。混雑した環境を利用したスリや置き引きなどの軽犯罪も多く、また市場周辺ではギャング組織の影響力が強く、突発的な暴力事件のリスクが高いです。このため、ルフールのマーケットへの訪問は極めて危険であり、できる限り避けるべきです。どうしても訪れる場合は、現地の信頼できるガイドや警備員の同行が不可欠です。

夜のデルマ通り

デルマ通りはポルトープランス市内の主要な商業地区ですが、夜間は極めて危険な場所に変わります。日中はホテル、レストラン、商店が立ち並ぶ賑やかな通りですが、日没後は武装ギャングによる襲撃が頻発し、特に外国人や観光客が狙われやすく、強盗や誘拐のリスクが高まります。現地の治安当局の機能が著しく低下しているため、夜間のデルマ通りへの外出は絶対に避けるべきです。

もしハイチで犯罪の被害にあってしまった時の対応方法

ハイチで犯罪被害に遭った場合は、迅速かつ慎重に対応することが必要です。まず、安全な場所に移動し、在ハイチ日本国大使館(現在は在ドミニカ共和国日本国大使館内の臨時事務所)に連絡してください。警察への通報も重要ですが、ハイチの警察機能が著しく低下しているため、大使館の指示に従うことが賢明です。事故や犯罪の場合、可能であれば警察官の立ち会いを求め、事故調書を作成してもらうようにしましょう。性暴力被害に遭った場合は、72時間以内に医療機関を受診し、必要な治療と証拠収集を行うことが重要です。常に携帯電話に警察(+509-3838-1111)や大使館の緊急連絡先を保存し、被害状況を詳細に記録し、可能であれば写真や動画を撮影しておくことも推奨されます。また、現地の法的支援を受けられる可能性があるため、大使館に相談することも考慮してください。ただし、現在のハイチの治安状況では、これらの対応が困難な場合も多いため、まずは自身の安全確保を最優先にしてください。

治安情報を事前に必ずチェックしよう!

ハイチへの旅行を計画する際は、治安に十分な注意が必要です。ハイチは地域によって治安状況が大きく異なり、特にポートオープランスなどの都市部では治安が不安定な場合があります。旅行前には最新の安全情報を確認し、現地の警察や大使館の指示に従うことが重要です。また、貴重品の管理や夜間の外出を避けるなどの基本的な注意事項を守ることで、安全な旅行を心がけましょう。万全な準備と慎重な行動が、ハイチでの滞在をより安心なものにしてくれるでしょう。

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