モロッコの世界遺産は9カ所!絶対に見ておきたい有名な世界遺産を厳選して紹介

モロッコは、エキゾチックな文化と豊かな歴史が織りなす魅惑の国です。この北アフリカの王国には、ユネスコ世界遺産に登録された9つの貴重な文化遺産があります。迷路のような旧市街、砂漠の要塞、古代ローマの遺跡など、それぞれが独自の魅力を放っています。マラケシュやフェズといった有名な都市から、隠れた宝石のような場所まで、モロッコの世界遺産は訪れる人々を魅了し続けています。この記事では、モロッコを訪れる際に絶対に見ておきたい世界遺産を厳選してご紹介します。歴史と文化が息づくこれらの遺産は、あなたのモロッコ旅行を忘れられない体験にすることでしょう。

2024年07月26日更新


モロッコの世界遺産は全部で9カ所登録されている!

モロッコには現在、9つの文化遺産が世界遺産として登録されています。これらの遺産は、フェズやマラケシュの旧市街、アイト・ベン・ハドゥの集落、メクネス、テトゥアン旧市街、ヴォルビリス古代遺跡、エッサウィラ旧市街、マザガン(エル・ジャディーダ)のポルトガル都市、そしてラバトです。これらの世界遺産は、モロッコの豊かな歴史と文化を反映しており、イスラム、アラブ、ベルベル、ヨーロッパの影響が融合した独特の魅力を持っています。各遺産は、モロッコ全土に点在しており、国の多様な地理と歴史的背景を示しています。

モロッコの世界遺産一覧表

世界遺産登録名 登録年 種別
フェズ旧市街 1981 文化遺産
マラケシュ旧市街 1985 文化遺産
アイット=ベン=ハドゥの集落 1987 文化遺産
メクネス旧市街 1996 文化遺産
ヴォルビリスの考古遺跡 1997 文化遺産
テトゥアン旧市街(旧名ティタウィン) 1997 文化遺産
エッサウィラ旧市街(旧名モガドール) 2001 文化遺産
マサガン(エル・ジャディーダ)のポルトガル都市 2004 文化遺産
ラバト:近代都市と歴史都市の融合 2012 文化遺産

モロッコでおすすめの世界遺産9選

迷路のような街並みが魅力「フェズ旧市街」

フェズ旧市街は、その複雑な街路構造から「世界一の迷宮都市」と呼ばれています。2.2km×1.2kmの城壁に囲まれた旧市街には、入り組んだ狭い路地、急な坂道、そして予期せぬ階段が無秩序に広がっています。この迷路のような構造は、外敵の侵入を防ぐために意図的に作られたと言われており、現代でも車が入れない場所が多く、物流にはロバやラバが使われています。旧市街の中心部、フェズ・エル・バリには、カラウィーン・モスクやブー・ジュルード門などの歴史的建造物が点在し、伝統的な職人街や活気あふれるスークが今も息づいています。この独特の街並みと生きた歴史が、フェズ旧市街を魅力的な世界遺産としているのです。

色彩豊かな文化の交差点「マラケシュ旧市街」

マラケシュ旧市街は、11世紀後半にムラービト王朝の都として栄えた歴史的都市で、1985年にユネスコ世界遺産に登録されました。アトラス山脈の麓に位置するこの街は、その特徴的なピンク色の建物から「赤い都市」としても知られています。旧市街の中心にあるジャマ・エル・フナ広場は、昼夜を問わず活気に満ちた文化の交差点となっており、大道芸人のパフォーマンスや屋台が立ち並び、まるで祭りのような賑わいを見せます。広場の北側に広がるスークは、迷路のような細い路地に無数の店が軒を連ね、伝統的な手工芸品から日用品まで多様な商品が取引される巨大マーケットとなっています。このような伝統と活気が共存するマラケシュ旧市街は、モロッコの豊かな文化遺産を体現する場所として、多くの観光客を魅了し続けています。

砂漠の要塞「アイット=ベン=ハドゥの集落」

アイット=ベン=ハドゥの集落は、モロッコのアトラス山脈南麓に位置する17世紀に築かれた要塞村で、1987年にユネスコ世界遺産に登録されました。マラケシュとサハラ砂漠を結ぶ交易路の要衝に位置し、日干しレンガで作られた堅固なカスバ(要塞)が特徴的です。集落全体が要塞化され、狭く複雑な通路や銃眼のある塔、丘の頂上にある食糧貯蔵庫など、敵の侵入を防ぐ巧みな防御設計が施されています。その独特な景観から、『アラビアのロレンス』や『グラディエーター』など多くの映画のロケ地としても使用され、「モロッコで最も美しい村」とも称されています。現在も数家族が電気や水道のない伝統的な生活を続けており、古代の建築技法と生活様式を今に伝える貴重な文化遺産となっています。

壮大な歴史を感じる「メクネス旧市街」

メクネス旧市街は、17世紀末にアラウィー朝のムーレイ・イスマイル王によって建設された壮大な都市で、1996年にユネスコ世界遺産に登録されました。「モロッコのベルサイユ」とも呼ばれるこの街は、25kmに及ぶ城壁に囲まれ、巨大な門や宮殿群が特徴的です。旧市街には、複雑な路地、にぎわいのあるスーク(市場)、そして多数のモスクやマドラサ(神学校)が現存し、随所に見られるモザイクタイル、漆喰、木の彫刻、印象的なアーチの建築物が、歴史を閉じ込めたような雰囲気を醸し出しています。メクネスは、ヨーロッパ、アラブ世界、サハラ砂漠を結ぶ重要な交易拠点として栄え、その影響が街の建築や文化に色濃く反映されています。

古代ローマの遺産「ヴォルビリスの考古遺跡」

ヴォルビリスの考古遺跡は、モロッコ北部に位置する古代ローマ都市の遺跡で、1997年にユネスコ世界遺産に登録されました。紀元前3世紀のカルタゴの施設群の上に築かれたこの都市は、肥沃な農業地帯にあり、小麦やオリーブの生産で繁栄しました。最盛期には4万人が居住し、カラカラ帝の凱旋門や公共浴場、オリーブ圧縮工場など、壮麗なローマ建築が今も残っています。3世紀末のローマ帝国撤退後もしばらく人々の生活が続きましたが、18世紀のリスボン大地震で大きな被害を受け、19世紀から発掘と修復が行われてきました。ヴォルビリスは、地中海、リビア、ポエニ、ローマ、イスラム、キリスト教など、さまざまな文化が交流した証として、北アフリカにおける古代ローマ都市の中で最良の保存状態を誇る遺跡の一つとなっています。

アンダルシア文化の影響を受けた「テトゥアン旧市街」

テトゥアン旧市街は、1997年にユネスコ世界遺産に登録された、モロッコ北部に位置する独特の文化的景観を持つ都市です。15世紀にレコンキスタによってイベリア半島から避難してきたイスラム教徒とユダヤ教徒によって再建された街は、スペイン南部のアンダルシア地方の文化から強い影響を受けています。約5kmの城壁に囲まれたメディナ(旧市街)には、白い壁の家々が密集し、アンダルシア風の建築様式が随所に見られます。特に17世紀に建造された旧王宮は、スペイン・ムーア文化を代表する建築物として知られています。テトゥアンは、ヨーロッパとアフリカの文化が交差する独特の都市景観を今に伝え、イスラム文化とアンダルシア文化の融合を示す貴重な世界遺産となっています。

大西洋の風を感じる「エッサウィラ旧市街」

エッサウィラ旧市街は、モロッコの大西洋沿岸に位置する18世紀の要塞都市で、2001年にユネスコ世界遺産に登録されました。ポルトガル語で「小さな絵」を意味する旧名モガドールとしても知られるこの街は、青と白を基調とした建物が特徴的で、地中海風の雰囲気を醸し出しています。城壁に囲まれた旧市街には、狭い路地、活気あるスーク、そして歴史的な港が残されており、かつての交易の中心地としての繁栄を今に伝えています。エッサウィラは、その独特の景観と穏やかな気候から、芸術家や音楽家に愛される街としても知られており、毎年6月にはグナワ音楽祭が開催されます。大西洋からの心地よい風と、文化的多様性が融合したエッサウィラ旧市街は、モロッコの魅力的な世界遺産の一つとして多くの観光客を魅了し続けています。

ポルトガルの影響が残る「マサガン」

マサガン(現在のアル・ジャディーダ)は、モロッコ中西部の大西洋沿岸に位置する歴史的な要塞都市で、2004年にユネスコ世界遺産に登録されました。1502年にポルトガル人によって建設されたこの都市は、約300メートル四方の海上要塞として築かれ、インドへの航路上の重要な拠点となりました。16世紀に都市開発が進み、ヨーロッパの影響を強く受けた建築様式が特徴的です。1769年にモロッコ軍に占領された後も、ポルトガル時代の遺構が多く残されており、巨大な貯水槽や司令官の館跡など、当時の繁栄を今に伝える貴重な文化遺産となっています。

歴史と現代が融合する「ラバト」

ラバトは、モロッコの首都として古代の遺産と現代の都市計画が見事に融合した独特の景観を持つ都市です。2012年にユネスコ世界遺産に登録されたラバトは、大西洋とブールグレグ川の岸辺に位置し、イスラム関連の遺産を保持しつつ、20世紀の西洋モダニズム都市計画が巧みに取り入れられています。街の中心部には、12世紀に建設されたオーダヤのカスバや、ハッサンの塔などの歴史的建造物が点在し、それらと調和するように近代的な建築物や美しい庭園が配置されています。この独特の都市景観は、モロッコの伝統と現代性の共存を象徴しており、外交上の重要性と相まって、ラバトを魅力的な世界遺産としています。

モロッコで世界遺産を観光する際の注意点

モロッコの世界遺産を観光する際は、いくつかの注意点に留意する必要があります。まず、メディナ(旧市街)は複雑な迷路のような構造をしているため、単独で歩き回ると迷子になる可能性が高いです。そのため、ガイド付きのツアーを利用するのが安全で効率的です。また、世界遺産の保護のため、ゴミのポイ捨ては厳禁です。特にタバコの投げ捨ては火災の危険があるため、絶対に避けましょう。さらに、イスラム文化圏であることを念頭に置き、適切な服装や振る舞いを心がけることが重要です。これらの点に注意を払うことで、モロッコの豊かな文化遺産をより安全に、そして深く楽しむことができるでしょう。

モロッコへ世界遺産を見に行こう!

モロッコの9つの世界遺産は、国の豊かな歴史と文化を物語る貴重な宝物です。フェズやマラケシュの迷宮のような旧市街、アイト・ベン・ハドゥの伝統的な集落、メクネスの壮大な建造物群、ヴォルビリスの古代ローマ遺跡など、それぞれが独自の魅力を放っています。これらの遺産を訪れることで、イスラム文明とヨーロッパの影響が融合したモロッコの多様性を体感できるでしょう。世界遺産巡りは、この北アフリカの国の奥深さを知る最高の方法といえます。モロッコ旅行の際は、ぜひこれらの世界遺産のいくつかを訪れ、歴史の息吹を肌で感じてみてください。













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