メキシコの治安は?危険な場所や知っておきたい準備事項と注意点

メキシコは豊かな文化と美しい自然で人気の観光地ですが、治安面では注意が必要です。主要観光地では比較的安全ですが、地域によって治安状況が大きく異なります。外務省は一部地域に渡航中止勧告を出しており、特に夜間や人混みの多い場所では警戒が必要です。スリやひったくりなどの軽犯罪に注意し、夜間の一人歩きは避けるべきです。また、組織的な誘拐も横行しているため、身の安全には十分気をつける必要があります。しかし、適切な対策を取れば、メキシコの魅力を安全に楽しむことができます。この記事では、メキシコの治安状況や注意点、安全に旅行するための準備事項を詳しく解説していきます。

2024年09月12日更新


メキシコの治安状況

メキシコの全体的な治安状況は、ここ数年改善の傾向が見られず、依然として懸念が残る状態です。犯罪組織の活動が活発で、組織間の抗争や治安部隊との衝突、幹線道路の封鎖などが散発的に発生しています。特に、バハ・カリフォルニア州、チワワ州、コリマ州、ゲレロ州などの一部地域では、殺人や強盗などの凶悪犯罪の発生率が高く、外務省は「不要不急の渡航はやめてください」というレベル2の警告を出しています。一方で、メキシコシティやカンクンなどの主要観光地では、比較的安全に過ごせる地域もあります。ただし、どの地域でも、スリや置き引きなどの軽犯罪には十分な注意が必要です。旅行者は常に周囲に気を配り、夜間の一人歩きを避け、貴重品の管理に注意を払うことが重要です。

メキシコ旅行前に準備したいポイント

メキシコ旅行を安全に楽しむためには、事前の準備が重要です。まず、旅行保険に加入し、緊急時の医療費や盗難被害に備えましょう。貴重品の管理には細心の注意を払い、パスポートや現金は分散して保管することをおすすめします。また、現地の緊急連絡先や在メキシコ日本国大使館の連絡先を控えておくと安心です。
 
服装は地味で目立たないものを選び、高価な装飾品は避けましょう。移動には正規のタクシーやUberを利用し、リブレと呼ばれる流しのタクシーは避けるべきです。さらに、メキシコシティなどの高地では高山病に注意が必要で、到着後はゆっくり休んで体を慣らすことが大切です。これらの準備と注意点を守ることで、メキシコの魅力を安全に楽しむことができるでしょう。

メキシコの犯罪の特徴

メキシコの犯罪状況は深刻で、特に殺人事件の発生率が高いことが特徴です。2022年の1日あたりの殺人事件発生件数は74.5件に上り、2021年には年間約3万件の殺人が発生しました。これは日本と比較して約33倍の発生率です。殺人の約80%は犯罪組織関連と言われていますが、残りの20%でも約6,000件に達します。強盗事件も多発しており、2021年には約21万件が報告され、日本の約187倍の発生率となっています。これらの犯罪の背景には、複数のカルテル(麻薬組織)の存在があり、カルテル間の抗争や当局との衝突が犯罪増加の一因となっています。さらに深刻な問題として、政治家や警察などの公的機関とカルテルの癒着が指摘されており、これが犯罪対策を困難にしています。

メキシコでの犯罪対策

メキシコでの犯罪対策の基本は「自分の身は自分で守る」という心構えです。目立たない服装を心がけ、高価な装飾品や電子機器の露出を避けましょう。特に、iPhoneなどの高級スマートフォンは盗難の標的になりやすいため、公共の場での使用は控えめにすべきです。また、常に周囲に注意を払い、イヤフォンで音楽を聴きながら歩くなど、注意力が散漫になる行動は避けてください。不審者に話しかけられても無視し、大金を持ち歩かないことも重要です。タクシーを利用する際は正規のものを選び、夜間の一人歩きは避けるべきです。ホテルでは貴重品を部屋に置きっぱなしにせず、金庫を利用するか常に身につけておくことが賢明です。これらの対策を習慣化することで、犯罪被害のリスクを大幅に軽減できます

メキシコで治安が悪いとされる要注意エリア・スポット

メキシコシティのテピート・イスタパラパ

メキシコシティには特に注意が必要な危険地域があります。その代表的な場所がテピート(Tepito)地区とイスタパラパ(Iztapalapa)地区です。テピートは中心部に近い場所にあり、強盗や誘拐のリスクが高く、地元の人でさえ近づかない地域として知られています。イスタパラパはメキシコシティ国際空港の南に位置し、殺人、強盗、麻薬取引など犯罪率が非常に高く、世界で最も危険な地域の一つとされています。これらの地域では、観光客が意図せず立ち入ってしまう可能性もあるため、地図で位置を確認し、近づかないよう十分注意する必要があります。また、これらの地域付近の地下鉄駅の利用も避けるべきです。

チルパンシンゴ

チルパンシンゴ市及びその周辺地域は、メキシコで最も危険な地域の一つとされています。外務省は、この地域に対して最高レベルの警告である「レベル3:渡航は止めてください。(渡航中止勧告)」を発出しています。この地域では、殺人、誘拐などの凶悪犯罪が頻繁に発生し、治安の悪化に歯止めがかからない状況が続いています。チルパンシンゴ市周辺(ティエラ・コロラダを含む)では、麻薬カルテルの活動が活発で、治安当局との衝突も報告されており、一般市民や観光客が巻き込まれるリスクが高いです。このような深刻な治安状況を踏まえ、観光客はもちろん、ビジネス目的であっても、この地域への渡航は避けるべきです。

アメリカとの国境地帯

メキシコとアメリカの国境地帯は、治安が特に悪化している地域の一つです。この地域では、不法入国や麻薬密輸などの犯罪が頻発しており、年間100万人以上の不法入国者がいると推定されています。特に、テキサス州の一部地域では、2022年10月から2023年8月初めまでの間に24万5000人以上が法的手続きを経ずに入国を試みたと報告されています。国境地帯では、移民を標的とするギャングの襲撃や、入国管理局の取り締まりが頻繁に行われており、一般の旅行者も巻き込まれる危険性があります。さらに、この地域では麻薬カルテルの活動も活発で、組織間の抗争や治安部隊との衝突が発生しています。これらの理由から、外務省はメキシコ北部の一部地域に対して「不要不急の渡航はやめてください」というレベル2の警告を出しています。旅行者は、この地域への立ち入りを避け、やむを得ず訪れる場合は十分な注意を払う必要があります。

もしメキシコで犯罪の被害にあってしまった時の対応方法

メキシコで犯罪被害に遭った場合、まず冷静に対応することが重要です。身の安全を確保した後、すぐに警察(緊急電話911)に通報し、在メキシコ日本国大使館または総領事館に連絡してください。被害届の提出は必須で、パスポートを紛失した場合は再発行手続きが必要です。ただし、メキシコの警察は日本と異なり、被害者の安全確保や迅速な対応が期待できない場合があります。そのため、事前に保険会社の緊急連絡先を控えておくことや、クレジットカード会社への連絡も重要です。また、犯罪被害の状況や対応について、他の在留邦人や旅行者と情報共有することで、今後の被害防止に役立てることができます。

治安情報をチェックしてメキシコ旅行を楽しもう!

メキシコの治安について詳しく解説しましたが、旅行を安全に楽しむためには、危険なエリアを避け、事前に情報を収集することが重要です。また、観光地でもスリや詐欺などの軽犯罪に注意し、貴重品の管理を徹底しましょう。旅行中は現地のルールや文化を尊重し、危険な状況を避けるために信頼できる交通手段を利用することも大切です。安全対策をしっかり行いながら、メキシコの魅力を存分に楽しんでください。

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